「有酸素運動と筋トレ、どちらから始めれば良いのだろうか…?」
これは、日ごろから鍛錬に励んでいる人なら、常に考えているテーマなのだろうと思っております。
今回は、そんな有酸素運動と筋トレ、どちらから始めるとトレーニング効率が良いのかを深掘りしていきますので、どうぞご一読ください。こういった小さな積み重ねが、後に大きな差が生まれます。
この記事を参考に、トレーニングを見直していただけると幸いです。
トレーニングの順序による身体への影響
これは2025年に出たランダム化比較試験で、肥満の若年男性45名(平均年齢22.42 ± 1.96歳、平均BMI29.78 ± 3.37)を対象に、12週間の運動を指示したものとなっております。この実験では、以下の3つのグループに分かれてもらい、それぞれ30分の筋トレに30分の有酸素運動を週3回実施してもらいました。
簡単に言うと、順番のみを変えることで、トレーニングの効果にどれくらいの影響が出るのかという、非常にシンプルな実験です。
- 筋トレから始め、その後に有酸素運動をするグループ
- 有酸素運動から始め、その後に筋トレをするグループ
- 運動なしのコントロールグループ
結果なのですが、
- 順番に関係なく、運動をすることで体脂肪を減少させることができた。
- その中でも、「筋トレから始め、その後に有酸素運動をする」グループの方が体脂肪の減少が大きかった。
- また、爆発的な筋力(エクスプローシブ・ストレングス)と筋持久力に関しても、筋トレを先行した方が増加した。
- その一方で、最大酸素摂取量(VO2max)や脚部の等尺性筋力(踏ん張る力)は、順番に関係なく同様の効果だった。
以上のことから、この実験だけを見る場合、先に筋トレから始めるのが良いのかもしれません。
気をつけなければならないのは、あくまでも、この実験“だけ”で判断した場合だということ。
この実験には、そもそも「どのような筋トレメニューをおこなっかのか」や「どのような方法で筋力や筋持久力を測定したのか」の具体的な記載が少ないため、 RCTとはいえ信ぴょう性に欠けるものがあります。食事摂取量は自己申告であり、睡眠パターンや心理的ストレスなどの調整が無さていないため、回想バイアスと変動が生じる可能性があります。
しかしながら、過去の報告でも、筋トレの後に有酸素運動をした方が、体脂肪の減少や筋力の増加につながるパターンが見受けられます。
理論としては、
レジスタンストレーニングによって筋グリコーゲンを消費し、その後に有酸素運動を取り入れることで、脂肪の利用効率が上昇するのではないのだろうか?
とのこと。
なので、今のところ「筋トレ → 有酸素運動」の順番が、トレーニングの効率が良いのかもしれません☆