実際のところ、牛乳って、健康にいいのかな?
良いとも悪いとも言われて、なんとも言い難いポジションにあるのが牛乳や乳製品です。
一応、健康メリット自体は確認されていまして、飲み続けることがリスクになることはない感じ。
それが、いままでの総評でしょうか。。。
そうした中、「牛乳と健康」というテーマの、2020年に出たレビューがありまして、それをご紹介します。
かなり新しいデータなので、これを参考に健康を考えていくと良いのではないのでしょうか?
アレルギーの心配がないのであれば、飲む習慣を身に付けても良いでしょうね!
どうぞ、参考に♪
≪Contents≫
牛乳の総評について
牛乳(このレビューでは乳製品も取り扱っている)が人体に与える影響は複雑でして、アレルギーや循環器といった、各テーマの結論を出してくれてます。
毎回ながら、結論を簡潔にまとめていきましたので、どうぞよろしくお願い致します。
論文が結構長いものなので、要点を抜き出しております。
死亡率
- 29件の観察研究をまとめたメタ分析では、牛乳や乳製品の摂取量が多くても、全死亡率との関係性は高脂肪と無脂肪を問わずない
- 3件の追跡期間が30年超の大規模な観察研究のメタ分析では、全乳のみ死亡率の増加と相関している(つまり低脂肪乳やチーズといったものは問題ないみたい)
アレルギー
- 乳児の最大4%が、乳タンパクにアレルギーがある
- 家族にアトピーの患者がいる乳児は、牛乳を飲むよりも加水分解のタンパク質を与えられたほうがアレルギー疾患または湿疹を発症するリスクが低い、という実験結果がある
- 乳糖アレルギーが報告された小児は、豆乳に変えたほうが症状の軽減率が高い
ガン
- 一貫して、牛乳の摂取量が増えるほど前立腺ガンのリスクが高くなる傾向にある
- 乳製品の総摂取量と子宮ガンのリスクにもそこそこの相関性がある
- 乳製品の総摂取量と卵巣ガンのリスクに相関はない
- 牛乳の摂取量が増えるほど大腸ガンのリスクが低くなる傾向にある
体重
- 牛乳や乳製品の総摂取については、多くても体重には影響を及ぼさないと思われる
- ヨーグルトに関して言えば、体重の増加を抑えられる傾向にある。しかし、健康志向の人がヨーグルトを良く摂取している傾向にあるため、そのバイアスがかかっている可能性がある
血圧
- 牛乳にはカリウムが多く含まれているため、血圧のコントロールに有効である可能性がある。しかし、いままでの研究結果にバラつきがあるため、血圧を低くするかどうかはわからない
- 推測として、ソフトドリンクや炭酸飲料といった、いわゆる不健康な飲料を牛乳に置き換えた場合は血圧に効く可能性は高い。そのため、すでに健康的な飲食をしている場合、牛乳に置き換えても(たとえば水やお茶から牛乳に変える)血圧に関しては恩恵を受けられないかもしれない
心臓病およびコレステロール
- 低脂肪または無脂肪の乳製品は、LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)を減少させるのに有効だと考えられている
- 前向きコホート研究では、全乳または低脂肪乳は、心疾患や脳卒中の発生率と死亡率を増加させる傾向が確認されていない(あくまでも…)
骨密度
- 牛乳やカルシウムの摂取量が多い国では、股関節骨折率が高い傾向がある。しかし、わずかな相関性でしかなく、ビタミンDの状態との兼ね合いがある可能性がある
- 骨と丈夫さに関しては、質の高い研究がないため、牛乳の摂取量と骨との関係がよくわかっていない(まだまだ牛乳を飲むと骨が丈夫になるのは都市伝説レベル)
- 骨密度を保つために必要なカルシウムの量は少なくても問題がない可能性があるため、カルシウムを摂取するために牛乳を飲む必要はないかもしれない
糖尿病
- データ不足であるため、牛乳と1型糖尿病(自己免疫疾患のタイプ)の発症との関係性はまだハッキリしていない。
- メタ分析では、乳製品を摂取することで、わずかながら2型糖尿病(体質や不摂生)の発症リスクが低くなる傾向があった
というわけで、個人的には『無理をしてまで摂取する必要はなく、アレルギーや乳糖不耐症でなければ好みに任せる』という感じですね~。。。
全体的に大きいリスクがあるわけではないし、かといってオススメできる効果がありませんからね(男女とも固有のガンのリスクがあるし…)。
ヨーグルトといった発酵系なら摂っても良い感じでしょうし、死亡リスクも目立って高いわけではないので趣味の領域でしょう。
僕はチーズが好きなので、ちょっとは安心しました☆
【参考文献】