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男性は、歳を取るほどに孤独感が強くなっていく様子…

今回は、前回の内容に、少しばかり近いものとなっております。

年齢を重ねるとともに、人間関係というものが希薄になっていくもの。友人や知人との交流が限定的になっていき、晩年になると、特定の人としか付き合わなくなっていきます。前回の内容を絡めていきますと、「“老い”を感じる基準は、孤独感が影響をしている」とされていて、人間関係が狭まっていくと、やっぱり歳を感じるものなのでしょう。

特に男性は、歳を取るほどに孤独感が強くなっていくようなので、そのあたりは気を付けていきたいものです!

 

 

男性のソーシャルネットワークの変化

 

これは、2024年に出たハーバード大学などによる研究で、1939年から1942年にハーバードの学生だった235名の男性を対象におこなわれたもの。彼らを71年間かけて追跡調査をおこない、定期的に「誰に感情的サポートを求めているか?」を尋ねて、人的ネットワークの変化をチェックしたらしい。

今回の調査でわかったことですが、

 

  • 30歳になると、感情的サポート提供者の人数は平均2名だった。
  • 90歳になると、その人数は平均1名になった。

 

だったそうです。

参加者は30代から90代にかけて、社会的ネットワークにおける感情的サポート提供者が最大50%も縮小してしまったそうです。この現象は男性全体に共通したもので、特定の属性だけが年齢とともに孤立するわけではなく、男性なら、加齢によって自然に起きる変化のようなものだそうです。

こういった現象が起きる原因ですが、主に以下の2つにあるそうです。

 

  1. 配偶者への依存:調査によると、婚姻時期ほど、感情的サポートネットワークが縮小する傾向が確認された。これは、配偶者が感情的サポート提供者となるためだと思われる。結婚によって他者との社会的ネットワークが希薄になり、結果として「配偶者による感情的サポートの一本化」が助長されるかもしれない。
  2. 退職は影響しない:調査によると、「退職」というイベントは、社会的ネットワークの規模にほとんど影響を与えないことが確認された。感情的サポートについては、仕事仲間ではなく家族や親友が主軸になってる可能性がある。

 

男性あるあるとも言える、「結婚で友人との交流が減少し、配偶者への依存が高まる。その後、配偶者と死別 or 離婚でメンタルがやられる」は上記のようなムーブによって起きる現象みたいですね。

 

 

 

 

ちなみに、この研究では、「幼少期の家庭環境が感情的サポートネットワークの規模に影響している」というデータが得られておりまして、次のようなことがあるそうです。

 

  • 親からの手厚い感情的サポートを受けて育った人は、成人後もより大きなネットワークを持つ傾向が強い。
  • 幼少期の経済状況(親の収入や学歴)は、ネットワークの規模に影響しない。

 

このことから、感情的なつながりは、お金よりも“親子関係の質”がその後の人間関係を大きく運命づけるのではないか!…ということですね。

以上のことから、この研究だけで判断するなら、「男は意識して人間関係を構築しないとヤバいゾ!」…と言えるかもしれません。特に、親子関係が希薄な男性は、より社会的ネットワークを大切していかないと、晩年は詰む可能性がありますね。男性として生まれた以上、年齢を重ねるほど人間関係が減ってしまうのは仕方のないことです。なので、年齢が上がっていくほどに、意識して趣味のコミュニティやボランティア活動を通じて新しい社会的ネットワークを広げた方が幸福でしょう。

人間たるもの、やっぱり“つながり”ですねぇ~~…☆

 

 

【参考文献】
[Emotional support across adulthood: A 60-year study of men’s social networks.]

 

 

 

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