思い込みのパワーは、本当にスゴいものです。
たとえばプラシーボ効果が有名で、人間は思いこむだけでも一定以上の症状の改善が見込めます。
もし、僕らが思い込みを上手に使いこなせたら、これはもう素晴らしいパフォーマンスをすることができますよね?
夢のようなことでも、実際のデータが存在していますので、やってみる価値があるものです!
今回は、そんな思い込みのパワーによる恩恵について解説していきます。
いわゆる暗示のようなものですが、思い込みのメリットを示したデータを取り上げますので参考にしてみてください。なかなか上手くいかないことでも、もしかすると、自分に暗示をかけるをかけることでそれを乗り越えることができるかもしれません。
どうぞ、今回のブログをお読みになってください☆
≪Contents≫
思い込みのパワー5選
今回は、思い込むことで得られる効果を5つご紹介していきます。
簡潔にまとめておりますので、サッと読み進められると思います。
特別なテクニックは必要ありませんので、読んだらすぐにでも摂りかかってみましょう。
どれだけ思い込めるかどうかも関わってくるかもしれませんが、やってみて損はないと思いますね!
思い込むだけだったらタダですからね(笑)。
若いと思うだけで若くなる
以前のブログで取り上げたのですが、「自分は若い!」と思い込むだけでも、実際に若返ることがわかっています。
その他にも、
- 若いと思い込むだけで病気に強くなる
- 若いと思い込むだけで仕事がデキるようになる
という効果もあります。
もちろん、ファッションなどには気をつかった方が良いですが、基本的には「自分は若い」「歳のことを気にしない」といったことをすると良いでしょう!
思い込みでもうつが改善できる
元はマグネシウムの効能を調べた実験なのですが、面白い結果が出ていたのでご紹介します。
イランの実験で、60名の男女を対象に、マグネシウムでどれだけ軽いうつ状態よりも重いと判断された人が改善できるかを調査したものがあります。この実験の結果は、当然ですがマグネシウムを用いたグループの方が大きな改善がみられました。
しかし、プラシーボグループの方も実験前より59%の改善がみられているという結果がでました。
基本的にマグネシウムに頼った方が効果が高いのですが、思い込みでも結構な効果があるので侮れません。
頭が良いと思うだけでもIQが上がる
2014年に出たメタ分析では、20件のワーキングメモリーの訓練に関する研究をまとめたことで「IQで5ポイント上がる」ということがわかりました。ですが、その後の論文で「その効果は思い込みである」というデータが出てきました。
ジョージ・メイソン大学の研究で、25名の男女を対象に、ワーキングメモリーの訓練と告げたグループと特に目的を告げないプラシーボグループに分けて実験をしました。
そのうえで両グループに同じワーキングメモリーの訓練をしてもらったところ、訓練だと告げられたグループのIQが5~10ポイント上がったのに対し、プラシーボグループには特に変化がなかったそうです。
この研究での結論は、ワーキングメモリーの訓練によるIQ向上は、単なる思い込みによるものだったというわけです。
思い込みで食欲をコントロールできる
思い込みによって、食欲までもコントロールできることがわかっています。
イエール大学の実験で、46名の男女を対象に、まずは参加者全員に大量のミルクセーキ(300kcal)を飲んでもらいました。
その際に全体を2つのグループに分けていて、
- 「脂質・糖質ゼロでヘルシーな140kcal」と書かれたラベルを貼ったセーキをわたす
- 「脂質・糖質たくさんの贅沢な600kcal」と書かれたラベルを貼ったセーキをわたす
といった風な、敢えて誤解を招くラベルを貼りました。
この実験では食欲ホルモンといわれている『グレリン』というホルモンの分泌量を調べたのですが、「脂質・糖質たくさんの贅沢な600kcal」と書かれたセーキを飲んだグループのグレリンの分泌量が3倍も少なかったそうです!
研究者によると、脳が「600kcalもあるのか…」と思い込むことで、ホルモンの分泌量に影響を与えてしまうとのことです。
芸術家になりきることで創造性が上がる
クリエイティブな人間になりたいと願っているなら、クリエイティブな人間を演出することで創造性が上がるという研究がありますのでご紹介します。
メリーランド大学の実験で、96名の学生を対象に、バイアスを減らすためにアートや演劇などといった、幅広い専攻の学生を選抜したものがあります。
参加者全員を3つのグループにわけ、以下の指示を出しています。
- 「自分は一風変わった詩人であると思い込んでください」と指示したグループ
- 「自分は厳格な司書であると思い込んでください」と指示したグループ
- 特に指示を出していない比較対象のグループ
研究者は「各学生が思い描いているステレオタイプを利用している」とのことで、そのステレオタイプに則って用意された道具の新しい使い道を考えてもらいました(用意されたものは本、フォーク、テーブル、ハンマー、パンツ、トランペットなど)。
結果ですが、以下のとおりとなりました。
- 最高得点は、アイデアの質と量ともに、自分を「一風変わった詩人」と思い込んだグループ
- 続いて、比較対象のグループ
- 最低得点は「厳格な司書」と思い込んだグループ
一風変わった詩人を思い込んでいるグループは、「独創性があって柔軟な思考を持っている」というステレオタイプに沿って行動をとっているそうです。これによって、実際の創造性にも大きな差が出て、研究者はこれを「クリエイティブステレオタイプ効果」と呼んでいます。
反対に、厳格な司書だと思い込んでいるグループは「頑固で柔軟性のない人」というステレオタイプに沿って行動してしまっているというわけです。ちなみに、「女性は数学が苦手」というステレオタイプを植え付けられている悪影響で、女性は数学が苦手になっているという話もあります。
人間の脳は結構なほど錯覚を起こしやすいもので、それを利用してポジティブな方向にもっていけます。
もちろん度が過ぎてはヤバいですが、自分が理想とする人物像に沿って行動をすると、案外そのとおりとなるものです。皆さんも、何か自分の理想としているものがあると思いますので、改めて、その理想に沿った行動をとってみてはいかがでしょうか?
折角の思い込みの力は、自分の成長のために使うものですよ☆
【参考文献】
[Improving fluid intelligence with training on working memory: a meta-analysis.]
[Placebo effects in cognitive training]
[Mind over milkshakes: mindsets, not just nutrients, determine ghrelin response.]