「ニュースが自分を見つけてくれる!」という感覚は、実は、とてもキケンな感覚です。
いわば「確証バイアス」のようなもので、自分のほしい情報や自分にとって都合の良いばかり入手していると、簡単に騙されやすくなります。この「ニュースが自分を見つけてくれる」感覚は、現代社会特有の感覚で、SNSのアルゴリズムが進化した故、僕たちが「いいね」をしたものやシェアした情報が分析され、それに基づいて興味があると思われる情報が、次々と飛び込んでくるというものです。
こういった感覚で情報を獲得していることで、「自分で情報を探さなくても、情報の方から自分を探してくれる!」という感覚が生まれるようになるそうです。今回は、そんなキケンな感覚について解説していきます。
News-Finds-Me Perception(ニュースが私を見つけてくれる)の危険性
これは2025年に公開されたシラキュース大学などによる研究で、この研究は1,014名のアメリカ人を対象に調査がおこなわれました。
この研究では「ニュースは自分から探さなくても見つかる」と感じている人たちが、実際にフェイクニュースを信じやすいかどうかを調査してくれたものとなっております。この研究における結論を申し上げますと、
- 「ニュースが自分を見つけてくれる感覚」を持っている人は全体の55.2%で、特にSNSの利用が多い若年層で、この傾向が強く見られた。
- この感覚がある人は、SNS上のフェイクニュースを事実だと信じ込みやすく、さらにそれをシェアする可能性が高かった。
- 「私は他者よりもフェイクニュースに騙されない」と信じている人の約40%は、実際には平均以下の正確性しかなかった。
とのことで、「ニュースが自分を見つけてくれる!」という信念が強い人ほど、フェイクニュースに騙されてしまい、さらにそれを拡散してしまう可能性が高いそうです!
この研究では、「ニュースが自分を見つけてくれる!」感覚がフェイクニュースへの耐性を弱らせる原因も調べてくれていて、主に、次の2つがあるそうです。
- 知識の錯覚:SNSで断片的な情報を自動的に入手させられて、「自分は情報に精通している」錯覚が生まれてしまう。この「錯覚の自信」が正確な情報を精査する能力を損なわせる可能性がある。
- 繰り返しの効果:SNSのアルゴリズムは、自分と類似した考えを持つ人たちの投稿を優先して表示するため、偏った情報が繰り返し表示される。これが過剰な自信を生み、フェイクニュースをさらに信じ込んでしまう。
いずれも、偏った思考によってうまれてしまう弊害かと思いますね…。
騙されないためにも、勝手に入ってきてしまう情報は、キチンと精査した方が良いでしょうね。また、一方向の考えばかりではなく、反対側の意見というものも確認して、考えをまとめる習慣を身に付けていきたいものです。なにより、「情報は、自分から積極的に取りに行く!」姿勢が大切でしょうね☆