「※ただしイケメンに限る」なんて言葉が流行って久しいですが、実際のところ、どうなのか?
願わくば、見た目ではなく、しっかりと内面に目を向けてほしいものではあります。しかし、現在はルッキズムという言葉も流行っており、実際にマッチングアプリでは、マッチングできるかどうかはプロフィール写真で大体決まってしまいます。だとしても、いわゆる“ブサメン”や美しいとはいえない女性でも、交際にこぎつけることができるのか?
変な偏見はなく、科学的に追究していきますので、どうぞよしなに♪
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身体的魅力のない異性との交際
これは2020年に出た、ジョージワシントン大学などによる調査です。
研究チームは、「恋愛や性的な関係において、身体的魅力のない異性に対する、男女の反応の差」を見ていったそうです。具体的な内容としましては、オーストラリアの公立大学に通う18~59歳までの大学生186名(うち男性48名、平均年齢 22.57歳)を対象に 、
- 実験の参加者に、あえて魅力のない異性の写真を提示(男性の写真の平均年齢は27.38歳で、女性の写真の平均年齢は27.47歳)。
- その人についてポジティブ、またはネガティブな性格の情報のどちらかを伝える。
- そのうえで、「この人と付き合いたいか?」や「一夜限りの性的な関係になってもよいか?」などといったアンケートに回答してもらう。
ということをおこなっていきました。
ここでの「身体的魅力のない異性」の定義ですが、過去の大規模調査で「身体的魅力が低い」と評価された人物の写真を使い、別の参加者に1〜10段階で外見の魅力を採点させ、その平均値が一定以下だったもので判断したとのことです。調査の結果ですが、明確な性差が現れたそうで、大まかにまとめますと、以下のようになったそうです。
男性から女性への評価
簡潔にまとめますと、男性は「外見よりも内面的な魅力で判断する」ことがわかったそうです。
一例を挙げますと、
- 不美人な女性であっても、「親切な性格」「気が利く」「人に優しい」などのポジティブな性格情報が加わると、男性は長期的な交際に前向きになりやすい傾向にある。
- 不美人な女性であっても、男性は一夜限りの肉体関係のような短期的な恋愛に寛容な傾向にある。
- それとは反対に、ネガティブな性格情報が加わると、女性への評価が激減する。
男性側の意見としては、「外見がその男性のタイプでなかったとしても、中身がステキなら付き合える」ということ。昔ながらの、いわゆる「花嫁修業」は科学的には正しいことがわかったそうですね。もちろん、これはあくまでも平均値であって男性全員に該当するわけではないのと、男性側の生存戦略として、男性は生殖の機会を逃さないために容姿の魅力の好みを無視する可能性があるからだとか。
女性から男性への評価
簡潔にまとめますと、女性は「内面よりも身体的な魅力で判断する」ことがわかったそうです。
一例を挙げますと、
- 男性に身体的な魅力がない場合、女性は長期・短期的関係ともに関心を示しにくい傾向にある。
- 身体的魅力のない男性にポジティブな性格情報が加わったとしても、関係の良化には影響しにくい傾向にある。
女性側の意見としては、「中身がその女性のタイプでなかったとしても、身体的魅力があるなら付き合える」ということ。近年から流行している、いわゆる「※ただしイケメンに限る」や「イケメンなら許される」は科学的には正しいことがわかったそうです。もちろん、これはあくまでも平均値であって女性全員に該当するわけではなく、女性側の生存戦略として、女性は生殖の判断ミスには大きな代償が伴うため、男性への評価が厳しくなってしまうのだとか。
データを見る限り、男性側からすると、「ブサメンには人権がないのか(泣)」と切なくなってしまいます。
当然ですが、見た目がすべてなわけがなく、いままでのデータなども加味して総合的に判断すると、
- 第一印象
- 継続的な接触(いわゆる単純接触効果)
この2つのポイントによって、僕らの評価基準は大きく変化するという傾向も確認されております。
始めのうちは、どうしても視覚から得られる情報で人を判断してしまいます。しかし、継続的に交流を深めていくことで、内面的な魅力がじっくりと効いてくるというものです。反対に、どんなにイケメンでも、性格に難があったり、気遣いができなかったりすると、初対面時に爆上がりしたテンションが簡単になくなってしまいます。なので、長期的な関係を築きたいのならば、結局は内面勝負になってしまうのです。
調査によって得られたデータを元に、研究チームが主張したいのは、「実際は、そこまで身体的魅力“だけ”で判断していない」という点です。
挙げていくのならば、
- 外見
- 性格
- 清潔感や服装
- ユーモアセンス
- 相手の扱い方(礼儀や気遣いなど)
- 自分をポジティブにしてくれる(自己肯定感)
といったものを総合的に評価して、「この人をパートナーにしたいなぁ~…」と判断するのが大多数で、「見た目がすべてだ!」なんてことは、あまりありません。
特に重要なポイントは、「自分をポジティブにしてくれるか(自己肯定感が高いかどうか)」で、この能力が高い人は、身体的魅力の有無に関係なくモテる傾向にあるとのことです。自己肯定感が高いとか、いわゆる共感力が高いとか、一緒にいることで心が満たされる感覚が、交際にこぎつける重大な要素なのです。
まとめますと、
- 男性が「交際したい!」と思う要素:「見た目」よりも「中身」で勝負し、性格や雰囲気、ポジティブな要素があれば長期的な関係を築き上げられる。
- 女性が「交際したい!」と思う要素:「外見ジャッジ」がかなり厳しいものの、交流を深めていけば評価が変わっていく
恋愛において、身体的な魅力が大きな要素になってしまうのは、確かな事実です(特に男性の場合、女性の外見ジャッジは厳しめ)。
しかし、それがすべてではありません。大切なのは、「お互いが、いかに居心地の関係になれるか」に注力したほうが得策です。結局のところ、外見の優位性は強力ではあるものの、長期間通用しないしいずれ衰えるので、人間性を磨き続けていきましょう☆
【参考文献】
[Mating Decisions in the Absence of Physical Attraction]