かなり大仰なタイトルですが、こういった結論に至った論文がありましたので、ご紹介したいと思った次第です。
ついついガンバってしまう・無理をしてしまいがちな人にとっては救いになるであろう内容だと思いますので、是非是非お読みになっていただきたいものです。参加者が20代半ばの人を10年間追跡したものですので、そのあたりの人にはささるハズです。
無茶をして健康を害しては、折角の一度きりの人生が台無しですからね。
年齢を重ねていけば、当然ながら体重は増加しやすくなります。
そこで無理をすると、痩せるばかりかストレスで太ってしまうことだってあります。今回ご紹介する内容は、そういったことの抑止力になるものだと思います。
健康を取り扱っている身として、あまり無茶をしてほしくないものです…。
淡々と健康食を続けることがダイエットの近道
参考にしているのは2018年にでたヘルシンキ大学の研究で、「フィンランド双子研究」というデータセットから4900人の男女を扱って調査しました。
簡潔にまとめると、以下のような研究内容です。
- 対象者全員が24歳の時点で「普段の食事」や「日常の運動量」などを調査する
- 対象者が34歳になった時点で、再び同じ質問をした上で体重の変化を比較する
この年齢から10年間の追跡調査をした理由は、おおよそこの年齢から体型が崩れ、太りだすからです。
10年間の経過をたどって分かったことが、以下のとおりとなっています。
- ほとんどの対象者は体重が増加していた(平均年間体重増加は女性が0.9 kg、男性が1.0 kg)
- 体重を維持できた対象者は約25%(女性が28.6%で男性が23.0%)
- 体重が減少していた対象者は女性が7.5%で男性が3.8%
体重の減少が確認された対象者とそうでない対象者の違いですが、もっとも関係性が大きかったのは『ダイエットしなかった』ことです!
研究者の分析では、以下のことが言えるとのことです。
- 大体の人はカロリー制限による肥満予防を図るが、それによって肥満を加速させている
- 体重管理のガイドラインは「食事量を減らして運動をする」と結論付けているが、大規模な人口調査によれば、現実的にこの方法は、長期的に見ると良い方法とはいえない
その他、この研究での体重維持には以下の要因があるようです。
- 女性:運動をしている人は体重維持ができているが、2人以上出産してる・よく甘い飲料を飲む・カロリー制限・人生の満足度が低い人は体重増加につながっている
- 男性:教育レベルが高い人は体重維持ができているが、不規則な食事やカロリー制限・喫煙している人は体重増加につながっている
という具合に、研究者の見解だと、ダイエットに取り組む必要がないとのことです。
詳細を個人的に分析してみると、人生の満足度が低いやカロリー制限を見るに、ストレスを抱えるようなことをするとストレス食いをしてしまうのではないかというところです。不規則な食事や甘い飲料、タバコといった、いわゆる不摂生も体重増加につながるようです。あとは運動をしていれば体重維持ができるし、教育レベルが高いということは自制心ができたり、正しい選択ができたりするということでしょうか…。
当たり前のことを積み重ねていくことが大事なのかと!
「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています。」
イチロー氏の言葉を気易く引用するのは失礼かと思いますが、ダイエットも似たようなことが言えます。
結局は日々の積み重ねの結果が、僕らを作っているのでしょうね。
【参考文献】
[Successful weight maintainers among young adults—A ten-year prospective population study]