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「うつっぽい、不安を感じる…」な時に、薬に頼る前に試してもらいたいこと

うつっぽくなったり、不安感が強かったり…。

人生山あり谷ありで、生きていれば「生きるのが辛くなる…」なんてことの一度や二度があったりします。もちろん、良いことも訪れるものなので、悲観するのは早計な感じでもあるのですよね。今回は、そんな「うつっぽい、不安を感じる…」な時に、薬に頼る前に試してもらいたいことを紹介していきます。

簡単に始められることなので、オススメです♪

 

 

抗うつ剤とランニング療法の効果の比較

 

これは2023年に出たアムステルダム UMCによる実験で、うつ病および or または不安障害の患者141名を対象に以下の2パターンで効果の比較をおこないました。

 

  1. 抗うつ剤グループ:エスシタロプラム10mgを服用する(1日最大20mgまで増量が可能)
  2. ランニンググループ:週2~3回、45分間の屋外ランニングを行う

 

実験期間は16週間で、ランニンググループは次のプログラムをおこなってもらったそうです。

 

  1. 軽いランニングで、10分間のウォーミングアップ
  2. 最初の4週間は、予備心拍数の50~70%で30分のランニング(週2~3回)
  3. その後の12週間は、予備心拍数の70~85%で30分のランニング(週2~3回)
  4. 5分の軽いランニングでクールダウン

 

この予備心拍数についてですが、安静時心拍数(横になった状態で1分間計測した脈拍:平均は60~70回)と最大心拍数(おおむね220 – 年齢)の差です。例を挙げるなら、最大心拍数が190で安静時心拍数が60の人が、70%の負荷で運動をしようとする場合、自分に適した運動の心拍数を計算すると、以下の計算式になります。

 

(最大心拍数190 – 安静時心拍数60)×0.7+安静時心拍数60=151

 

この計算式を使うことで、自分に適した運動レベルを把握できますのでご活用ください。

 

肝心の結果ですが、

 

  • 症状がほぼ寛解レベルまで改善した参加者の割合は、ランニング療法で43%、抗うつ剤群で45%と、どちらのグループでもほぼ同レベルの効果だった。
  • うつ病や不安神経症の症状の重症度を比較したところ、両グループとも同様の結果だった。
  • ランニング療法では心拍数、ウエスト周囲径が減少し、肺機能が向上した。一方で抗うつ剤グループには、体重の増加、拡張期血圧のわずかな上昇、中性脂肪の上昇がみられた。

 

ランニングの効果は抗うつ剤とほとんど変わらず、健康レベルも改善してコスパも良いので、不安感があるのなら積極的に取り組んでも良いのかと思います。
この「予備心拍数の50~70%で30分のランニング」は、運動未経験者でもこなせるレベルなので、「運動って苦手なんだよなぁ~…」という方でも問題ないと思いますね。とはいえ、重篤なうつ病患者だと運動をする余裕はありませんので、そこは専門的な治療から始めていった方がよろしいかと!

 

 

【参考文献】
[Antidepressants or running therapy: Comparing effects on mental and physical health in patients with depression and anxiety disorders]

 

 

 

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