なんとなく、「この人って、頭が良いんだろうなぁ~~…。」
って思うときはありませんか?
また、自分のことを「頭の良い人だと思われたいっ!!」という願望をお持ちの方も、いらっしゃるかと思います。今回は、「頭の良い人が持っている、参考にすべき価値観とは?」というタイトルのとおり、頭の良い人に共通する価値観について、お話をして参ります。
どうぞ、よしなに♪
認知機能と価値観の関係性
これは2024年に出た、オーストラリア人を対象にした調査でして、15,522名(女性 60%、平均年齢38.7歳、SD = 10.7) を対象に、個人の価値観や性格特性、認知機能との関係性を深掘りしていったものとなっております。
この研究では、心理学の調査でよく用いられている「シュワルツの基本価値観理論」を基に、全世界で共通する10の基本価値を選抜し、それぞれの価値を参加者がどれぐらい持っているかを評価していったそうです。その10の基本価値についてですが、
- 自律性(独立性や創造性)
- 刺激(新しさや興奮)
- 快楽(楽しさや喜び)
- 達成(成功や有能さ)
- 権力(地位や支配)
- 安全(安定や安心感)
- 順応(規範への従順さ)
- 伝統(文化や慣習への敬意)
- 善意(他者を助けること)
- 普遍性(寛容や理解)
というラインナップでございます。
あらゆる文化圏を調査しても、この10の項目については、おおよそ一致しているそうです。さらに、この調査では、「結晶性知能」と「流動性知能」という2つの知能についても評価しておりまして、この2つの知能については、次のような意味を持っているそうです。
- 結晶性知能:経験や教育から得た知識を用いて問題を解決する能力(例:語彙力や過去の知識を使った推論)
- 流動性知能:新しい問題に対処するための柔軟な思考力(例:パズルのような未経験の課題を解く能力)
これらのことをチェックしたうえで、参加者全員の価値観を比較していったとのこと…。
その結果、
- 認知機能が高い人:自律性や善意、普遍性を重視しやすい
- 認知機能が低い人:安全や伝統、順応を重視しやすい
大ざっぱにまとめてしまうと、頭が良い人ほど自由を大切にし、頭が悪い人ほどいままでどおりのやり方に固執する傾向があるそうです。この傾向は、主に「結晶性知能」と関係していまして、「流動性知能」と価値観の関係は、ほんのわずかなものだったのだとか…。
まあ、なんとなく価値観というものは、過去の経験や教わったことに依存しやすい感じがしますよね。
ちなみになんですが、この研究では性格と価値観の関係も調査してくれているのですが、総括すると、さほど関係がなかったそうです(まったく関係がないとも言い切れないということですが…)。
つまり、性格特性よりも頭の良さが価値観に影響を与える可能性があるということ。この研究によれば、
認知機能が高い人物は、自身の意思で物事を選択しようとし、また、他者と協力して共通の目標を目指すことを好む。
ということのようです。
当然ですが、サンプル数自体は多いものの、今回の研究だけでは因果関係がはっきりしておりません。頭の良さが価値観を決定づけるのか、それとも価値観が頭を良くするのかは不明です。また、認知機能と価値観の関係性は統計的に有意だったものの、その効果は弱いとのことで、その他の要因も大きく影響していると思われます。
その点を配慮したうえで、自律性や普遍性、善意といった価値観を意識して能力を高めるのが良きかと思いますね☆