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「自分も誘ってほしい…」と言えない理由を科学的に解説!

人によっては、なかなか「自分も誘ってほしい…!」と言えないものです。

「迷惑かな?」や「誘ってないということは、来てほしくないのでは?」といったことを思ってしまい、自分も誘ってほしいことを伝えられない心理があります。僕も時折そんなことがありますもので、どうしてそう思ってしまうかと考えてしまいます。

今回は、そんな自分も誘ってほしい旨を伝えられない理由を、科学的に解説していきます!

 

 

他者の計画に参加することをためらう心理

 

これは2025年に出た、ウェストバージニア大学などのチームによる研究でして、「どうして人々は、他者の計画に自ら参加を申し出ないのか?」という心理を解き明かそうとしてくれています。

この研究は8つの調査によって構成されていて、たとえば実験のひとつに、参加者を以下の2つの役割にわかれてもらったそうです。

 

  • セルフ・インバイター:他者のイベントに自分も参加したいと申し出る人
  • プランホルダー:イベントを計画する人

 

そのうえで、参加全員に以下のような複数のシチュエーションを想像してもらったとのことです。

 

  • 友人が、誰かと映画に行く予定の話をした
  • 同僚が公園にピクニックに行くことを伝えてきた
  • 知人が週末に誰かと食事に行く計画を立てているのだが、自分には招待がない

 

そして、セルフ・インバイターには、「あなたはこの状況で、自分も参加したい旨を伝えますか?」と質問し、プランホルダーには「この友人から、参加したい旨を聞かれたら、どう感じますか?」と質問し、どういった差が現れるかを評価していきました。

 

その結果、セルフ・インバイターとプランホルダーには大きな認識の差が明確に現れ、

 

  • セルフ・インバイターの59%が、「自分も行きたいと伝える」と回答した
  • プランホルダーの92%が、「歓迎する」と回答した

 

といった感じになったそうです。

つまり、大体の人が「自分も参加したい!」と言えないのだけども、大体の人が、相手から「自分も参加したい!」と言われたら、快諾してくれるわけです。その差が30以上ありますので、これはかなりのかい離がありますねぇ~~…。

深掘りしていきますと、参加者に「どうして自分も参加したいと言えなかったのか?」と質問したところ、参加者全員が、

 

  • 自分のことを誘うかどうかを考えた結果、誘わないと決めたのでは?
  • 自分と一緒にいたくないのでは?

 

といった思い込みをしまっているそうです。

僕自身も、「まあ、僕を誘わないのは、何か考えた末の結論なのかな?」と思って、特に便乗することはありませんからね。実際のところ、相手側からすると、単純に誘うことを考えていないことが多いだけで、それを勝手に「誘う気がない」と勘繰ってしまっているだけなのです。

 

 

 

 

では、ここから科学的に、この心理について解説をしていきます。

相手から拒絶されたと誤解をしてしまう理由については、主に次のような2つの心理的バイアスが関係しているそうです。

 

  1. エゴセントリズム(自己中心的認知):人間は、自分が思っているよりも、「相手は自分のことを配慮をしてくれるだろう」と思う傾向にあり、この現象を心理学では「スポットライト効果」と呼称しております。たとえば、自分が何か失敗をすると、実際は気にしていないのに、「周りは気づいてるに違いない」と思い込んでしまう心理です。
  2. 拒絶感受性:過去の体験の悪影響で、「拒絶されたことへの恐怖心」や「嫌われるのが怖い」といった感情が湧きあがってしまうことが原因で起きます。拒絶された経験のある人は、他者の“沈黙”でも拒絶と認識してしまう傾向があり、「自分は誘われないだろう」という諦観や「空気を悪くしたくない」という過剰な配慮をしてしまう心理です。

 

今回の実験の場合、「他者が自分を誘わなかった」と誤認したのは、他者が自分のことを配慮したに違いないと思いこんだ結果だと言えます。科学的に言うと納得しますと、よくよく考えたら、あるあるのような心理でしょうね。こういった心理バイアスに無意識に陥ってしまっているのが人間なので、このバイアスを認識することが、あらぬ誤解を招かないための一歩でしょうな☆

今回のデータを元に、この心理バイアスを克服するためには、次のような方法を試すと良いかと思います。

 

  • 軽いノリで参加表明をしてみる:他者から拒絶されたと思っても、軽くても良いので参加表明をしてみる。
  • 拒否されたからといって“自身の否定”と結論を出さない:仮に拒否されたとしても、それは「嫌われている」からではなく、他の要因である可能性がある。自分を否定されたわけではないと信じで、なるべく機械的に受け止めるようにする。
  • 他者は自分のことを気にしていない:人間は基本的に自己中心的に行動しており、実際は他者も自分のことで精一杯である。なので、自分も参加表明することで、人間関係を構築できる可能性がある。

 

まずは気軽に、「自分も参加しても良いかな~~?」って聞いてみることから始めていきましょう☆

 

 

【参考文献】
[Self-Invitation Hesitation: How and Why People Fail to Ask to Join the Plans of Others]

 

 

 

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