昨日ですが、毛穴ケアに関する質問が届いたので、コチラでも解説していきます。
スキンケアについては過去のブログでご紹介したので、毛穴ケアについても回答していきます。
よく美顔機器などで言われている「毛穴が開きますよぉ~~♪」みたいな謳い文句があったりしますが、実際のところはどうなんでしょう?
そのあたりも一緒に解説するのが、今回のブログです。
人体の勉強をした人なら何となく理解しているのかと思いますが、そういった人は再確認というかたちでお読みください。また、美容に熱心な方には、是非とも知っておいた方が良い内容です。
お肌はデリケートですので、無茶なことをしてしまっては、折角の努力が徒労になってしまいます。
なので、まずは今回のブログを参考にして、毛穴ケアに努めていってはいかがでしょうか?
仕組みさえ分かれば、割と簡単に実行できるものです☆
毛穴ケアは蒸しタオルで十分である
題名通りの結論ですが、そのとおりで『蒸しタオルを当てる』だけでも効果があります。
毛穴ケアに関して良く耳にするのが、「毛穴が開いたり閉じたり~…」というものです。
大事なことなのでお伝えしますが、毛穴は『開いたり閉じたりしない』が答えです。人体の毛穴の構造上、開閉の機能自体がないので、たとえば美顔スチーマーを顔に当てたところで毛穴が開くことはありません。
毛穴の構造については皮膚科の教科書にも掲載されている『常識レベル』で、もし美容に携わる人がそのようなことを言っていたら要注意です。よく寒い時や怖い話を聞いたときに起きる『鳥肌が立つ』が、もしかすると毛穴が開閉しているようにも見えますが、これは「立毛筋」という筋肉の影響です。これは筋肉の話なので、毛穴の開閉には関係ありません(もしかすると、これを毛穴の開閉と表現しているかもしれません)。
美顔スチーマーのような美顔機器が毛穴ケアに有効かと言うと、その理由は簡単で『高温で顔面の皮脂を溶かしている』からです。
毛穴に皮脂が詰まり、毛穴が広がっているように見え、美顔機器で詰まった皮脂が溶けて流れ出て毛穴が小さくなったように見えるという理論です。これが『毛穴が開いたり閉じたりしているように見える正体』で、ヒトの皮脂はおよそ30℃で溶けはじめますので、この点だけでいえば美顔機器は有効だとも言えます。
とはいえ、美顔機器の美顔スチーマーについては、懸念することがあります。
それは、『肌の角質にダメージを与える』ことです。
このことについても、論文を通してお伝えしていきます。
美顔スチーマーの特徴である『肌の浸透性を高める効果』ですが、確かに、蒸気によって肌バリアの脂質構造が変化して、スキンケア商品の成分が角質の奥まで届きやすくなることがわかっています。
…が、これは反対に『敢えて肌の角質を破壊して、肌の浸透性を高めている』とも捉えられるのです。
具体的には、以下の理由で肌の浸透性が高まっています。
- 角質の脂質構造の障害が起きる
- ケラチンネットワーク構造が乱れる
- ケラチンの崩壊と気化によって角質に穴ができる
まだまだ調査しているところですが、美顔スチーマーについては、敏感肌の人や角質にダメージを受けている人には向いていないと言えます。
そのかわり、2004年に出た、14名の女性を対象にした実験では『45℃の蒸しタオルを5分間当てるだけでも肌の浸透性は上がる』という結果が出ています。
美顔スチーマーの影響を鑑みるに、蒸しタオルの方が無難で手軽に取り組めるハズです。
他の美顔機器に関しては今回のブログではなんとも言いませんが、美顔スチーマーは角質にダメージが与えてしまいます。
とはいうものの、リラックスや金銭に余裕がある、肌が丈夫ならやっていっても良いかと思います。
それ以外なら、リーズナブルで無難な蒸しタオルを5分間当てるだけでも毛穴ケアになります。特にこだわりの毛穴ケアやスキンケア方法がないのなら、それで十分かと思います。
保湿のためにも、ある程度の皮脂が必要です。
毛穴ケアを含め、過度のお顔のケアは控えめにしてくださいね!
【参考文献】
[Differential scanning calorimetry studies of sebum models.]
[The effect of heat on skin permeability]
[Warm Steaming Enhances the Topical Anesthetic Effect of Lidocaine]