僕の場合、トレーニング前に食事を摂るとお腹が痛くなるものでして、砂糖を必要分足したプロテインを摂ってから励んでおります。
この手の議論はよくされておりまして、たとえば「筋トレ前にプロテインを摂っておいた方が良いのか?」というのがそれです。要は、トレーニング前に軽くでも食事をした方が良いのか?…っていうことですね。僕はプチ断食をしておりますのでプロテインを摂っているわけですが、今回は、そんな「トレーニング前に炭水化物を摂っておいた方が良いのか?」の疑問を深掘りしていきます。
どうぞ、参考にしていってください♪
筋トレ前の食事によるパフォーマンスの変化
これは2025年に出た短期クロスオーバー試験でして、この研究では「レジスタンストレーニング(RT)におけるボリュームパフォーマンスを向上させられるのか?」に着目してくれております。
試験の内容ですが、週3回以上筋トレしているトレーニー16名(男性が13名、女性が3名)が対象で、全員が普段は朝食を摂っている方々です。対象者には以下の3つのパターンの食事を無作為に摂ってもらい、その2時間後に筋トレをおこなってもらいます。
- 高炭水化物食:体重 1 kgあたり 1.2 gの炭水化物(約 580 kcal)
- 低炭水化物食:体重 1 kgあたり 0.3 gの炭水化物(約 580 kcal)
- プラシーボ群:ほぼゼロカロリーのものを摂ってもらう
筋トレメニューは、バックスクワットやベンチプレス、プローンローイング、ショルダープレスに取り組んでもらい、1回の最大反復運動強度の80%(約90分)で、反復疲労に至るまで3セット実施してもらいました。
その結果、「どの食事のパターンでも、筋トレのパフォーマンスにおいて有意差が確認されなかった」とのことでした。
注意点としては、この試験は1度限りのワークアウトに限定された短期試験であり、これだけで結論づけるのはナンセンスだと思います。実際のところ、過去のデータを見ていきますと、2022年に出たメタ分析(21件の研究、参加者226名)では、「下半身中心のトレーニングでセット数が多い場合、トレーニング前に炭水化物を摂取する意味がある可能性がある。セッションが45分を超え、断食期間が8時間以上なら特に顕著である。」という結論を出しております。
ということもあり、僕個人の感想では「トレーニング内容による」という、身も蓋もない結論になりそうです。
…それで終わらせるのは流石に失礼なので、指針の一例を挙げますと、
- 上半身メインや軽めのセッション:空腹でもパフォーマンスに悪影響が出ない可能性がある
- 下半身メインやハードなセッション:長期的に見て、トレーニング前に栄養補給した方が良い(おにぎりやバナナ、プロテインなど)
といった感じ。
「トレーニング前の栄養補給、どうしようか…。」とお困りの場合、その時におこなうトレーニング内容を基準にして決定していきましょう☆
【参考文献】
[Isoenergetic Pre-Exercise Meals Varying in Carbohydrate Similarly Affect Resistance Training Volume Performance Compared to Placebo: A Crossover Trial]
[The Ergogenic Effects of Acute Carbohydrate Feeding on Resistance Exercise Performance: A Systematic Review and Meta-analysis]