「痩せのメタボ」とはなんなのか、どんな人がなりやすいのか!?…について、今回は解説していきます。
世間での通称でメタボとは呼ばれていますが、正式名称は「メタボリック・シンドローム」でして、和訳すると「代謝症候群」と申します。日本では、ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)が男性85cm・女性90cm以上で、かつ血圧・血糖・脂質の3つのうち2つ以上が基準値から外れると、「メタボリックシンドローム」と診断されます。まぁ、世間では「代謝、代謝ぁ~~♪」と言ってような感じで、名称から察するに、代謝になにかしらの問題があるというのが正解なのでしょう。
前置きはここまでにして、さっそく本題に入っていきましょう♪
クロノタイプと痩せのメタボの関係性
これは2024年に出た岡山県立大学などの研究でして、日本の女子大学生251名を対象にした調査となっております。
「痩せのメタボ」について解説していきますと、「外見そのものは痩せ型に見えるものの、栄養素の代謝やホルモンの分泌に異常がある状態」のことを意味しています。見た目が痩せていても、実は体脂肪率が高く、それに反して筋肉の量が少ない人に多く見られる現象です。日本では若い女性に多いことが報告されてまして、様々な問題が起きやすいことがわかっております。この問題には、一般に夜型の生活習慣が関係しているとされており、夜型人間は食習慣が乱れやすく、身体活動量が低下しやすく、さらに睡眠時間も短いため、夜型のクロノタイプほど“痩せのメタボ”状態になりやすいと考えられています
この調査では、クロノタイプと食事、運動量、体重などをチェックし、その考察に正当性があるかをみています。得られたデータを基に、体内時計と体型の関係を評価したところ、次のようなことがわかりました。
- 体脂肪率は、夜型の女学生が29.9±4.8%、非夜型の学生は27.3±5.5%で、夜型のほうが高い。
- 筋肉量についても、夜型の学生のほうが少なかった。
- 夜型の女学生は、身体活動量も有意に少なかった。
- 夜型の女学生は、タンパク質の摂取量も少なかった。
今回の研究では、夜型クロノタイプは運動量が少なく、それで筋肉量が少ない可能性があるようですね…。
研究チームの見解では、
夜型クロノタイプの大学生は、身体活動量が少なく、体脂肪率が多く筋肉量が少ないことが示唆された。若年女性の適切な体組成の維持のために、それぞれのクロノタイプに適した方法を使う必要があるだろう。
としています。
注意点としては、この研究は若い女性のみを対象とした調査なので、男性にも該当するかは不明です。とはいえ、普通に男性にも痩せのメタボは良く見ますので、運動はしていった方が良いのかと思いますね☆
【参考文献】
[メタボリックシンドロームの診断基準 – 厚生労働省]
[Associations of body composition with physical activity, nutritional intake status, and chronotype among female university students in Japan]