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「不自由だからこそ良いアイディアが出てくる!」が本当っぽいという話

ここのところ、アイディアのことについていろいろと調べております。

なにせ、僕はまだ発展途上の人間でして、アイディアを生みだす方法を勉強しております。
もちろん、生みだしたアイディアを実行に移すことが大切ですが、基礎となる部分をしっかりしていきたいと思っている次第です。

ちなみに、過去のアイディアに関する情報は

↓  ↓  ↓

『「ある日突然、アイディアが浮かび上がりました!」はどこまで本当なのか』

『嫌な思い出、力にする!』

『思い込みのパワー、5つ、ご紹介!』

 

 

…で、今回は、良く聞く『人間は不自由だからこそ、良いアイディアが出てくるんだ!』という話をしていきます。
恵まれた環境では、なかなか妙案が出てこないという逸話もあり、なかなかの根性論なところがありますが、実は本当らしいです。

それを調べてくれている論文がありますので、どうぞ参考に!

 

 

リソース不足によって向上する創造性について

 

これは2016年に出たイリノイ大学など研究で、95名の学生を対象にエッセイを書くように指示を出しました。
このとき、対象者全体を3つのグループに分かれてもらいます。

 

  1. 不足コンディション:「資源のない環境で育つとはどういうことか?」というテーマでエッセイを書いてもらう
  2. 豊富コンディション:「資源が豊富な環境で育つとはどういうことか?」というテーマでエッセイを書いてもらう
  3. コントロール群:特定のテーマの無い、いわば比較対象グループ

 

「リソース不足」がもたらす創造性の向上の真偽を調べる実験なので、思考をそっちの方向にもっていったという感じでしょうか…。
そのうえで、次のような実験に移っていきます。

 

  1. 対象者にレゴのようなおもちゃを渡し、それぞれの思うクリエイティブな作品を作るように指示を出す
  2. 完成品を15人の審査員が7点満点で採点する

 

そして、審査員がチェックしたところ、

 

  • 不足:豊富:コントロール=3.72:3.04:3.17

 

という結果に…。
やっぱり、不足グループがもっとも良い成績を修める結果となりました!

反対に、豊富グループの成績がもっとも悪く、これはニュートラルな人よりも明らかに劣っています。
恵まれ過ぎるのも、時としてマイナスになるんでしょうね~~。

肝心なのは、実際にリソース不足でなくても『なにかしらの不自由がある・制限がある!』という心境だけでも創造性が上がるところです。
この研究では、上記以外に5つの実験をしていて、まず参加者に「リソース不足」のイメージを植え付けたあとに、クリエイティビティを量る似たような実験方法をしています。コチラの結果も、新しいアイディアを思いつくことが多く、その絶対量も多かったとのことです。

実際的に「お金が足りない、道具が足りない!」という状況でなくとも、イメージだけでいけちゃうところが良いですね!

 

 

 

 

研究者によると、

この実験でわかったことは、豊富な資源は、こと創造性に対してマイナスの影響を与える可能性があるということである。
反対に、リソースが不足している場合、私たちはその不足分を創造性に使おうとする

それどころか、豊富さを強調することが裏目に出てしまうことが十分にある。
なぜなら、豊富さが、デザイナーや消費者の創造性を低下させてしまうかもしれないからだ。マーケッターは、豊富さよりも、希少性の感覚を活性化すべきだろう。

受動的な消費者であることが当然であると、創造性の筋肉は衰えていくように思えてしまう。

このことは、将来の世代にとって良いことではない。

 

この研究では、過去5年間の思考能力テストの事前分析もしているのですが、全体的なIQスコアは上昇しているものの、クリエイティブスコアは1990年以降は低下し続けているそうです。
特に、子供の創造性の低下が著しいそうな…。

とはいえ、この実験データだけを見て「資源が豊富である現代社会が、僕らの創造性を奪っている!」と断定するのは、それこそ創造性が低下していると言ってしまいます。
過去のブログでも「欠乏感は人を狂わせる!」ということをお伝えしていて、闇雲に制限を設けるのも考え物です。

実際的、たとえば「時間がない!」というなら、不要なものを取り除くといった工夫をしていくのが良いでしょうね☆

 

 

【参考文献】

[Creating When You Have Less: The Impact of Resource Scarcity on Product Use Creativity]

 

 

 

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