研究により、友人を作ることが、健康に大きく関係してくることがわかってきました。
「人間は一人では生きていけない!」
なんて言う言葉があるのですが、「まさに!」といったところです。
コミュニケーションが苦手という人も一定数いるかと思うのですが、2,3人程度でも十分ですので作っておいた方が得だということ…。SNSで散見するような、いわゆる“リア充アピール”というものは必要ありません。自分たちの価値観などを分かち合える友人がいればいいのです。
今回は、友人にまつわる研究をご紹介します。
やたら無暗に交友関係を広げても、自分の首を絞めるだけです(中には、たくさんの人と繋がれる才能を持っている人もいますが笑)。
すこしでも、今回の記事が皆さんの友人作りの役に立てればと思っています。
≪Contents≫
友達の半分は自分のことを友達とは思っていない
2016年のマサチューセッツ工科大学の研究者による実験で、84人の学生を対象にしたものを紹介します。
これは全員に、以下のようなアンケートを行いました
- 各々が思っている友人の人数
- 友人との仲の良さを5点満点(0で知らない人、3で友人、5で親友)で採点
- 自分が友人だと思っている人が自分に何点を付けたかを予想
などといったデータを集めて解析をおこなうというもの。
主観と客観にわけて、各々の友人の人数を比較したということです。
想像すると、個人的にはちょっと怖い実験だ(@_@;)
結果ですが、研究者は以下のように語っています。
参加者の95%は、自分の友人関係を「相互的」なものだと思っていた。わたしたちの大半は、自分が誰かのことを友達だと思った場合、その相手も自分のことを友達だと思ってくれていると考えるわけだ。
しかし、実際は違った。本当に双方向的な友人関係は、全体の53%しかなかったのだ。
このことから、自分が友達だと思っている人の約半分は、自分のことを友達だと思っていなかったのです(汗)
この事実を知ると、なんだか悲しくなりますね…。
更に言うと、
わたしたちは、実際の友達の数を判断するのが本当に苦手のようだ。この認識の差は、共同作業のメリットを制限する大きな要因になり得る。
わたしたちが友人の正確な数を見積もるのがヘタなのは、「本当は相手に友達だと思われていない」という事実を知って自分のセルフイメージが壊れるのを防ぐためかもしれない。
実際は友達が少ないのに、その事実を知るのが怖くて、無意識に友達を多く見積もっているということでしょうか…。
紹介した研究はサンプル数は少ないですし、学生という多感な時期の人を対象としたものですので、参考程度にしておくことがいいですね。1つ言えることは、この論文で引用されている過去のデータは、3,160人を対象にした実験でも似たような結果が出ているということ。
人間が友達の正確な数を把握できないということだけは間違いはなさそうです。
友達は『20代では量・30代では質』
2015年、ロチェスター大学の研究で、100人の若者の幸福度を30年にわたって追跡調査をしたものがあります。
1970年代に調査を始め、20代と30代をむかえた参加者たちに、日々の社会生活や友人との親密度を記録してもらいました。
30年後に再び全員に心理テストを行い、現在の幸福度、孤独感、うつ傾向、友人関係の質などといった項目をチェックしてもらったそうです。
そこで得られた結果が以下の通りです。
- 20代に友人が多かった人は50代の幸福度が高い
- 30代で友人の数が減り、友情の質が高まった人は50代の幸福度がさらに高い
- 30代で友人が多い人は50代の幸福度が低い
つまり、この追跡調査でいえることは、20代では友人が多いほうが良く、30代では友人が減ったほうが良いということです。
このことについて、研究者は以下のように語っています。
多くの人は、人生の初期において、世界に関する新たな情報や知識をできるだけ多く手に入れたいと思う。しかし、30代になって人生の目標が変わると、わたしたちはムダな社会関係を切り捨て始める。その結果、友人のために使う時間や友人の量は、より凝縮されたものになっていき、質も高まっていく。
30代に友人が多い人は、有意義な友人関係を形成できていないということ…。
深みのある友人関係が、30代の幸福度を左右すると言えるというわけです。
「年をとってきて、なんだか友達が減ってきたな~…。」と思ってしまっても、あまり気にする必要はなさそうですね(笑)。
科学的に正しい友達の作り方
科学的なデータを元に、科学的に正しい友人を作る方法があります。
これは『あなたはなぜ「友だち」が必要なのか』という本からご紹介していきます。
本書では、以下の方法が、科学的に良いとされています。
- 友だちと多くの時間を費やす
- 友だちとイベントをこなす
- 友だちの近くに住む
重要なのは「時間」だそうで、様々なデータを分析してわかったことは、結局のところ「一緒に長い時間を過ごすことによって仲良くなれる」という、シンプルイズベストな結論です(笑)。
趣味や性格も多少は関係するでしょうが、時間や一緒に過ごすことと比べれば、微々たるものでしょう。
本書のアドバイスでは、「退屈することが嫌いな人は友達ができない」だそうです。
友だちは、時にあなたが興味のない退屈な話題を持ち出すこともある。だからといって、友人が重要でないことにはならない。つねに楽しい会話を期待してはいけないし、つねに何らかの見返りがあると考えてもいけない。これまでに、私は友人を10回も自宅のディナーパーティーに招いたが、彼らが私を誘ったことは1度もない。しかし、そんなことをいちいち考えていたら、友だちなどは出来ないままだ。
いつも楽しい話題を提供しないといけない関係は疲れますからな~~…。
それに、利害関係でのつながりは、友人ではなく仕事上の関係です。何気ない日々を過ごせる関係の方が、お互いの安らぎになります(^-^)
友人もやっぱり『量より質』です。
20代の内に交友関係を広げていって、30代に入って吟味していくことが良いと言えますね。
自分の人生を豊かにするためにも、友人の存在は大きいものです。
「この人と友人でいたい!」という人と、大切な時間を使っていきましょう!!
研究によって、友人の存在は僕らの人生の質を良好にすることがわかっています。
「人見知りするんですよねぇ~…。」
「実はコミュ障(;_;)」
という人もいますが、今は良くても将来に少なからず影響が出てきます。
無理にとは言いませんが、やっぱり友人の2,3人は欲しいものです☆
【参考文献】