前に「速筋は遅筋と比べてこれぐらい疲れやすさが違うんだぜ!!」という内容のブログを書きました!
もともと速筋は瞬発力に優れているかわりに疲れやすく、遅筋は瞬発力に欠けているかわりに疲れにくいというものは、前々からわかっていたもの。
前回は、それがどれくらいの差があるのかを解説していったわけです。
実に大きな差があるものでして、自分が取り組んでいる競技に適した筋トレをした方が良い理由の1つになることでしょうなぁ。
そもそも、『速筋と遅筋って区別してトレーニングできるものなの?』という疑問があります。
今回は、そのことについて解説していこうかと思います。
本当なら順序良くブログを投稿していった方が良いのですが、なにぶん気分やノリ、雑多なブログなので、そのことに関しては許して下さい。
それでは、よろしく!
筋繊維別のトレーニング法について
2014年に出た研究で言われているように、「筋繊維タイプによってトレーニング法を変えることが可能なのでは?」という推測がされています。
簡単に解説していきますが、
- タイプⅠ繊維(遅筋):瞬発力に欠ける分、疲労がたまりにくい
- タイプⅡab繊維(速筋):瞬発力が優れている分、疲労がたまりやすい
というように、筋繊維には種類があって、2つの筋肉を効率的に鍛えるには、次のように選択してトレーニングすると良いとされています。
- 遅筋:低負荷(研究では1RM20~30%)×複数回のトレーニング
- 速筋:高負荷(研究では1RM75%以上)×短めのトレーニング
研究では大腿四頭筋が出てきていますので、走ることを目的に例を出していきます。
もしマラソンランナーなら低負荷の筋トレをしていって、スプリンターなら高負荷の筋トレをしていった方が良い!…という結論です。
とはいえ、このころの結論はまだまだ示唆程度でして、ハッキリとしたものではなかったのですよ。
そこで、2018年に出たビクトリア大学などの研究チームのレビューがありまして、それも一緒に参考にすると良さげです。
このレビューは、過去のトレーニングにまつわる論文から、信ぴょう性の高いもの11件を選抜してまとめたものです。
選抜基準ですが、以下のような内容で選ばれております。
- 高負荷(1RM60%以上)と低負荷(1RM60%以下)のトレーニングの違いを比較している
- 速筋と遅筋の変化の差を比較している
わかったことですが、このレビューによる結論といいますと、
- いくつかの研究では、低負荷トレーニングのほうが遅筋が発達するという結果が出ている。
- 同様に、高負荷トレーニングのほうが速筋が発達するという結果も出ている。
- しかし、全体的に文献を精査していくと大半のデータは結果があいまいである。
- よって、現時点において、トレーニング法の種類によって鍛える筋繊維を選択できるという十分な証拠を示すことはできない。
「キチンと精査しました!」とは言うものの、2つの筋肉を比較したものがとても少なく、比較的マシなデータで見比べたという感じです。
負荷でいうのなら、低負荷トレーニングが1RM15%といった具合で、どうも判断が難しいところのようです。
このレビューの1年前に出た2017年のメタ分析を見てみると、高負荷 or 低負荷に関係なく全体的な筋肉は同じように鍛えられるという結論を出しています。
なので、「自分は持続力を重視するから遅筋を育てるゾ!」といったことが理論的にはわかっていないんですよね(汗)。
スポーツのパフォーマンスを気にするなら、速筋や遅筋は気になるポイントだと思います。
だけど、現段階では、まだまだハッキリとした結論が出ていません。
昔からの推察を踏襲するのなら、
- 爆発力がほしい!:高負荷(個人的には1RM70%以上)×短めのトレーニング
- 持久力がほしい!:低負荷(個人的には1RM50%前後)×複数回のトレーニング
- 見た目重視です!:自分の気分しだいで、負荷は気にしなくていいよ♪
みたいなところでしょう。。。
野球のバッティングとか、明確な目的があるのなら高負荷の方が良さげですが、それ以外(健康目的など)なら、ケガなく継続できる負荷が良いでしょうね。
【参考文献】
[The Role of Fiber Types in Muscle Hypertrophy: Implications for Loading Strategies]