大分前に判明していることなのですが、速読法はまったく効果がないですし、時間の無駄です。
未だにそういった広告があるのですが、引っかからないようにしてください!
こういう手のものって結構なものがありまして、科学的に否定できたものを高額で売りつけています。
大体の人は「こうだったらいいのに~」といった魔法みたいことに弱いもので、こういったものに魅力を感じてしまうもの。
十分に気をつけないと、うっかり騙されてしまいますね(汗)。
というわけで、今回は『速読法をバッサリ斬り捨てる』ということをしていきます。
潔く、理解を深める読書ないし勉強をしてきましょう!
速読は単に『飛ばし読み』をしているに過ぎない
2016年のカリフォルニア大の研究で、過去に行われた速読の実験データを調べたレビュー論文があります。
これによると、たいていの速読法は眼球運動をトレーニングして周辺視野を使うように指導するそうです。
これがまず間違いで、読書全体のうち眼球運動の重要性は、全体のわずか10%以下なんだそうです。そして、一般的な人間の学習機能は、同じ文章を何度か読み直しながら理解を深めていきます。
なので、速読で次々と読み進めていくと、最終的に理解度が低いままになってしまいます。
論文の中に速読チャンピオンの逸話が載っております。
2007年発行の「ハリー・ポッター」最新刊にチャンピオンが挑戦したそうです。
僕は読んだことがないのでわかりませんが、たったの47分で一冊を読みきったそうです。これは毎分4,200語(wpm)以上の読書率になるそうで、一般人が200~400語なので20倍以上の速度!
なんだかすごいのはわかる…気がします。。。
チャンピオンは小説の内容を、以下のようにコメントしています。
これは次々とページをめくってしまう、本当に素晴らしい一冊だ!
最高に楽しかった。
子供たちに大人気なのだろうが、ちょっと悲しいシーンもありますね。
ハッキリ言って、小学生の感想文みたいです…。
これだと、読んだことのない人が書いたレビューにも通じるものがあります。
研究者が言っている『理解度の低下』は本当だと裏付けています。
研究者によると、これまでの研究をまとめていくと、速読のトレーニングによって深い理解を保ったまま読書のスピードが上がるという科学的な根拠はないとのこと。
速読によって早く読み終わったとしても、それは単に飛ばし読みがうまくなっただけだにすぎないそうです。
速読が上手な人たちは、もとから本の内容について大量の知識を持っていて、飛ばし読みにともなう理解度の低さを補てんしているそうです。飛ばし読みは、大量の情報を処理するための重要な技術なのだけど、速読と理解度はトレードオフの関係にあるのです!…と。
まとめますと、
- 速読は『飛ばし読みの技術』である
- 速読は取得できても理解力を犠牲にしてしまう
- 理解力を補うには事前の大量の知識が必要である
- 総読書時間にすると普通に読んでも速読しても大差はない!
まあ、ゆっくり読んでもわからないものを、速く読んだら余計にわからないですからね~~。
正直なところ、当然の結果でしょう。。。
速読のトレーニングをする時間があるなら、素直に普通の読書をした方が建設的です。
そこで得た知識と飛ばし読みの技術を織り交ぜて、時間の有効活用のために読むピッチを上げるのがよろしいかと。
世の中、おいしいことはありませんね☆
【参考文献】
[So Much to Read, So Little Time: How Do We Read, and Can Speed Reading Help?]