恋愛や夫婦関係において、よく議論されるのが、「気持ちはキチンと言葉にする」のが良いのか、「気持ちを行動で表す」のが良いのか…。
定番と言えるテーマなのですが、このことについて研究してくれている方々がいらっしゃるので、今回は、それをご紹介していきます。実際のところ、言葉が良いのか行動が良いのか、それが分かれば適切な表現ができるものです。パートナー同士、末永く一緒に過ごしていきたいものですから、どうぞ、今回のブログを参考にしていってください。
愛は、キッチリと伝えていきましょう♪
男女による「言葉」と「行動」による表現の評価の差異
これは2025年に出た、3つの実験で構成された研究で、中国人513名を対象におこなわれたものです。
その内容と言うものが、
- 架空の恋人のシナリオを評価する(研究1):「ストレスのある一日を過ごしたあと、恋人がねぎらいの言葉をかけてくれた」場合と、「ストレスのある一日を過ごしたあと、恋人が夕食を作ってくれた」場合で、どちらをより魅力的なのかを評価してもらう。
- 架空の2人のパートナープロファイルを比較(研究2および3):「優しい言葉をかけてくれる」タイプと「日常的な気遣い行動をしてくれる」タイプを比較して、どちらを恋愛相手として選ぶのか、どちらが温かさや信頼性が高いかを評価した。
というもの。
結果なのですが、研究1では「女性は男性よりも、パートナーが言葉ではなく具体的な行動で愛情表現することを望んでいる」ことがわかり、研究2および3では「女性は、行動によって温かさや信頼性を評価する」ことがわかった。反対に、研究1では「男性は、女性の言葉による愛情表現を望んでいる」ことがわかり、研究2および3では「男性は、言葉と行動とで評価に大きな差が無く、区別をあまりしない」ことがわかったそうです。
まず、男女における大きな差異としては、「女性は“行動”で愛を評価し、男性は“言葉”で愛を評価する」ということ。
このような傾向が生じる大きな背景としては、進化心理学の理論が関わってきます。なので、「どちらが正しいのか?正しくないのか?」や「どちらが良いのか?悪いのか?」を評価することができません。男女で優先順位の違いがありますので、それに対してとやかく言うのは難しいのです。
進化心理学で言いますと、
- 女性は「男性の資産」に敏感:女性は、長期的に資産を提供してくれる男性を重視する。これは、女性は妊娠・出産の負担が大きいため、長期的に持続してくれる実際的な行動力がある方がわかりやすいからである。
- 男性は「女性の感情」に敏感:男性は、恋愛の初期段階で女性の興味や好意の表現を重視する。これは、言葉で表現してくれた方が分かりやすく、即時性があるからである。
というのが事実としてあるそうです。
ここで、残酷な現実なのは、「自分の愛情表現」と「相手がしてもらいたい愛情表現」が一致しないところ。
自分は言葉で愛情表現したいのに、相手は行動で示してほしい。自分は行動で愛情表現をしているが、相手は言葉での愛情表現を望んでいることがしばしばあります。こういったことが、恋人間・夫婦間の定番にある「愛情表現のミスマッチ」なのです。この研究によって判明したデータによりますと、
- 性別や価値観によって、“好みの愛情表現”が異なる
- 自分がしたい愛情表現よりも、相手が望んでいる愛情表現を優先する
が良いのだとか…。
なので、相手が「言葉で“好き”って言ってほしい…!」なら、キチンと言葉で愛情表現するのが良いということ。そして、「言葉ではなく、行動で示してほしい」なら、相手のことを思った言葉で表現するのが良いということであります。当然ですが、価値観の違いもありますので、日本人にも言えるかどうかは分かりませんのでご留意を。
とはいえ、大まかにこの2つに区分できると思いますので、関係の改善に役立ててください☆
【参考文献】
[Who Favor Sweet Actions over Sweet Words More – Females or Males?]