睡眠については、まだまだ謎が多い部分があり、様々な情報が飛び交っています。
なので、いろいろな『睡眠神話』が登場しています。
そういう状況下なもので、睡眠にまつわる『ウソ』がこれまた多いのが事実です。
そんないい加減な情報が多いと結論を出している論文がありますので、今回はそれについてお話をしていきます。
睡眠は学習やダイエット、美容といった、あらゆる事柄に関わっていきます。
今回のブログを参考に、どうぞご自身の活動に役立ててください!
≪Contents≫
悪影響が大きい睡眠の誤情報ランキング
これは2019年に出たニューヨーク大学の調査で、研究チームは8,000以上のウェブサイトをチェックして「どれぐらい睡眠に関係する誤情報がまん延しているか?」というリストをまとめていきました。
具体的な方法としては、
- 人気のある報道機関や科学文献のインターネット検索を使用する
- 睡眠医学と研究の分野の睡眠専門家(n = 10)とデルファイプロセスを使用する
- 専門家によって虚偽と公衆衛生上の重要性について、1(「まったくない」)から5(「非常に虚偽」)までの5段階のリッカート尺度を使用して評価する
そういったことをしていき、悪影響が大きい睡眠にまつわる誤情報をランキングしてくれたのです。
以下が研究チームがランキングしてくれた睡眠の『ウソ』情報です!
成人は1日の睡眠は『5時間』で十分である
大抵のデータでは、7〜10時間の睡眠を取らないと、心身ともに満足に機能しないとの結論が出ています。
なのに、特にビジネスの世界では「睡眠は5時間とれば十分だ!」といった流行があるそうです。
2007年の長期研究では、1日の睡眠が7時間から5時間に減った人は、キチンと睡眠時間を確保している人と比較して早期死亡率が2倍に上がったことがわかっています。
主な死因は心疾患で、5時間以下になると高血圧や免疫機能の低下が起きてしまいます。
いつでもどこでも睡眠がとれるのは健康の証拠である
電車や「よくあんなところで眠れるよな~~」という感じの場所で眠っている人っていますよね。
ハッキリ言って、これは思いきり『不健康な証拠』です!
これは、十分な睡眠が確保できていないがために生じています。
心身が十分な休息を取れていないせいで、マイクロスリープと呼ばれる小刻みな睡眠に入ってしまっているのです。単純に、たまりにたまった睡眠負債を返済するために、どこそこ構わず眠っているわけです。
人間の脳は短眠に適応できる
前のブログでも取り上げたのですが、人間はショートスリーパーにはなれません。
実際のところ、質の良い睡眠を得るためには4段階のフェーズを辿らなければなりません。
その都合もあってか、短時間睡眠ではそれを成し得ることができません。
- ステージ1で軽い睡眠に入る
- ステージ2で周囲の環境から切り離される
- ステージ3〜4で体が深い休息状態に入る
これにREM睡眠のサイクルを何度か繰り返すようになっております。
なので、普通の人間が短眠に適応することは不可能なのです。
イビキは自身に実害はない
イビキは他人にとって迷惑なものですが、実は自分にも害があるものなのです。
イビキは呼吸を止めてしまうので、無呼吸症候群や睡眠障害の原因になります。
これは、心臓病や心房細動といった心疾患、喘息や高血圧、ガン、糖尿病、腎臓病、認知機能の低下などを招いてしまいます。
就寝前のお酒は寝つきが良くなる
いわゆる『寝酒』は、単純に睡眠の質を下げるだけの行為です。
確かに、アルコールは入眠をスムーズにしてくれるかもしれないけど、寝酒のメリットはそれだけです。
入眠後、アルコールは睡眠のステージを浅くしてしまいますので、ものすごく睡眠の質が下がります。なので、どんなに寝ても疲労回復はされないのです。
眠れないときは『とりあえずベッドの上で目をつむれ!』
ベッドや寝床に入っても、なかなか眠れない…。
だから、ガンバって眠れるよう目を閉じ続けますが、残念ながらこれは良くない行為です。
これは、起きたままベッドの中にいることで、『ベッド=起きる場所』と脳が結びつけてしまいます。
なので、15分たっても入眠出来ないのであれば、いったんベッドから離れて別のこと(できれば別の部屋に移動する)をすると良いでしょう。
眠る時間帯は睡眠の質に影響をあたえない
未だこんな情報がまかりとおっていることに驚きですが、当然のように睡眠の質に影響がでます。
ベッドに入るタイミングは毎日同じ時間にすることをオススメしています。
そうでないと僕らのホルモンや体温、消化のペースなどが狂ってしまい、体内時計の働きに悪影響が出てしまいます。
就寝前はテレビを観てリラックスしよう
こんなことがまだ信じられていることに驚きですが、テレビはもちろん、パソコンやスマホもNGです!
テレビやパソコン、スマホはブルーライトを出しますんで、僕らの脳は、それを朝だと誤認してしまいます。
寝る前のデジタルはひかえて、別のリラックス方法(簡単な内容の読書とか)をした方が良いですね。
目覚ましのスヌーズ機能を駆使しよう
スヌーズ機能は目覚まし機能の基本ですが、科学的に見るとNGだそうです。
スヌーズ機能を使うと、僕らの脳はとても浅い眠りにもどってしまいます。
この眠りは非常に浅いので、睡眠の質も低下してします。
夢を覚えているのは睡眠の質が高い証拠である
よく聞いたことがあるかと思いますが、実は『夢を覚えていない方が睡眠の質が良い!』というのが正解です。
研究チームによると、どんな人も睡眠中は4~5回くらいは夢を見ているそうです。
だけど、睡眠が乱れることなく、キチンと眠っていれば夢を覚えていることはないようです。
先行研究でも、夢を覚えている人ほど騒音などの外部刺激に弱く、中途覚醒してしまう確率が高いことがわかっています。
というわけで、悪影響が大きい順に、睡眠の『ウソ』情報ランキングを取り上げていきました。
睡眠の世界って、まだまだ未解明なことが多いので、どうしてもよくわからない情報が出てきたりします。
睡眠のゴールデンタイムやらシンデレラタイムといったものがありますので、何が正解かは見定めるのは大変です(汗)。
とりあえずは、今回の話は役に立つこととは言えますね☆
【参考文献】