「人生の幸福度を上げるなら、自分自身を人生の物語の主要人物と認識せよ!」なる話がありますので、今回は、それについて解説していきます。
かくいう僕も、そういった思想の持ち主でありまして、生殺与奪を他人に握られるのがイヤな人間なんですよね。自分の人生は自分だけの物だから、自分が納得できる生き方をしたいものです。自分語りはここまでにして本題に入りますので、自分を自身の物語の主人公として振る舞い、幸福度を爆上げしていきましょう。
どうぞ、よしなに♪
自分を人生の物語の主人公として認識することによる幸福度の変化
これは2024年に出た研究でして、以下の3つの調査によって構成されております。
- 358名の学生を集め、4週間おきにオンラインによる調査を実施する。その際、「自分の人生の物語において、自分が主要な登場人物であると感じられますか?それとも、脇役だと感じられますか?」という点を測定し、さらに学生たちの感情や生活満足度、自尊心なども評価する。
- 326名の学生を集め、「自分の人生の物語の中で、自身こそが主役であると感じられた時を思い出してください」と指示するグループと、「自分の人生の物語の中で、脇役のように感じた時を思い出してください」と指示するグループの2つに無作為に分ける。その上で、学生たちの幸福度などを評価する。
- 298名の学生を集め、いま目指している目標を3つ挙げてもらい、その動機を評価する。 続いて、学生たちの欲求満足度、幸福度などを評価し、 最後に自分自身を人生の物語の登場人物に見立てた物語を書いてもらう。
以上の3つの調査の下、学生たちに“自身の人生における主人公感”を見ていき、その回答が幸福度と相関しているかをチェックしていったそうです。
結果ですが、
- “自身の人生における主人公感”を持っている参加者は、幸福度が高く、基本的な心理的欲求(自律性,有能感,関係性)の満足度が高かった。 縦断的データからも、「自分は主人公である」と感じているかどうかは、最初の幸福度をコントロールした場合でも、4週間後の幸福度の高さを予測できた。
- 自分が人生の主役だと感じられた時を思い出した参加者は、基本的な欲求満足度と幸福感が有意に増加した。 それに反して、自分が人生の脇役のように感じたときを思い出した参加者は、幸福度が大きく低下した。これらの効果は、自尊心やナルシシズムを統制した場合でも確認され、「自分は主人公である」と感じるかが幸福の結果に独自に寄与していることが示された。
- 自分を自身の人生の主要人物と感じている参加者は、自身の価値観に基づいた目標を追求する傾向が強い。 こういった人物は、内発的動機づけのレベルが高く、外発的動機づけのレベルが低かった。
以上のことから、“自身の人生という物語の圧倒的主人公感”がある人は、他者の目を気にせず自分の信念や大義、価値観などに基づいた行動するモチベーションが高く、その影響で幸福度が上がる傾向もあるそうな…。
研究チームによると、
これらの結果は、皆が自分自身を“人生の物語の登場人物としてどう思うか”が、その人の幸福感に影響を与えるという思考を支持するものである。 大体の人物は、「私は自身の人生を自身の手で動かし、外的な影響や他者に抑制されるのではなく、物語の主要人物のように自分自身で決断を下す人間なのだと考えるとき、より統合され、完全に機能する自己となる。
そのような人物は、自身のことを、より自律的で、より有能だと感じ、そのような基本的な心理的ニーズを満たすことによって、他者との関係の満足度も上昇する。翻って、自身を脇役とみなす人物は、これらの欲求が満たせないことが多く、自己の統合やウェルビーイングが低下する。
人間には
- 自分のことは自分で決めたい
- 自分のことを優秀な存在だと思いたい
- 他者と良い人間関係を築きたい
といった基本的欲求を持っていて、そこに「自分の人生という物語」をどのように解釈するかが大きく関わってくるというわけです。一度きりの自分の人生、少なくとも、自分の意志だけは大切にしていきたいものです☆