夜に炭水化物を摂取した方が良いというのは、以前のブログにて説明しました。
詳しいことは以前のブログをお読みになっていただけると、理解が深まりますのでよろしくお願いします。
今回は、就寝前に糖質を摂るのが良いといいますが、どれだけ睡眠の質が良くなるのかについて取り上げていきます。さらに、どれだけ翌日の身体パフォーマンスが高まるのかも合わせてお話していきます。
睡眠は基本中の基本ですので、どうぞ大事にしていってください。
実際のところ、このブログを書いているときの状況を鑑みると、やっぱり睡眠はしっかりと改善していった方が良いです。
今回は睡眠の質の改善と運動能力を比較した実験ですが、免疫力をつけていただきたく、睡眠の質が上がる方法としてブログを書かせていただきました。睡眠は最良の薬ですので、無碍にはせずに常に高めておいてほしいものです。
このブログが、少しでもお役に立てれば幸いです。
GI値が高い食事を摂ることで入眠しやすくなる
2018年に出た論文で、18〜30歳までの男性10名を対象にした実験があります。
これは、参加者全員に以下のようなことをおこなってもらいます。
- 参加者全員に、高強度のトレーニングを含むワークアウト(研究内ではSITという全力疾走と休憩を繰り返すトレーニングをしてもらっている)をする
- その後、参加者を2つのグループにわけ、片方には高GI食を摂ってもらい、残りの参加者には同じカロリーの低GI食をしてもらう
- 食事の後ですぐに寝て、睡眠の質の変化をチェックする
- 7日間の間を空けたあと、高GI食と低GI食のグループを入れ替えて1〜3までのステップを繰り返す
全18日間の実験を経て、以下のことがわかりました。
■高GI食が優位だったデータ
- 総睡眠時間が長くなった(426分 vs. 364分)
- 睡眠の効率も改善(89% vs. 81%)
- 入眠時間が早くなった(5.7分 vs. 24.6分)
- 視覚的な反応スピードが改善した(-8.9%)
■高GI食と低GI食で有意差がなかったデータ
- REM(浅い睡眠)の総時間
- ノンレム睡眠(深い睡眠)の量
- 運動のトライアルパフォーマンス
- ジャンプ力
低GI食に特にメリットがなく、基本的に夕食に関して言えば高GI食をすることで『入眠時間が400%短縮できる』ことがわかりました。
運動能力に関して言えば反応速度が上がるものの、それ以外には大きなメリットはなさそうです。とはいえ、睡眠不足ではパフォーマンスが落ちますので、睡眠の質は良好な状態を維持した方が良いのは間違いないです。
サンプル数も少ないですし、1つ1つのデータを見ても、あくまでも参考程度という感じだと思います。
血糖値が急に落ちると眠たくなるのと同じ原理かもしれませんので、糖質を夕方に摂っておいて眠気を誘うのもアリだと思います。あと、どの時間帯にとれば良いかというと、いろいろな説がありますが、1981年という結構前のデータでは45分前に摂取するとREM睡眠が増加したという報告がありますので参考にしてみてください。
糖質制限をしている人は、もしかすると睡眠の質が低下している可能性があります。
糖質は睡眠の質を上げるのに重要な栄養素ですので、最低限の量は確保してほしいものです。睡眠は免疫をはじめ、アンチエイジングなどあらゆる健康に寄与しています。真剣に考えて、心身を労わるようにしていきましょう。
後悔してからでは遅いので、早い段階から睡眠の質を高い状態で維持することが大切です。
【参考文献】
[Effects of High vs. Low Glycemic Index of Post-Exercise Meals on Sleep and Exercise Performance: A Randomized, Double-Blind, Counterbalanced Polysomnographic Study]
[Bed-time food supplements and sleep: effects of different carbohydrate levels.]
GI食とはなんですか?
コメントしていただきありがとうございます。
補足が足りず、申し訳ございませんでした。
GIとはグリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略称で、食後血糖値の上昇度を示す指標です。
ブログ内では、高GI食と低GI食と表現しましたが、高GI食は食後血糖値が上がりやすい食事(主に炭水化物など)で、低GI食は食後血糖値が上がりにくい食事(主に葉野菜など)という意味です。
GI食だけでみると、確かに分かりにくいですね。