「好きなことを仕事に♪」
…と吹聴する方々がいますが、僕はそれほど強くオススメしておりません。
確かに好きなことを仕事にして生活ができるのなら、それは本当に幸せなことでしょう。
それはそれとして、研究で明らかになっている適職の要素に『性格』があります。
性格と年収の関係性はかなり有名な話で、大ざっぱに言うのなら「真面目に地道に努力できる人」ほど、年収には有利に働くことがわかっています。
そんな性格と仕事ですが、今回は『もっとも大切な要素は性格と仕事の適合である!』という結論をだした論文がありますのでご紹介します。
あくまでも生涯年収を基準に考えた場合ですが、そこに至るまでを読んでいただけると理解が深まるかと思います☆
性格と仕事の適合による生涯年収の変化について
2017年に出たティルブルフ大学の研究で、8,458名のドイツ人(平均年齢43歳で、比率は男性68%、女性=32%)に対象におこなわれた調査があります。
ドイツの国民調査のデータをベースにした観察研究で、このデータには登録者のビッグファイブ(つまり性格)や職業、年収などが記録されているので、それを比較していったというわけです。
各自の性格や職業、年収の関係性を洗い出していったところ、『外向性・調和性・開放性の3つは、仕事の内容と適合していたほうが年収は上がる』ということがわかったそうです!
たとえば、人と関わることが好きな人が事務作業をするよりも、営業みたいな対人がメインの仕事の方が年収に良い影響を与えるということ。
研究者は、これを『適合ボーナス』と名付けております。
ちなみに、神経症的傾向については、さほど仕事内容の適合性には関係しなかったようです。そもそも神経症的傾向が高い(=情緒不安定ということ)とほとんどの仕事に悪影響に出そうだから、高い分だけマイナスになるかも。。。
もう1つ、この研究では指摘されていて、それは『誠実性・調和性・開放性の3つのいずれかが、その職業に必要なレベルよりも高すぎる場合、むしろ年収は大きく下がってしまう。』という点です。
この誠実性・調和性は普通に考えるなら、人から好かれる性格です。
だけど、年収に関して言えば、高すぎるとマイナスに働いてしまう様子…。
研究者によると『数々の研究では「適応的」と思われてきた性格特性は、職業によってはメリットが出ないどころか、むしろ害をもたらす場合もあるようだ。』とコメントしています。
たとえば、『誠実性が非常に高い人が誠実性を求められない職業に就いた場合、誠実性が低い人が誠実性を求められる職業に就いた場合よりも、年収は低くなる傾向にある。』そうです。
誠実性は一般的に重要視されている性格特性ですが、それでさえも、高すぎると弊害が出てしまうそうな。
何事も、過ぎたるは及ばざるがごとしなのでしょうね(汗)。
「自分の性格と仕事のマッチングって、すごく大事なんだよ☆」
…なんていうコンサルが一定数いますが、研究者によると『個人の生涯年収は、それぞれの性格特性に左右されると考えられてきた。だが、内実はかなり複雑で、本格的に年収を予測するには、性格特性と環境の組み合わせを考慮しなければならない。』とまで言っております。
自分が就こうと思っている職業に、どんな性格特性が必要なのかなんて、正直なところ判断が難しいものです。
なので、
- とりあえず誠実性はあっても損はない
- 神経症的傾向が高いと、仕事どころか人間関係でも悪影響が出る
という大ざっぱな対策は、とっておいて良いでしょうね。
あとは僕の過去のブログで取り上げた内容も参考にすると、心身ともに安定して仕事ができるかと…!
【参考文献】