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【運動に不向き!】ケトン食でパフォーマンスが上がらない理由とは

ケトン体ダイエットが流行っている時期がありましたが、現在はどうなのでしょうかね?
個人的には興味ありませんし、糖質制限をオススメをしていない身としては、こちらもオススメはしていません。どちらか一方の栄養に偏ったダイエット法そのものを、僕は好きではありませんからね。

以前にあったスポーツ選手に対するケトン食の有用性の話ですが、これは脂肪の方が貯蓄量が多いため、エネルギー不足になりにくいという利点から来ています。
糖質の場合、筋肉や肝臓に溜めこまれているのですが、その量は400gほどです。これだと、フルマラソンやサッカーなどの持久力が求められる競技では、すぐに枯渇してしまう量です。なので、脂肪をエネルギーにできるケトン食にすることで、競技中もスタミナが持続できる身体になるということです(ついでに脂肪が落ちてバキバキになる!)。

まあ、実際のところどうなのか、それを今回はバッチリ否定していくブログとなっています。

 

 

ケトン食がトレーニングの効果を帳消しにする

 

これは、2016年のオーストラリアカトリック大学の実験によって判明したものです。
研究の内容は「アスリートがケトン体回路にしたらどうなるのか?」ということを調査しました。一般の方々の生活レベルでは有効的であるという報告があるものの、こと長時間になるとどうなるのかというところでしょう。

この実験の被験者は、世界レベルのパフォーマンスを持っている21名の競歩選手です。
被験者を3つのグループにわけて、3週間の実験期間を設けました。

 

  • 高炭水化物グループ:タンパク質15~20%、脂質20%、糖質60~65%
  • ピリオダイズグループ:三大栄養素のバランスは高炭水化物グループと同様で、糖質を摂るタイミングをトレーニング内容や曜日によって変えていく手法
  • ケトン食グループ:タンパク質15~20%、脂質75~80%、糖質は50gに固定

 

もちろん、これは実験ですので、比較のためにトレーニングメニューはまったく同じものです。
実験後に被験者全員のパフォーマンスや脂肪の燃焼レベルなどをチェックしたところ、以下のようなことになりました。

 

  • 全員、VO2maxは同じように向上した(=心肺機能が向上した)。
  • ケトン食グループは脂肪の燃焼効率が向上した
  • 10kmの競歩テストでは、高炭水化物&ピリオダイズグループは記録が向上した(高炭水化物6.6%とピリオダイズ5.3%の向上)。しかし、ケトン食グループには記録の向上がみられなかった
  • ケトン食グループはレース中の酸素消費量が上がったが、他のグループは酸素消費量が減った。
  • ケトン食グループは主観的な疲労度が上がった。

 

ケトン食グループは心肺機能が向上し効率よく脂肪が燃えているものの、肝心のパフォーマンスは低下したということです。

研究者によると、こういった結果になった理由は『糖質よりも脂質のほうがエネルギー変換する際の酸素消費量が多い』からだそうです。
ケトン食によって得られるケトン体は、エネルギー源になりえるものの、そのぶん酸素の利用効率が悪くなります。つまり、運動時間が長くなるほどスタミナが急激になくなって、本来のパフォーマンスが出せなくなるのです。

 

 

 

 

実験の被験者は皆エリートですが、仕組みそのものは一般人と同様のハズです。

ケトン食に好成績を納めているアスリートもいるのですが、スポーツをするなら、基本的に糖質もしっかり摂っておいた方が無難ですね。普段からそれほど長時間動くことがないのなら、ケトン食はダイエットにはアリでしょう。

僕の場合、スポーツも楽しみたいから、ケトン食はオススメしないなぁ~~。

 

 

【参考文献】

[Low carbohydrate, high fat diet impairs exercise economy and negates the performance benefit from intensified training in elite race walkers]

 

 

 

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