効率的に良質なタンパク質を補給するには、やっぱりお肉の存在が大きいものかと!
とはいえ、気になるのは『病気のリスク』という点…。
将来のことを考えると、このことは放っておくわけにはいきませんね。
今回は、そんなお肉を食べることによる病気のリスクについて取り上げていこうかと思います。
≪Contents≫
赤身肉を食べても心疾患は『それほど』問題なし
1つ目に紹介するのは、ハーバード大学のメタ分析。
この研究では、過去の研究から36件のRCTをまとめていき、赤身肉の摂取によって心疾患のリスクが上昇するのかを調べてくれています。
ちなみに、赤身肉とは海外の分類法で、牛肉やラム肉などの赤い色の食肉を指します。
被験者の数は合計1,803名で、実験期間は2〜36週間(平均8.5週間)となっています。
実験中の赤身肉の摂取量は1日46.5〜500gで、中性脂肪や血圧といった、心疾患リスクに関わる数値にどのような影響を与えるかを見ていったそうです。
その結果ですが、さすがに赤身肉が少ない食事法に比べると、中性脂肪は6.0 mg/dL (0.065 mmol/L) ほど上昇しましたが、牛肉やラム肉を食べても『それほど』心疾患に悪影響を及ぼさないことがわかりました!
結果を見るに、神経質になるほどの数値は出ていなく、たとえば総コレステロールは-3.0 mg/dL ほど減少する傾向があります。
血圧にはなにも響かなかったので、こと心疾患に関しては気にするほどではありません。ですが、『絶対に心疾患にならない』という結論ではないので、身体の脂肪には悪影響があまりないという気持ちで捉えてください。
赤身肉と白身肉の脂肪は特に問題なし
続いて、赤身肉と白身肉の脂肪(飽和脂肪酸)による影響を調べた実験をご紹介。
健康的な男女113名(うち半数が標準体重で、半数が肥満傾向)を対象に、以下のような6パターンの食事をランダムに振り分けていきました。
ちなみに、白身肉とは海外の分類法で、鶏肉のような白い色の肉のこと。
- 飽和脂肪酸が多い赤身肉を食べる(おもに牛肉)
- 飽和脂肪酸が少ない赤身肉を食べる
- 飽和脂肪酸が多い白身肉を食べる(おもに鳥肉)
- 飽和脂肪酸が少ない白身肉を食べる
- 肉ではない飽和脂肪酸を多く食べる(おもにチーズ)
- 飽和脂肪酸を含まれるものを一切食べない(おもにシリアル)
それぞれの食事に振り分けられた期間は4週間で、2〜7週間のウォッシュアウトを作り、別の食事法を実践してもらいます。肉の種類は牛肉、豚肉、鶏肉などで、総摂取カロリーのうち脂質が占める割合は31-35%で、この実験では加工肉や魚介類などは除外しております。
加工肉は確定で害悪であるので、比較対象にする意味はありませんし。
期間中のLDLコレステロールやアポリポタンパクB(心疾患リスクの指標)などをチェックしたところ、特に赤身肉と白身肉では心疾患リスクの変化に差はなかったそうです!
それどころか、両者で心疾患リスクの改善を可能にしていまして、有意差については書かれていませんが、どちらもLDLが-7%、アポリポタンパクBが-5~6%の改善がみられています。個人的な見解としては、自然と加工肉の摂取を避けることができたおかげで、リスク改善を図ることができたのでは?…と見ています。
とはいうものの、肉を食べない食事法の方が心疾患リスクは改善していて(LDLが-12%、アポリポタンパクBが-10%)、さらに低脂肪の食事法の方が心疾患リスクが改善していました(LDLが-14%、アポリポタンパクBが-11%)。
本格的に心疾患リスクを避けるなら、お肉はほどほどの方が良さげです。
特に健康に問題がないのであれば、お肉に対して神経質になる必要はなさそうです。
さすがに現状で心疾患リスクを抱えているなら、飽和脂肪酸は避けていった方が無難なものかと…。
で、基本的に加工肉はNGにすれば、お肉は心強い味方でしょう。
お肉を食べて、タンパク質をたくさん摂取していきましょうか!!
【参考文献】