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「脂肪燃焼ゾーン」を見つけて、運動で効率的に体脂肪を燃焼する方法

「運動では痩せられないっ!」というのは常識になっているものの、「脂肪燃焼ゾーン」なる考え方は昔からあります。

大まかに申し上げますと、軽い負荷の有酸素運動をすることで、効率的に体脂肪を燃やすことができるという考え方です。実際のところ、この考え方は正しいらしく、確かに「脂肪燃焼ゾーン」は存在していて、それは個人差が大きいのだとか!

今回は、「脂肪燃焼ゾーン」を見つけて、運動で効率的に体脂肪を燃焼する方法をご紹介していきます。

 

 

「脂肪燃焼ゾーン」についてと、見つけ出す方法

 

まずは、「脂肪燃焼ゾーン」についてお話をしていきます。

結論を先に申し上げますと、最大心拍数の57〜66%で運動した人が、最も高い割合で脂肪が燃焼されるということが2023年のレビューによって解明されました。

このレビューは肥満の男女計7,474名を含む64件の過去データをまとめたものでして、体脂肪燃焼を目指して運動をするなら、ひとまずは、この心拍数を目指すのが無難と言えます。結果だけを見ていくなら、この57~66%の心拍数は軽いジョギングくらいのものですが、実際は運動中に脂肪が使われるか、それとも糖質が使われるかは、そのほとんどが運動強度によって決まってしまいます

大枠で捉えると、一般的には、負荷の高い運動では糖質が燃えやすくなり、負荷の低い運動では脂肪が燃えやすくなります。そういうこともあり、最大心拍数の57〜66%が体脂肪燃焼の最適解になるのは、至極当然となります。ですが、これはあくまでも一般的な話でありまして、これもまた当然ですが、皆が皆、同じ身体をしているわけではありません。

なので、脂肪燃焼ゾーンには個人差があり、それを見つけ出すことが大切なのです。

 

 

 

というのも、その脂肪燃焼ゾーンの個人差については、これもまた2023年に出た研究で語られております。

この研究では、年齢や体重、運動レベルの異なる26名の男女を集めており、心拍数と呼吸モニターを使って、各人が最も脂肪を燃焼した負荷と心拍数を特定し、そこから脂肪燃焼ゾーンを割り出していきます。そのうえで、この脂肪燃焼ゾーンを、一般的なヘルスクラブに記載されているアドバイスと比較するという流れになっております。

結果なのですが、測定された脂肪燃焼ゾーンが、一般的な範囲の人もいたが、1分間に10拍の差がある人もいたことが明らかになったのです!

 

10拍と聞くと大したことがなさそうに感じるかもしれませんが、人によってはウォーキングとジョギングほどの差が出ますから、この差は見過ごすことはできません。

何が言いたいかと言いますと、とりあえず脂肪燃焼ゾーンを参考にすると、運動強度がハードなのかイージーなのかのどちらかになってしまう可能性があるということ。よって、効率的に体脂肪を燃焼させるには、各人にとっての「脂肪燃焼ゾーン」を見つけることが重要なのです。

このことについては、最初に紹介したレビューを発表した研究チームが以下の方法をオススメしております。

 

  1. 専門機関で検査:生理学研究所で運動と代謝の検査を受ける方法で、一番リソースがかかりますが、その分、最も正確な測定ができます。なかには、病院や大学、フィットネスセンターでも、有料で検査をしてくれるところもあるので、これを使うのも良いかと思います。
  2. トレッドミルで推測する:トレッドミルで歩いて、自分の脂肪燃焼ゾーンを推定する方法で、要は自力で計算するということです。まずは心拍計やスマートウォッチをつけたまま、トレッドミルで最初は負荷が軽いペースでウォーキングやジョギングを始め、そこから3~5分ごとに速度を上げていき、心拍数の上昇が停滞するまで続けます。これが、自分の最大心拍数(またはそれに近い値)だと推定できます。その後、その最大心拍数の60%を計算すれば、自分の脂肪燃焼ゾーンがわかるというわけです。あとは、その心拍数の前後で運動をしていきましょう。更に言えば、体脂肪燃焼は、脂肪燃焼ゾーンのペースで40分以上運動し続ける必要があるので、それは守っていきましょう。
  3. 軽い運動をし続ける:実際に45分ほど歩いてみる方法で、 過去の研究によると、最低でも45分間は維持できそうな速度で歩くように指示された人は、自然と脂肪燃焼ゾーンに近いペースに落ち着くとのこと。なにも考えずにいられるので、最も無難な方法かもしれません。ちなみに、研究によると、多くの人の脂肪燃焼ゾーンは、時速4~5kmぐらいだったようで、大体の人は、早歩きからジョギングに変わるくらいの負荷が、脂肪燃焼ゾーンに入っているようです。

 

 

ということで、「運動で体脂肪燃焼を狙うゾ!」と決意するなら、「ラクなペースで45分の運動をする」のが良いでしょう。
健康増進ならそこまで自分を追い込む必要性はないので、この基準を守っていきましょう。最近の僕は、自身の力を高めるべくメチャクチャ走っていますが、それは自己実現なのでご愛敬ということで☆

 

 

【参考文献】
[Toward Exercise Guidelines for Optimizing Fat Oxidation During Exercise in Obesity: A Systematic Review and Meta-Regression]
[Discrepancy between predicted and measured exercise intensity for eliciting the maximal rate of lipid oxidation]

 

 

 

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