スポーツ前にせよ筋トレ前にせよ、大多数の人はウォームアップをすることでしょう。
僕自身も、スポーツやトレーニング前は軽く身体を動かし、心身を目覚めさせてから取りかかります。ですが、実際のところ、「ウォームアップって、そこまで重要なのだろうか?」っていう疑問があります。「ケガ防止の為だ!」や「パフォーマンスアップの為だ!」といった名文句がありますが、より詳細を深掘りしていったほうが、ウォームアップをするにあたり、確かな実感が生まれるかと思います。
どうぞ、参考にしていってください♪
ウォームアップによってパフォーマンスが上がるのか
参考にする文献は、2025年に出た研究で、「筋トレにおいてウォームアップは必要なのか?」を調査してくれているものです。具体的には、クロスオーバーデザインを使用、29名の筋トレ経験者(筋トレ歴4.5 ± 3.9年、年齢22.9 ± 3.6歳)を対象に、ベンチプレスやレッグプレスのパフォーマンスを対象におこなわれておりまして、以下の3パターンにランダムに分けられ比較していっております。
- ウォームアップなし:すぐに本番の重量(10RM)でおこない、これを4セット
- ウォームアップ1セット:10RMの75%で3〜4回おこない、その後に本番の重量で4セットおこなう
- ウォームアップ2セット:はじめに55%で3〜4回おこない、その次に75%で3〜4回、その後に本番の重量で4セット
そのうえで、合計のレップ数や疲労度、トレーニング量などを評価していきました。
その結果、ウォームアップの有無に関わらず、パフォーマンスはほとんど同じだったそうです。
詳細を見ていくと、
- ベンチプレスの総レップ数 → なし:32回、1セット:32回、2セット:31回
- レッグプレスの総レップ数 → なし:32回、1セット:32回、2セット:30回
更には、疲労度も大差がなく、ベンチプレスを見ていくと、
- ウォームアップなし:54%
- ウォームアップ1セット:52%
- ウォームアップ2セット:56%
というのもあります。
そういうこともあり、「入念にウォームアップすると、かえってパフォーマンスが悪くなるのでは?」という個人的な感想が出てきてしまいます。
実のところ、過去のデータを見ていくと、この調査と同様の結果が出ておりまして、
- 「ウォームアップあり」と「トレッドミルによる有酸素運動」、「ウォームアップなし」で比較した場合、どれも同等のパフォーマンスだった(2011年)
- ベンチプレスにおいて、40〜60%の1RMでウォームアップした場合、70%1RMでの本番レップ数は増加しなかった(2017年)
とのこと。
今のところ、ウォームアップは重要視するほど、高い効果があるわけではない様子です…。
とはいっても、最初に紹介した研究には気になる点がありまして、それは、「ウォームアップの負荷が軽すぎなのでは?」というところ。
平均的なベンチプレスの10RMが48kg前後でして、かなりビルドアップした人からすると、負荷としてはかなり軽いです。何が言いたいかというと、そもそも論として絶対的な重量が軽いなら、身体的な準備運動にそこまでの負荷が必要なく、ウォームアップによるパフォーマンスの違いに差が現れない可能性があります。そういう点から、ウォームアップについては、「場合によって上手に使いわける」のが良いのかな?…と、個人的に思いました。
たとえば、
- ウォームアップが必要な場合:高負荷のトレーニング、難易度の高いトレーニング(デッドリフトなど)、ケガの予防やフォームチェック
- ウォームアップが不要な場合:低負荷のトレーニング、難易度の低いトレーニング(マシン種目など)、サーキットトレーニングや自重トレーニングなど
といった感じです。
僕の場合、本当に身体を温めることを目的にしたり、フォームチェックしたりと、そういった場面でウォームアップをしていますね。確かに、「身体をしっかりと温めないと、ケガをしそうだ…。」という感覚はよく理解していますが、決め手となるデータが得られていないのも、また事実です。実際のところ、アメリカ整形外科学会はウォームアップを推奨していますし、「やっておいて損はない」というのが、現段階での結論なのだと思います。
絶対条件ではないものの、トレーニングの目的に合わせてウォームアップをするかどうかを決めていくのがいいでしょうな☆
【参考文献】
[Warming up to improved performance? Effects of different specific warm-up protocols on neuromuscular performance in trained individuals]
[Efeitos agudos de diferentes estratégias de aquecimento sobre o desempenho de repetições máximas no exercício de supino reto em homens adultos-jovens]
[Influência dos aquecimentos geral e específico na força de membros superiores]
[AAOS : Warm Up, Cool Down and Be Flexible]