僕は施術中、よく健康指導も同時におこなっているのですが、
「食事には、発酵食品を入れてくださいねっ♪」
とアドバイスをすると、
「わかりましたっ!でしたらチーズをたくさん食べます!!」
と回答をされたことがあります。
確かに、チーズは発酵食品だよなぁ~~…って思いましたね(笑)。脂質が高いのでそのあたりは計算してほしいのですが、なにやら、チーズを食べることで脳機能が高まるという話があるのです。
今回は、そのチーズにまつわる面白い話をしていきます♪
日本人高齢者のチーズ摂取量による脳機能の違い
これは2023年に出た日本人を対象にした横断研究で、65歳以上の男女1,516名を対象に脳機能を分析していきました。このデータでは、東京に住む人たちが普段からチーズをどれぐらい消費しているのかをチェックしたうえで、その結果を、全員の脳機能と比較していきました。
その際、MMSE(Mini-Mental State Examination:ミニメンタルステート検査)という認知症の疑いがあるかを検査するテストを用いて比較をしていったそうです。
分析の結果ですが、
- チーズを積極的に摂取する人は、MMSEで23点以下を記録する確率が低いことがわかった。MMSEでは、23点以下だと認知機能が低下していると見なされるため、チーズは認知機能低下を防止していると考えられる。
- さらにデータを分析すると、一貫してチーズを積極的に摂取している人々は、より多様な食生活を送っていることもわかった。
この結果について研究チームは、
本研究は、日本の高齢者を対象とした横断的解析であるが、複数の交絡因子の調整後でも、チーズの摂取量が認知機能低下と逆相関することを示唆している。今後、因果関係を明確にするためには、大規模な縦断的解析が必要である。
横断研究のため理由は不明なものの、とりあえずは、チーズをよく食べる人ほど脳の働きが良かったということです。
チーズ自体が頭を良くするのか、はたまたチーズを食べる人は健康的な食事をしているのが原因なのかはわかりません。ですが、チーズが大好きな僕みたいな人にとっては、チーズをたくさん食べる大義名分が得られたデータですね。実際のところ、2016年に東呉大学などによる観察研究のメタ分析では、欧米で行われた過去の研究から15件を抽出し、20万人以上の食事と健康状態を追跡した結果、
- チーズを日常的に摂取している人は、冠動脈性心疾患を発症確率が14%低く、脳卒中を起こす確率が10%低い
- チーズの影響は、毎日約40gのチーズを摂取する被験者にもっともよく見られた
- およそ1日40gのチーズで善玉 コレステロールが増加、同時に悪玉 コレステロールが減少する傾向が確認された
- ただし、1日のチーズ摂取量が40gを超えると、むしろ循環器系の合併症を発症するリスクが高まる可能性がある
という結論に至っています(このメタ分析の質はまずまずなので、鵜呑みにはできませんが…)。
健康には良さそうな雰囲気ではありますので、毎日40gのチーズを摂っても良いかとは思いますね☆
…とはいえ、40gって割と少なめなので、もうちょっと食べたい気持ちがありますけれども(笑)。
【参考文献】
[Inverse Association between Cheese Consumption and Lower Cognitive Function in Japanese Community-Dwelling Older Adults Based on a Cross-Sectional Study]
[Cheese consumption and risk of cardiovascular disease: a meta-analysis of prospective studies]