どんな温厚な人にも、あまり触れてほしくないことがあります。
僕も治療院に勤めていたときに、院長から「とりあえずは政治や宗教の話題に触れない方が良い。あとは、相手の専門分野についても意見もしない方が無難だ!」ということも教わりました。僕もなるべく注意を払っていましたが、知らず知らずのうちに、お客様の、いわゆる『地雷』を踏んでしまいました。
お客様には、大変失礼なことをしてしまいましたね…。
何度かお伝えしていますが、健康であるためにも人間関係は良好であった方が良いです。
今回のテーマは誰しもが持っている『地雷ポイント』について解説していきます。
恋人や友人と仲良くなるポイントの他に、仲が破綻してしまうポイントがあります。
このポイントに触れてしまうと、さすがにいままで仲が良くても、それが原因で人間関係が崩壊してしまいます。それに、自分自身では気付かないケースがありますので、何が原因かは分からなかったりします。
今回の地雷ポイントを把握して、回避できるものは回避していきましょう!
≪Contents≫
誰もが持っている地雷ポイントとは
今回は2011年に出た、ウィルフリッド・ローリエ大学の実験の結果を基にご紹介していきます。
この実験は178名の学生を対象にした研究で、「友情を継続させていくにどうすればいいのか?」という問題に着目してます。研究者は『相手の地雷ポイントの理解』が友情を長続きさせるコツだという仮説を立て、人はどのようなことをされると嫌いになるのかということを調査していったということです。
少しネガティブな側面からのアプローチですが、友情を減点させないことも大切だと思っています。
当然ながら、人によって地雷ポイントが違うのは言うまでもありません。
ちょっとした汚れでも気になって仕方がない人もいれば、ほとんど気にしない人もいます。たとえば、センスの悪い服装を見て幻滅してしまうことだってあります(ちなみに、これは僕です)。
まずは基礎となる地雷ポイントを72パターンを用意し、参加者に地雷ポイントをチェックしてもらい友情との関係を分析しました。当然ながら、相手の地雷ポイントを知っているほど、友人関係や恋人関係が長続きすることがわかりました。
以下のリストが、基礎となる地雷ポイントです。
以下のポイントを見ながら、友人や恋人、もしくは商談相手の地雷ポイントをチェックするのが良いでしょう。応用として、自己分析に使うのもアリですね!
行動全般に関する地雷ポイント
- 頑固:自分の意見や考えを頑なになって曲げようとしない
- 臆病:恥ずかしさのあまり、発言を控えてしまう
- 礼儀をわきまえない:感謝できない・食事マナーを知らない、常識がなっていない
- 自己犠牲:自分の気持ちを押し殺して相手のためにガンバる
- 挑発行為:意味のない争い・喧嘩が好き
- 目立ちたがり屋:まわりの注目を集めたいがために行動する
- 不正直:平気でウソをつく、物事を誇張する・話を盛る
- 自己アピールが目立つ:必要以上に自分をよく見せようとする
- 不誠実:適当にほめる・露骨なお世辞、思ってもないことを言う
- 不遜:尊敬の念がない・謙虚な姿勢でない、粗末に相手をあつかう
- 優しすぎる・甘すぎる:悪いことをした相手に、簡単に許してしまう
- 裁く:相手が他人を批判する、なんでも白黒つけたがる
- 不信感:相手が他人にしてあげている行為に疑いの目をかける
- 自己卑下:本人は良いことをしているのに、それを認めない
- 承認欲求がヒドイ:まわりに認めてもらおうと必死
- 穏やかすぎる:他人との衝突を避けようとする
- ワガママ:自分のことしか考えない
- 空気を読まない:場の雰囲気を読まずに積極的に行動する
- すぐに秘密を漏らす:個人情報や秘密を他人に話す
- 横やりを入れる:相手との会話や行動に割って入ってくる
- うっかり:自分の行動に不注意が多い
- 不平不満が多い:まわりに文句ばかりもらしている
- 権威の無視:目上の人や社会的に上の人に対して、無礼な行為をはたらく
- 知ったような口ぶり:何も知らないことを知ってるかのように話す
こういったことを目の当たりにすると、ついイライラする人がいます。
これらが、人によっては平気な人もいれば、少しでも許せない人もいます。相対する人の行動パターンを観察して、上記のことに気をつけていきましょう。
自分への行動に対する地雷ポイント
- 感情依存:自分に心理的に依存される
- 無視:自分を放置する・無視される
- 批判:自分の欠点を批判される
- 抑制:自分に何かを命令してくる・支配しようとする
- 不要:相手に必要とされない
- 厳格:相手に厳しい態度を取られる
- 賞賛:相手から賞賛される
