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塩分の摂りすぎで摂取カロリーが11%増えてしまう理由

塩分の摂り過ぎは、なんとなくですがあまり良くない印象があるかと思います。

今回は題名のとおり、塩分の摂り過ぎによって摂取カロリーが増えてしまうという視点でお話をしていきます。
塩自体は0カロリーですが、先に結論を言うと塩分の摂り過ぎは食欲を暴走させてしまうからです。もちろん、最低限の塩分は必要ですが、必要以上の塩分は控える方が無難です。

それこそ、良い塩梅を見つけることが大切です。

 

各々の主張があると思いますが、いつものとおり、参考文献を基にお話していきます。

まずは論文を参考にして、そこから自分の身体で実践をしていくとよろしいのではないのでしょうか?
体質は人それぞれですので、みんなが論文の結果どおりになるわけではありません。

鵜呑みにはせずとも、まずは受け入れていきましょう。

 

 

脂質と塩分での食欲増加の比較

 

参考にするのは、2016年に出たディーキン大学の実験です。
この実験では、48名の参加者を以下の4グループにわけ、脂質の塩分の量による食欲の変化を調査しました。

 

  1. 低脂肪・少塩の食事:脂肪は総食事量の0.02%、塩化ナトリウムは0.06%
  2. 低脂肪・多塩の食事:脂肪は総食事量の0.02%、塩化ナトリウムは0.5%
  3. 高脂肪・少塩の食事:脂肪は総食事量の34%、塩化ナトリウムは0.06%
  4. 高脂肪・多塩の食事:脂肪は総食事量の34%、塩化ナトリウムは0.5%

 

1日のカロリー量は設定しないで、塩分の脂質の量だけを変化させた実験です。
ちなみに、実験で使われた料理はマカロニで、ソースとチーズで塩分と脂質を調整しているようです。

 

結果ですが、脂質の過剰摂取はカロリー摂取量を60%増加させるです。

脂質によって総カロリー摂取量が増えてしまうのは予想できますが、塩分の過剰摂取はカロリー摂取量を11%増加させることがわかりました!
理由は先に申し上げた通り、食欲を暴走させてしまうからです。

塩分は食事報酬が高く、ドンドン食べたくなるという欲求がおきます。
脂質ほどではないのですが、実験では肥満を招くには十分な数値がでたということですね。

 

 

 

一番よい塩分摂取量

 

とはいっても、脂質もそうですが、塩分も人間には必要な栄養素です。
食欲を暴走させてしまうといっても、最低限の塩分は摂っておきたいものです。

そこで、論文を基にベストな塩分摂取量を調べていきたいものです。

 

2014年、「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に出た論文を参考にお話をしてきます。

17カ国から10万人以上の参加者を募集し、早朝の尿を調べてナトリウムとカリウムの排泄量を測定しました。
そうして約3年半にわたって全員の健康状態を追跡調査し、心疾患のリスクや死亡率を算出しました。
念のために確認ですが、塩分でよく問題になっているのが『ナトリウム』というミネラルです。このミネラルのバランスが崩れると、高血圧といった循環器系のトラブルや脳卒中を引き起こすということです。

その結果が以下のとおりです。

 

  • ナトリウム排泄量が1日3g未満だと心疾患のリスクが27%アップ
  • ナトリウム排泄量が1日7g以上だと心疾患のリスクが15%アップ

 

まずは、多くても少なくても問題だということですね!
これはナトリウムで算出されたものですので、これを食卓にあるいわゆる『食塩』に換算すると、以下のようになります。

 

  • この論文での安全な1日の塩分摂取量は7.5~17.5g

 

ということになります。

2011年の研究でも同様の結果が出ており、この間で収めていくと問題はないかと思います。
日本人の1日の塩分摂取量は平均10gですので、一応はこの範囲に収まっています。なので、余程外食を続けなければこの範囲を超えることはないので、無理に減塩をする必要はないかと思います(当然ですが、腎疾患や高血圧などをお持ちでしたら、その限りではありません…)。

この量は、およそ小さじ1.5~3.5杯です。
もともと日本人は世界に比べて塩分摂取量が多い民族ですので、僕の推察ですが塩分に耐性があるかもしれません。

現に、塩分の大量摂取による心疾患の発症リスクが低い傾向にあり、これは2011年に出た論文でも証明されています。なので、厚生労働省やWHOが推奨している摂取量を無理をしてまで守ることはないと思います。
とはいえ、心疾患のリスクが少ないだけで、脳卒中が多いのはありますが…。

 

 

 

オススメの塩分摂取法

 

高血圧や脳卒中を引き起こすミネラルがナトリウムで、これは食塩すなわち『精製塩』に多くふくまれています。
というより、基本的に食塩の成分のほとんどがナトリウムです。

なので、自宅で塩を使用するときは『天然塩』を選びましょう。

 

精製塩と天然塩の成分の違いを調べた2010年の研究によると、天然塩の方が以下のミネラルが豊富に含まれています。

 

  • カルシウム
  • カリウム
  • マグネシウム
  • 硫黄
  • 亜鉛
  • 鉄分

 

僕がオススメしている天然塩は『QIパワーソルト』(容器入り)ですね!
ちなみに、詰め替え用がコチラです。
あとは、iHerbさんで検索してみると、良い掘り出し物が見つかるかもしれません。

 

 

 

 

以上が、塩分が太らせてしまう理由です。

今回の塩分に関する情報はほんの一部ですので、まだまだ奥が深いものがあります。
今回のブログでまとめを作るなら、以下のようになるかと思います。

 

  • 塩分は食事報酬が高く、食欲を暴走させてしまう
  • 塩分は多すぎると病気になると、少なすぎても病気になる
  • 特に臓器に問題がないのなら、普通の人は10gでも問題ない(推奨量を守るなら7.5gほど)
  • 運動をしているなら、わずかなら増やしても問題ない
  • 自宅では、基本的に天然塩を使用する

 

といった具合です。

ちなみに、安全圏が17.5gだからでも、カリウムとの兼ね合いがあっての安全圏だと思います。
ナトリウムとカリウムのバランスを考慮して、塩分は摂っていきましょう!

 

 

【参考文献】

[Salt Promotes Passive Overconsumption of Dietary Fat in Humans]

[Urinary Sodium and Potassium Excretion, Mortality, and Cardiovascular Events]

[Urinary Sodium and Potassium Excretion and Risk of Cardiovascular Events]

[Decreased salt intake in Japanese men aged 40 to 70 years and women aged 70 to 79 years: an 8-year longitudinal study.]

[COMPARISON OF SALTY TASTE AND TIME INTENSITY OF SEA AND LAND SALTS FROM AROUND THE WORLD]

 

 

 

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