前回はニキビの治療法に関するメタ分析をお知らせしました!
読んでいただけたならおわかりですが、自宅で手軽におこなうには、なかなか現実的な方法ではないですね(汗)。
ニキビが起きる原因はいろいろとあって、たとえば、今回ご紹介するようなメンタルの変調によって起きることだってあり得ます。
そうなりますと、たとえニキビケアをしてもメンタルが沈んていては再発することがあります…。
まずは、ニキビとメンタルの関係性についてご理解をください。
そこから、メンタルを回復させるいろいろな方法を実践していって、根本的なニキビケアをしていきましょう。
一時しのぎでは、またニキビが発症してしまいます。対症療法ではなく、しっかりと原因そのものを取り除いていきましょう!
≪Contents≫
ニキビとメンタルの関係性
2018年に発表されたイギリスの健康調査を使った研究で、ニキビに悩む男女約13万人を15年にわたって追跡調査したものがあります。
結論を述べますと、ニキビと診断された患者は、その後5年以内にうつ症状が出る確率が63%も高くなることがわかりました。
研究者によると、以下のようにコメントしております。
この調査は、肌とメンタルの重要なつながりに光を当てた。
ニキビの診断とうつ症状のリスクの高さを見ると、いかに両者が密接に結びついているかがわかる。
この実験は観察研究なので、「ニキビになったからうつになる」のか「うつがニキビを引き起こす」のかといった因果関係が不明です。
とはいうものの、「脳と皮膚は密接な関係にある」ということは分かっています(専門的に言うと脳皮膚軸)ので、ニキビとメンタルが関係しあっているのは納得のいくことです。人間の脳神経と肌はつねにコミュニケーションを取り合っていますので、お互いが影響し合っていると言えるでしょう。
メンタルの変調によってニキビが起きる機序
ストレスによって、ニキビや肌荒れ、脱毛といったことを経験したことがあるかと思います。
そのメカニズムも解明されていて、その理由の1つが、ストレスホルモンである『コルチゾール』です。
ニキビに至るまでの機序が以下のとおりです。
- ストレスを感じることによってコルチゾールが分泌される
- コルチゾールが血管を刺激してダメージを与える
- ダメージを受けたことによって、皮膚に炎症を起こす
- 炎症が起きることによって、ニキビや肌荒れを引き起こす
このほかにも、2012年にネイチャーに記載された論文によると、『ストレスを感じることでマスト細胞(免疫システムに関わる細胞)が活性化して炎症を引き起こし、ニキビや湿疹を発生させる』という仕組みがあると報告しています。
マスト細胞によって肌荒れがおき、そのストレスによってまたマスト細胞が暴れ出す…といった負のスパイラルに陥ります。一度でもストレス反応を起こしたなら、ドンドン燃え広がるという恐ろしさがあります。
何かの原因によって一度でもストレスを感じたなら、そのストレスによってさらに症状が悪化します。
こればかりは仕方がありません。
なので、ニキビや肌荒れの原因がメンタルというのならば、メンタルの改善に専念すれば、自ずと回復していくというわけです。最近では、ニキビケアに認知行動療法が採用されてきていますので、ストレスの原因を深掘りしていくのも良いかと思います。
「ニキビといえばアクネ菌の繁殖」みたいなことがありますが、一概にそうとは言い切れません。
脳皮膚軸の関係がありますし、付け加えるなら腸と皮膚も密接な関係があります。脳-皮膚-腸は繋がっていますので、そのあたりを攻めていくのもアリですね☆
【参考文献】
[Risk of depression among patients with acne in the U.K.: a population‐based cohort study]