僕は健康に関することなら、大体はアドバイスできる身です。
以前、お金に関するストレスがどのように身体に悪影響を与えるかをご紹介しましたが、今回もお金のストレスに関係するお話をしていきます。
ちなみに、前回の健康×お金のお話は以前のブログでしていますので、よろしければどうぞ。
ストレスというのは、美容の大敵でもありますし、当然ながらメンタルにとっても厄介なものです(汗)
こと『お金に関するストレス』というのは、私たちの予想以上に心身に大ダメージを負ってしまう…。
なので、もしお金に関して不安や悩みを持っているのなら、できる限り早めに解決していった方がいいですね(+_+)
僕らがもし『お金がない』という状態になると、心身にどのような悪影響が起きるかをお伝えします。
資本主義国で生きている以上、お金のことは避けては通れないものです。
≪Contents≫
お金がないストレスによる3つの健康被害
お金がないことによるストレスは、以前にも取り上げましたが、それ以外にも私たちの健康に損害を与えることが分かっています(以前のブログを読んでいただけると幸いです♪)。
今回は『お金に関するストレス』によって起きてしまう心身の悪影響を3つお話していきます。
肥満
3206人の大学生を対象にした、ミネソタ大学の研究をご紹介します。
参加者にアンケートを取って、それぞれの
- 体重
- 運動量
- 食事
- ストレス
- クレジットカードの使用量
などを調べたところ、『借金が11万円を超えている人ほど肥満が多く、ファストフード、運動不足、テレビの視聴時間などがいずれも多い傾向があった』ということがわかりました。
しかし、この研究だけでは「借金によるストレスで肥満になった」のか、「借金をするような怠惰な人だから、健康管理ができなくて肥満になった」のかという因果関係がわからない状態です。
そこで、お金のストレスが肥満を招くという根拠を、もう1つ紹介します。
2009年に1355人の男女を調べたデータでも、経済的なストレスを抱えた人ほど、調査開始の数年後に体重が増加していくケースが多いようです。この研究での結論では、お金のストレスによってセルフコントロール能力が下がったために、お菓子やジャンクフードの消費量が増加してしまったのが原因だと予想しています。
いわゆる『ストレス食い』がおきてしまうので、「借金によるストレスが肥満の引き金」になるという考察に至るのは妥当ですね。
喫煙
数多くの研究にて、低所得であればあるほど、喫煙率が上昇する傾向にあることがわかっています。
たとえば2009年の研究でも、「借金が多い人ほど禁煙できない傾向がある」という結果が出てまして、お金のストレスによって脳のパフォーマンスが低下している可能性は高いと思われます。お金がないにも関わらすタバコを吸って余計に貧乏になり、貧乏になったストレスでさらにタバコを吸ってしまうという負のスパイラルに陥ることに…。
2016年のニュージーランドでの研究では、タバコの増税によって貧困層の喫煙率がどのような変化をしたかという分析がおこなわれました。
普通に考えて、値段が高くなったのなら、貧乏だとタバコなんて買えなくなるはずです。しかし、この研究では、貧困者が値段が上がったからといって、禁煙しようという選択には至らなかったといいます。
不眠
2008年にピッツバーグ大学が行った研究では、75人の高齢者を対象に全員の経済状況を調べたうえで、ポリグラフで睡眠の質を計測してみました。その結果は、やっぱりという内容で、経済的なストレスと睡眠の質の低下は、見事なまでに関連していたのです!
