皆さんは、サルコペニアをご存知でしょうか?
「サルコペニア(sarco penia)」とは、加齢に伴う筋肉量の減少と筋力・身体機能の低下が起きる状態を意味しております。ギリシャ語の「筋肉(sarco)」と「喪失(penia)」を組み合わせたもので、転倒や骨折のリスクを高め、介護状態に至る可能性のある病気です。なので、放置しておくとQOL(人生の質)が低下してしまうので、なんとしても防止しておきたいものです。
ちなみに、加齢だけでなく、活動不足や栄養不足、疾患なども原因となります。今回は、サルコペニア対策として、コレをやっていくことをオススメしますので、どうぞ、参考にしていってください♪
運動と栄養によるサルコペニアへの介入
これは2025年に出たメタ分析で、サルコペニアの高齢者計2,491名(年齢 66.47 歳以上)を対象に、運動と栄養の介入と対照グループとで効果の比較をしていったとのこと。
メタ分析では、2010年1月1日から2025年3月31日までの15年間で発表されたサルコペニアに関する研究のうち、15件のRCTからデータを評価しております。各々のデータの介入期間は6週間~3年で、信ぴょう性に関しては非常に精度が高く、サルコペニアに関する研究における現段階の結論だと言えます。
運動と栄養の介入については、以下のとおりです。
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運動:主に週3〜5回の筋トレをする
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栄養:タンパク質は体重 1 kgにつき 1.0 〜 1.5 g、ビタミンDは 100〜800 IU、またはマルチビタミンサプリを毎日摂取する
結果なのですが、
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握力:+1.4kg
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筋肉量:+0.18kg/m²
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歩行速度:+0.1m/秒
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椅子から5回立ちあがりテスト:−1.7秒
というデータが得られました。
いずれも、対照グループより有意に改善が確認されております。つまり、「運動と栄養の組み合わせ」は、サルコペニア高齢者の身体機能を向上できるという結論ですね。これは、一般的なサルコペニア診断基準(EWGSOP2)と同じ結論であり、基本的には、運動と栄養の管理が一番な様子です。
身も蓋もないことを言いますが、あまりにも当然な結論だと思いますね(笑)。
とはいえ、これを日常にどう落とし込むのかが重要で、僕らがサルコペニア対策のために取り入れるとするならば、
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週3回以上の運動は必須:軽い負荷でも大丈夫なので、とにかく運動は継続しておこなうことが大切です。
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タンパク質は 1 kgにつき1.0〜1.5g/kg:たとえば僕の体重が約 70 kgなのでそれで計算しますと、70 〜 105 gが目標となります。食が細いならば、プロテインを用いて最低ラインは到達させたいところです。
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ビタミンDはしっかりと摂る:頑丈な身体作りのためにも、ビタミンDの摂取は肝心です。日光に当たる機会が少なくなるのならば、こちらもサプリメントで補充してしましょう。
この3つのポイントをおさえておくのが良いでしょう。
高いQOLを維持するためにも、いつまでも動ける・健康的な身体づくりをしていきましょう。筋肉を守り抜いていき、有意義な人生を送っていきたいものです☆
【参考文献】
[公益社団法人長寿科学振興財団:健康長寿ネット サルコペニアとは]
[Exercise and Nutrition for Sarcopenia: A Systematic Review and Meta-Analysis with Subgroup Analysis by Population Characteristics]