個人的にですが、音楽や絵画、ダンスといった芸術ができる人をものすごく尊敬しています。
だって、ああいったものの類いは才能だと思っていて、皆無である僕にとってはそれが憧れ以上の感情があります。絵を描くことに挑戦していた時期(といっても小学生くらいのときですが…)がありましたが、才能の無さに諦めましたからね。
いまでも羨ましいです。。。
さて、今回は『アートは仕事に就くよりも結婚するよりも人生を幸福に導く!』という内容の話をしていきます。
芸術に関するものに触れると、僕ら人間は幸せになることが研究によって解明されています。
人類が文明を築いてきて、それが長い間継承されているものですから、やっぱり何かあるのでしょう。
今回のブログを参考に、アートに触れていってみてはいかがでしょうか?
アートによる人生の幸福度上昇について
2020年に出たシェフィールド大学などの調査で、複数の実験による「アートと幸福の関係性」についての研究となっております。
具体的な実験デザインですが、以下のとおりとなっています。
1つめの研究ですが、544名の参加者を集めまして、以下のようなことをチェックしていきました。
- 前日にどのようなアートに触れたかを報告してもらう
- いろいろなタイプの幸福度(感情的な幸福、人生の意味・満足度など)を測定するアンケートに答えてもらう
- 比較のため、前日にスポーツを見るないし参加するということも尋ねていく
- すべてのデータを集計し、それぞれを比較していく
調査の結果、この実験ではアートと人生の幸福度には、明確な相関があったことがわかりました。
具体的には、
- いろいろなタイプの芸術を鑑賞すると、人生の意味・満足感のレベルが上昇する傾向がある
- ライブアートやビジュアルアート(絵画や写真など)は、最高レベルの感情的な幸福と、その他の幸福指標と相関していた
- アートと幸福度の相関は、鑑賞の時間とは関係なく確認された
- スポーツ観戦は幸福度との相関が見られなかった
2つめの研究ですが、こちらは50名の参加者を集めまして、
- スマホを使い、1日2回ずつ「いまアートやスポーツを見ているか?」「現在の幸福度はどうなのか?」を報告してもらい、これを10日間続けてもらう
- すべてのデータを比較していき、幸福度との相関をチェックする
という調査をおこないました。
こちらの研究でもスポーツ観戦には幸福度の向上がみられず、アートに触れた参加者はいろいろなタイプの幸福度が上昇していたそうです。
この研究ではアートの種類が分類されていまして、
- ライブアートは幸福度が高く、視覚芸術や文芸芸術も幸福度の上昇と相関していた
- 音楽鑑賞、映画やドラマの鑑賞は幸福度との有意な相関がなかった
- 全体的な評価として、アートによる独特の「高揚感」が幸福度上昇に関与している可能性が高い
とのこと…。
3つめの研究ですが、イギリスでおこなわれた大規模な調査によって得られた約28,000名分のデータを用いて、
- 対象者全員がどのくらいアートに関するイベント(展覧会なと)に参加したか
- ダンスや写真撮影など、いわゆる参加型のアートイベントに参加したか
- スポーツイベントにどのくらい参加したか
などをチェックし、これらを幸福度の評価と比較していきます。
分析していった結果、
- アートに関するイベントへ参加する回数が多い対象者ほど、3年後の幸福度が高い傾向があった
- もともと幸福度が高い人ほど、その後でアートへの参加度が高まる傾向もあった
- 鑑賞型アートイベントの方が、参加型アートイベントよりも幸福度が高まった
アートに触れると幸福度が高まるし、幸福度が高いとアートに触れていこうという気持ちが高まるという、正の連鎖が起きているようですね!
この論文では年齢、性別、雇用、収入などの要因を考慮した分析をしてまして、『アートイベントへの出席頻度は、雇用、結婚、教育の効果と同等かそれ以上の正の相関を持ち、参加型アートの効果よりも強い』という結論を出しています。
アートが幸福度を上げる理由については謎ですが、明確に幸福度が上昇している以上、そういう能力があるということですねぇ。
人間は神秘的なものに触れると幸せを感じることがわかっていますんで、そのあたりが関係していると思いますね。なんにせよ、芸術に触れることが人生の幸福に役立ちますんで、人生に疲れたら芸術を嗜むのも十分にアリでしょうな!
人類が作り上げた芸術を、みなさんも堪能してはいかがでしょうか?
【参考文献】
[An investigation of the impact of encounters with artistic imagination on well-being.]