さらに2009年に368人を対象にした追試でも結果は同じく、脳波計で調べた睡眠の質では、睡眠不足と経済的ストレスの関係がキレイにマッチしていたそうです(@_@;)
2018年という割と最近の研究で6905人の中国の農民を対象にした調査でも、低所得者と睡眠の質の低下との関連性がみられたことがわかりました。貧困以外のストレスも混じっていますし、横断調査なので精度は“まあまあ”ですが、結構な人数ですのでそれなりの信ぴょう性です。
ちなみにこの研究では、既婚で高水準の教育を受けていた女性は、睡眠の質低下のリスクが下がっていたようです。おそらく、結婚している&実家が高水準の教育が受けられる家庭環境という経済的安定が睡眠の質の改善に関係している可能性があります。
『欠乏感』による人間の行動や判断
貧困は、心身ともかなり狂わされるストレスです。
肥満や喫煙、不眠にもつながりますので、野放しにしておくと、僕らの人生の質を低下させてしまう案件です。
お金以外にも、「時間がない」などといった欠乏感は、人の判断能力を狂わせることがわかっています。
たとえば、ダイエット中は認知テストの成績が落ちるというデータがあるそうで、これは『カロリーの欠乏』による代償と考えているようです。ダイエット中の人は、つねに脳が食べ物のことでいっぱいになり、そのぶんだけ他のことに頭を使う余裕がなくなるというわけです。
『人間関係』の欠乏についても、似たようなことが起きます。
友人がいない被験者の脳を調べると、行動をコントロールする領域の活動が弱くなっていたそうです。友人への欠乏感によっても脳の処理能力が落ち、セルフコントロール能力が落ちてしまうということです。
これはコミュニケーション能力の問題にも関係していて、友だちがいない人ほど孤独に意識が向いてしまうため、脳の処理能力が下がり、上手く人と会話をすることができなくなるといった感じです。
相手に気に入られようと思うあまり、かえって相手の話を聞かなくなって嫌われてしまうというオチは、残念ながら良くある話ですな(;_;)
『欠乏感』を手放す方法
結論から入りますと、お金・時間・人間関係などの『欠乏感』というものは『人と比較するから満たされていないと感じる』のです。
ですので、他人と比較することなく、自分と向き合うことをしていくことが大切です。
たとえば、今回は『お金のストレス』がお話の中心だったので、お金についてアドバイスをしていきます。
お金に関して言うのであれば。
- 自分とその他の人の収入を比較しない
- 自分が最低限生きていける収入を算出する
自分がどれくらいの収入があれば最低限の生活が成り立つかがわかれば、精神を安定させることができます。
たとえ、他人の年収が2000万円だったとしても、その他人は生活で一杯一杯かもしれません。しかし、自分がたとえ年収300万円だとしても、自分が生活する上で余裕があるとわかれば、なにも年収格差で欠乏感を抱く必要がないということです。
それに、欠乏感はなにもデメリットだけではありません。
例を挙げるなら、『対象を大切にする』というものがあります。
お金がないのなら、その少ないお金を大切に使います。
たとえば、
- 出費に敏感になる
- 費用対効果を計算する
これらのことは、この記事を読んでいる人たちは、なんとなくおわかりかと思います。
失うことへの恐怖を知っているからこそできることですねぇ~~…。
お金のストレスは、健康被害が大きいですし、『欠乏感』というものは僕らの脳のパフォーマンスを低下させます。
失うことで気付くことは大いにありますが、マイナスの面もあります。
欠乏感は、基本的には僕らに悪影響があるということは確かです。
お金のストレスは、早期解決が一番です。
お金のストレスは健康に問題が起きますし、判断能力が落ちている状態は、負のスパイラルに陥りやすいのでヤバいです。まともな判断ができない状態は、いわゆる“悪い人”に搾取されやすい状態です。そういった人に目をつけられると、抜け出すのは困難です。
多少、体力や知恵、できることがあれば、休日にでも稼ぐ手段があるのが今の世の中です。
僕も多少のコンテンツはございますし、健康管理の協力ができますので、どうぞお気軽にご相談ください♪
【参考文献】
いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学 (ハヤカワ文庫NF) [ センディル・ムッライナタン ]
価格:1,056円
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感想(1件)
[American Journal of Health Promotion:Credit Card Debt, Stress and Key Health Risk Behaviors among College Students]
[Psychosocial Stress and Change in Weight Among US Adults]
[ADDICTION:Smokers with financial stress are more likely to want to quit but less likely to try or succeed: findings from the International Tobacco Control (ITC) Four Country Survey]
[A qualitative analysis of low income smokers’ responses to tobacco excise tax increases.]
[Science Direct:Financial strain is a significant correlate of sleep continuity disturbances in late-life]
[OXFORD ACADEMIC:Race and Financial Strain are Independent Correlates of Sleep in Midlife Women: The SWAN Sleep Study]
[Sleep Quality and Its Associated Factors among Low-Income Adults in a Rural Area of China: A Population-Based Study.]