パンやラーメン、うどんといった小麦製品に含まれる『グルテン』ですが、これが老化を引き起こすかもしれないという話をしていきます。
アンチエイジングといった健康に関することで話題にあがるグルテンが、もしかすると腸といった消化器系に悪影響を及ぼし、炎症を引き起こす可能性があるかもしれません。以前のブログでもグルテンについて取り上げましたが、データの質が良い実験から参照していきますので、信用するには十分です。
積極的なアンチエイジングを目指すなら、前向きに参考にするといいですね♪
ですが、どうしてもパンやうどんといったものを食べたいという人もいます。
僕がそのタイプです(笑)。
そういった人向けの反対意見も用意していますので、そちらも合わせてお読みください。新しい論文ですし、実験内容がしっかりしていますので、こちらも信用するには十分です!
≪Contents≫
グルテンが消化器系に与える悪影響
2015年に出たアメリカ国立衛生研究所の論文で、小麦やグルテンアレルギーを持たない健康な男女59名を対象にしています。
方法ですが、全員を2つのグループにわけ、ランダムに5gのグルテンかお米のデンプンを飲んでもらいました。
1週間すると、グルテンを飲んだグループには次のような症状が出てきました。
- 腸の痛み(p=0.47)
- 腹部膨満感(p=0.40)
- アフタ性口内炎(p=0.25)
- うつ症状(p=0.20)
- ブレインフォグ:モヤモヤする、頭がボンヤリするなど(p=0.19)
精度の高い実験ですので、こと健康を意識するなら、なるべく控える方向にする方が良いかもしれません。
反対意見:健康人にグルテンフリーは効果があるのか
精度の高い実験によって、グルテンが人体に悪影響を与えることが示唆されています。
「でも、パンとか好きだからグルテンフリーはしたくない!」
という意見もあるかと思います。
そういった人向けに、2019年に出たシェフィールド大学などの研究を基に、特別気にする必要がないことの説明もしていきます。
この研究は、実験前にテストを受けて、セリアック病のような極度のグルテンアレルギーがない健康体な平均年齢38歳の男女28名を対象におこないました。
サンプル数は少ないですが、実験内容は良いので、こちらも参考にするには十分です。参加者のとおり、自分にアレルギーがないという、ある程度の保証があってのことですので、ご了承ください…。
実験内容は以下の通りです。
- まずは全員に2週間のグルテンフリー食をしてもらう
- 参加者全員に主観的な消化器系の状態(腹痛や消化不良、下痢など)と疲労感を記録してもらう
- 全体を2つのグループに分けて、一方には本当のグルテンを14gほど飲んでもらい、もう一方にはただの糖質を14gほど飲んでもらう
- 両グループでの結果を比較していく
この研究での結果ですが、両グループと比較したところ『グルテンフリー食をしてもなにも異常がなかった』とのことです。むしろ、グルテングループには下痢の症状が改善したという報告があったようです(今回がそのような結果が出ただけで、改善には他の要因があるとのこと)。
研究者によると、
セリアック病のようなグルテンアレルギーの人には最良の治療法だが、健常者にはとっては安全であるという意見を支持します。14gのグルテンでどのような変化が起きるかを2週間にわたって試したが、両グループの有意差は確認できなかった。
おそらく、グルテンフリー食が普通の食事よりも有益であるという面はない。
今回の研究は、健康な人にはグルテンが何の悪影響ももたらさないことを示した、世界でも初めてのDRCT(実験デザインの基盤となるもの)だそうで、いままではこのような内容の実験がなかったそうです。
なので、この2019年の研究を鑑みるなら「だったら関係なく食べちゃおう♪」という判断もできます。
個人的に、僕はタコ焼きやらうどんやらが好きなので、やっぱり新しい研究結果の方に目がいってしまいますね。
とはいっても、実験の精度的には、アンチエイジングを目指すなら念のために小麦製品を控えていくという方法もアリですね。毎日うどんやパンを食べるよりかは、たまに食べるという程度が、メンタル的にはちょうど良いかもしれません。
グルテンについては、まだまだ確信的なものはありません。
アレルギーがあるのなら控えるのが無難ですので、そこは自分でチェックをしてみるのがよろしいでしょう。
【参考文献】