- 過保護:相手が自分を過剰に守ろうとする
- 反抗:相手が自分の得意な領域に入ってくる
- 物理依存:いつも自分と一緒にいようとして、ひとりの時間が取れない
これは、自分の行動によって、相手がどのように感じるかどうかです。
自分の時間がほしいのにそれができない、なんでも干渉してくると、人によってはイライラしてしまうということです。
他人の感情に対する地雷ポイント
- 怒り:怒っている人を見る
- 誇張表現:感情表現が大げさな人を見る
- 不機嫌:機嫌が悪い人を見る
- 感情移入:他人の感情に必要以上に共感する人を見る
- せっかち:目の前の欲望に正直すぎる人を見る
- 不安:何に対してもすぐに心配になる・不安を抱く人を見る
- 無表情:あまり感情を表に出さない人を見る
- 緊張:緊張している人を見る
- 無関心:他人の感情に興味がない人を見る
自分やまわりが抱いている感情に対して、相手がどのように感じるかどうかです。
基本的にネガティブな感情は伝染しやすく、極力は控えていった方が無難です。とはいえ、あまりにも反応しない・オーバーリアクションは、それはそれで無機質だったり、ウソ臭いです。
なんでも中庸に感情表現した方が良さそうです。
他人の作業(仕事や勉強など)に対する地雷ポイント
- 無気力:やる気を出して動かない
- 他者依存:能力がある・時間に余裕があるにも関わらず、協力を要請する
- 無能:仕事ができない・能力がない
- 時間に無頓着:約束の時間を守れない
- 無責任:自分のミスを認めない・行動に対する責任を果たさない
- 無返答:メールや電話に折り返さない
- 完璧主義:作業を完璧にこなそうと細部にこだわる
- 粗雑:形式だった方法で作業をしない
- 監視:他人を信用せず、作業を逐一チェックする
- 自己依存:他人に助けを頼めない・協力を要請しない・なんでも自分で作業をする
- 自己表現に無頓着:その場にふさわしい・適切な服装ができない・周囲への印象に配慮しない
- 指示待ち:指示をうけた作業しかしない
- 緩慢:締め切りを守らない・作業を先延ばしする
作業に対して、自分やまわりが上記のような行動をとったとき、相手がどのように感じるかどうかです。
キッチリしないと気がすまない人もいれば、いわゆるマイペースで作業を進める人もいます。
チームで作業をおこなうと、いろいろな行動をとりますのでなかなか難しいものです。大まかな取り決めをして、あとはフレキシブルに動けばいいのではないかと思います。
作業なら、最終的に目標達成できれば良いわけですしね。
相手の価値観に対する地雷ポイント
- 伝統主義:新しい考え方や方法を認めない・受け入れない
- 感情優先:物事を決めるときに自分の感情を最優先して判断する
- リスクテイカー:危険を顧みない・衝動的に決断する
- 楽観主義:ポジティブな面だけで判断し、ネガティブな面に注意を払わない
- 浅薄:せまい・浅い知識だけで物事を判断しようとする
- すぐに感化される:他人の考えをすぐに受け入れる
- イデオロギー:自分のイデオロギー(思想や観念)を弄られて怒る
- 過剰な警戒:起こり得るすべての問題点を解決しないと決断できない
- 不真面目:いつも物事を真面目に考えない・ふざけた態度をとる
- すぐに騙される:深く考えずに物事をすぐに信じてしまう
- 非伝統主義:社会の規律・秩序に従わない
- 悲観的:すべてをネガティブに考える
- 無知:知っておくべきこと・社会のマナーなどを知らない
- 疑い深い:どんなこともすぐに疑いの目をむける
- 理性派:いつも論理的に物事を決断する
- 真面目すぎる:いつも真面目でユーモアがない
自分やまわりが持っている価値観に対して、相手がどう感じるかどうかです。
価値観は人それぞれで、相手にも価値観があります。
不真面目な態度の人が、真面目な態度の人を見かけたら息苦しいように、真面目な人も不真面目な人にはイライラするものです。
関わる必要があるのなら、どのような点が許容範囲なのかの取り決めが必要でしょう。
以上が、大まかな地雷ポイントの紹介です。
この他にも、個々人の触れてほしくないポイントもありますので、それも加味して人間関係を構築していくと良いでしょう。健康に関して言えば、友人や恋人の存在は大きいもので、僕らの人生の質を高めてくれるので、大変ありがたいものです。
あまりにもポイントが多いので、すべて把握するのは難しいかもしれません。
ですが、これを把握していると、地雷ポイントを知らない場合にくらべて、1.5〜2倍ほど人間関係が長続きしやすかったそうです。深く関わっていく・関わっていく必要がある人の地雷ポイントくらいは押さえておきたいものです。
【参考文献】