ダイエットや美容、健康、はたまたトレーニングまで…。
基本的に、何をするにも、まずは『睡眠』が大切なわけです。
「睡眠こそ最良の薬!」なわけで、巷に出回っている胡散臭いサプリに手を出すくらいなら、素直に眠ってくれた方が有効的です。今回のテーマは「適切な睡眠がどれだけ見た目に良い影響を及ぼすのか?」というもので、主に体型に着目していきます。
前々から「睡眠不足と体型の関係性」についての研究で解明されていることがあります。
たとえば、
- 2010年の研究で、2週間の減量中に睡眠時間を8.5時間から5.5時間に短縮したところ、体脂肪が減少しにくく、反対に筋肉が減少しやすくなることがわかっている
- 2011年のレビューで、睡眠不足により血糖コントロール、空腹感、食欲が悪化し、最終的にエネルギー摂取量が増加することがわかっている
睡眠不足が体型に悪影響を及ぼすことは、先の研究で示してくれています。
そこで、2020年に出た新しい研究の結果を見て比較していこうということでもありますね。
どうぞ、ダイエットやトレーニング等の参考にしていってください。
最適な睡眠とトレーニングの組み合わせによる体脂肪減少について
オスロ・メトロポリタン大学の実験で、「最適な睡眠によって運動の効果が上がる!」というアドバイスを証明することを背景におこなわれたものがあります。
22名のトレーニング経験のない健康男性被験者を集め、以下の2グループに分かれてもらい、トレーニングをおこなってもらいます。
- 特に何も指導せずにトレーニングを10週間おこなってもらう(比較グループ)
- 研究のスタート時に睡眠を最適化するレクチャーを受けたあと、比較グループと同様のトレーニング10主観おこなってもらう
この実験でおこなわれたトレーニングメニューは、以下のとおりとなっています。
- トレーニングのペースは週に2回
- 10分間のウォームアップから始まり、続いてレッグプレス、チェストプレス、ニーエクステンション、チェストプレス、ラットプルダウン、レッグカール、ケーブルロウをおこなう
- 10RMの負荷で2〜3セットおこなう(インターバルは90秒)
肝心の「睡眠を最適化するレクチャー」ですが、この実験では、ノルウェーで使われている睡眠障害のためのガイドラインを採用しています。
具体的な方法は、以下のように構成されております。
- 寝室の環境は「暗くて、できるだけ静かで、室温は涼しい」
- 週末(休日)も、常に同じ時間帯に寝起きする
- 毎日8時間の睡眠をとる
- 就寝2時間前には室内の照明を消して、パソコン、タブレット、スマホを使わない、できる限り光を発しないようにする。
- 就寝2時間前の食事と運動をひかえ、コーヒーや紅茶は飲まず、静かで前向きなアクティビティを行う(瞑想や半身浴、ストレッチなど)。
- 就寝前に関係の衝突を起こさない
- 起床後、すぐにできるだけ多くの光を浴びる
- コーヒーは就寝6時間前まで
- 起床のために目覚まし時計が必要ないくらいの睡眠をとるように心がける
- 就寝時に発光する電子機器は使わない
- リラクゼーションのテクニックを学び、就寝前や深夜の覚醒時に使う
DXAでプログラムの前後に体脂肪の量を測定しつつ、同時にアンケート調査で不眠レベルをチェックしていきました。
10週間後、比較グループとレクチャーを受けたグループには、以下のような違いが現れたそうです。
- 比較グループよりも、レクチャーを受けたグループのほうが筋肉量が増えた(1.7±1.1 vs 1.3±0.8 kg)ものの、グループ間の差は統計的に有意性はなかった(p=0.29)
- レクチャーを受けたグループは、比較グループよりも大幅に体脂肪量が減少した(-1.8±0.8 vs -0.8±1.0 kg;p=0.02)。体脂肪率の低下についても、レクチャーを受けたグループの方が優位だった(-2.07%対-1.11%、標準偏差なし;p=0.03)
筋肉の増加は僅差ですが、体脂肪については、睡眠を最適化することで良い成果を上げることができました。
冒頭でも紹介しましたが、以前の研究と同様の結果と言えます。
なので、ダイエットや体型の改善には、睡眠の質が大きく関わってくると言えるのです。
…というわけで、「痩せる!」と決意するのなら、食事も大切ですが『睡眠』も大切ということです。
どうしても食事に意識が向きがちですが、基本の基本である睡眠をおざなりにするのはいただけません。
睡眠は最良の薬なので、何よりも睡眠の改善から図っていくのがよろしいかと…。
睡眠改善は鍼灸の得意領域の1つなので、よろしければお問い合わせくださいませ☆
【参考文献】
[Insufficient sleep undermines dietary efforts to reduce adiposity]