いままでは目標設定の大切さを教えてもらい、綿密な目標を立てるように進められてきていると思われます。
ダイエットにしろビジネスにしろ、目標に対して綿密に計画を立てていくことが、僕たちの目標が上手くいくと信じてきました。
ですが、その綿密な計画が仇となり、僕たちの目標が上手くいかなくなる!…ということが起きるのです。どうして綿密な計画が、むしろ悪い方向に向かっていくのでしょうか?
綿密な目標設定が、僕たちの目標を失敗させてしまう理由について取り上げていきます。
これは一種のパラダイムシフトとなりますので、どうぞ参考にしてください!
≪Contents≫
綿密な目標設定がもたらす6つのデメリット
2009年、ハーバード・ビジネス・スクールが出しているワーキング・ペーパーで言われたことを紹介していきます。
いままで、多くの国や状況で行われた何百もの研究で、大きな挑戦をする目標を設定することが大切で、パフォーマンスを向上させることができるということをずっと言われてきました。それにより、目標設定の提唱者は、研究、管理教育、および管理実践に多大な影響を与えています。
これまでは、目標設定のメリットばかり誇張されてきましたが、目標設定によって引き起こされてしまうデメリットは、ほとんど無視されてきたと主張します。ワーキングペーパーで言われたことは、心理学者も含め「目標設定が大切」とされてきたので、抗議が集中する出来事となりました。
綿密な目標設定が、僕たちにどのようなデメリットをもたらすのか?
そのデメリットを6つご紹介していきます。
視野が狭くなる
目標を絞り込むことによって、ほかの可能性に目を向けることができなくなるということが起きます。
たとえるなら、ダイエットでは、「10kg減量」を掲げた際に、特定の選択肢“のみ”で成し遂げようとしてしまいます。最初に掲げたダイエット方法が自分に合わず、ほかに自分にあったダイエット方法があったとしても、目標設定にそって成し遂げようとしてしまうということが起きてしまいます。
結果的に、目標設定にこだわったせいで、ダイエットが成し遂げられなくなります。
倫理に反する行動をとる
簡単にいってしまうと、目標達成のためなら手段を選ばない可能性が出てきます。
目標達成のためと自分を許容し、倫理観に反する行動・非人道的な行動を選択することがあります。
スポーツにて、なんとしても試合に勝ちたいからと、「ドーピングをする」「対戦相手の妨害をする」といった手段を選んでしまいます。これでは、自身の成長にならないばかりか、倫理に反するマインドが染みついてしまいます。
リスクを好んで選択する
目標達成の見通しが厳しくなってくると、無謀な行為に及んでしまう可能性がでてきます。
なんとかして目標を達成しようと躍起になってしまい、無謀な行動を選択するようになります。
これは、ギャンブルで負け越した人に似た行動様式です。
冷静になれは成功する確率が著しく低い行為なのに、それが判断できずに選択してしまいます。綿密な目標設定に縛られて、それを巻き返そうという心理が働いてしまいます。
モチベーションが低下する
大きな目標設定をおこなった際、達成できそうな実感が湧かないと、やる気を失ってしまいます。
少しガンバれば達成できる目標なら、『ドーパミン』が分泌されモチベーションが高まります。ですが、もともと達成不可能な目標なのか、目標に無理があるのか、そういった場合はモチベーションを維持できません。
大きな目標設定に取り組むには強い動機づけが求められます。
長期的利益の損失
短期的な目標に囚われるあまり、長期的な利益を失われる可能性があります。
短期では利益にならないと放棄してしまうと、長期で得られるはずの莫大な利益を失ってしまうということが起きます。
5年・10年後なら上手くいったはずの目標を3年計画で綿密に進めていったばかりに、「みっちり計画を立てて3年間進めた結果なんだから無理だったんだろう」と諦めてしまうということです。
学習意欲が損なわれる
目標達成にこだわるあまり、達成途中で得られる、経験や失敗から学ぼうとしなくなる可能性があります。
これは、結果や成績、スコア“のみ”に執着してしまうことにより発生してしまう現象です。
「とりあえず成果さえ出せばいいや」「目標達成しないといけないから、振り返っている余裕なんてない!」といったことがおきます。目標設定の醍醐味である自己成長の為の機会を、自分の手で無くしてしまうという悲しい結末を迎えることがあります。
達成できる目標の立て方
単に目標を立てるのではなく、また、目標にこだわることもいけません。
目標設定自体は、パフォーマンスの向上といったメリットがありますので取り組んだ方がいい行為です。
大事なのは、『柔軟性のある目標設定』です!
柔軟性のある目標設定が、自身に負担をかけることなく目標を達成することができます。
では、柔軟性のある目標設定とはどういったものか?
一部、例を挙げるとすれば、以下のことが大切です。
目標達成の手段を3つ以上持っておく
途中で良い方法が見つかった場合も、検討し実践してみる。
妥当性があるものなのかを検討する
大きな目標の場合、それに妥当性があるのかを検討していきましょう。
もし妥当ではない場合、計画の変更や別の手段に切り替える。
どうしても達成したい場合、たとえば1年間で計画を立てているとするなら、始めの3ヶ月間は達成の準備期間にする。もし達成の可能性があるのなら継続し、ないならば変更する。
さらに、小さな目標も設定して、成功体験を築いていき、モチベーションを維持していく。
プロセスを大切にすれば、自ずと目標は達成できると肝に銘じる
無理に埋め合わせはせず、失敗したのならば、「なぜ失敗したのか?」という振り返る時間を設ける。
その時間が、自身のスキルアップやマインドの成長になる。
綿密に計画を立てたばかりに、それに縛られてしまうというデメリットがあります。
計画にこだわる・悪影響のあるマインドセットが起きるということがあり、綿密な目標設定が僕らを苦しめることがあります。
ダイエットや療養、仕事の計画を立てるにあたり、こだわることなく、柔軟性を持たせることが目標設定の賢い方法かと思います。始めに決めた目標設定や計画というものは、良くも悪くもそのとおりにはいかないものです。
目標達成にむけて、地道に進んでいきましょう!
無理は禁物です(*^_^*)
【参考文献】
[Goals Gone Wild: The Systematic Side Effects of Over-Prescribing Goal Setting]