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【そもそも論】僕らは、何をもってして「老い」を認識するのか?

年齢を実感するタイミングは、人それぞれお持ちかと思います。

「自分は若い!」と思っていると、実際に若い雰囲気が出てくるとも言われていて、そもそもの基準があいまいです。では実際に、何をもってして「老い」を認識するものなのか?

今回は、そんな「老い」について深掘りしていきます。

 

 

人間は何歳から老化を認識するのか

 

これは2024年に出た、ドイツでおこなわれた調査です。

この調査では、40~85歳までの14,056名に「人は、何歳から老齢とみなすのか?」という質問を、25年かけて追跡していったそうです。この調査は、“各個人”が“主観的”に、どの年齢で老齢期の始まりを認識するのかを割り出していく作業となっております。

まずですが、今回の調査によってわかったことから述べていきますと…、

 

  1. 年齢が上がるほど老齢期の基準が緩くなる:調査によると、年齢が上がっていくほど「老いた」と認識する年齢が上昇する傾向にあった。たとえば、64歳時点で、老齢期の始まりを実感する平均認識が75歳前後になるということ。この認識は、10年後には、その基準がさらに1.9年遅くなるとのこと。さらに74歳になると、その後の10年間で「老い」の基準が3.4年遅くなり、年を取るほど「まだ自分は若い」と感じるようになるのだと考えられる。
  2. 生まれた時代が影響を与える:生年によって、老齢期を認識する基準が異なる。1935年以降に生まれた人は、それ以前に生まれた人よりも「老い」の認識を約0.6%遅く感じる傾向があり、たとえば、1911年生まれの人は「歳を取った」と感じる年齢が71歳だとすると、1956年生まれの人は、74歳からと認識していた。
  3. 女性は男性よりも「若く」感じる:性別による差異も確認されており、女性は男性よりも平均3.2%遅く、老齢期を認識していた。これは女性がより柔軟に年齢を受け入れているからかもしれない。

 

ということ。
年齢が上がっていくほど、「老い」に対する基準があいまいになっていくようですね。

更に、この「歳を取ったな…」と実感するタイミングには、心理的や社会的な要因が大きく影響することも確認されたそうです。

 

  • 孤独感が老齢期を短縮させる:今回の調査では、孤独感が強い人ほど、老齢期を早く感じる傾向があった。その差は1.3%で、人間関係が希薄であるほど、心理的に年齢を実感しやすい。
  • 不健康が老齢期を短縮させる:自己評価で健康状態が「悪い」と回答した人は、老齢期の基準が0.8%早く実感した。

 

今は2025年で、本来ならば、「老い」の基準が上がるハズなのですが、心理的・社会的な要因で下がっているそうな。

「老い」の概念が社会的・心理的な要因に左右されるのは間違いなく、僕個人の感想ですと、いわゆる“今の若者”は年寄り臭く感じてしまいます。個人的には、生物学的な「老い」だけでなく、感覚的な「老い」に重きを置いた方が良さそうな気がしますね

 

 

【参考文献】
[Postponing old age: Evidence for historical change toward a later perceived onset of old age.]

 

 

 

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