「外向的な人は人生の満足度が高い!」
ビッグファイブにおける外向的な人と幸福度の高さについては、昔からデータが存在しています。
とはいえ、性格を決定している大半が遺伝子と環境でして、この2つが半分ずつ影響を与えています(かなり厳密に言うともう少し要素が足されますけど…)。
なので、社交的で活動的ではない人がそのように振る舞うのは、意図的におこなう必要があります。
人生の満足度を高める為に、それを演じるのは疲れそうな気がしますが…。
実のところ、『アクティブなキャラを演じることによるコストや恩恵』について調べてくれている研究がありまして、今回はそれをご紹介します。
前回の『本当の自分』に対する注目が多かったもので、「自分の個性」や「キャラを演じてしまう」といった問題に興味を持っている人が多いことかと思います。
ということもあり、俗に言う「内向的なキャラ」が「外向的なキャラ」を演じるコミュニケーション法を使うとどうなるのかを見ていきます。
どうぞ、参考に♪
内向性の高い性格による『外向的な行動』の影響について
これは2018年に出たメルボルン大学の論文でして、147名の男女を対象に以下の2グループに分かれて検証をおこなっていきます。
- 内向的とされる行動をとる(1人の時間を大切にする、落ち着いた行動をとるなど)
- 外向的とされる行動をとる(他者と交流する、積極的に活動するなど)
1週間の実験期間を設け、1日6回ずつ「どのような気分であるか?」や「どのような行動をとったか?」といったアンケートをとっていったそうです。
その結果なのですが、『外向性の高い人は外向的な行動が増えることで、さらにポジティブな感情が増加し、内向性の高い人もポジティブな感情が芽生えた』とのこと…。
研究者も『この実験による効果のほどは、全体的にポジティブなものであった。それに、大半の被験者にとって、外向的な演出はコストはかからないものだった。』とコメントしています。
しかしながら、このコミュニケーション法は完璧というわけではなく、
- 内向性の高い人は「外向的なキャラ」を演じているとき“だけ”は幸福度が増加したものの、「後から振り返った場合」は幸福度が増えないことが多い
- その影響か、キャラを演じていたと感じてネガティブな感情が芽生えることも多い
その場は楽しいと感じたが、後々になって後悔して嫌になってしまうケースが多かったみたいです。
このあたりは、よく見かける案件でありますねぇ~~。。。
研究者は、
生まれもって内向性の高い人物が外向的な行動をとったとしても、それによって得られるメリットが普通よりも少ない。
それどころか、外向性を装うあまり、幸福に悪影響が出る可能性もある。そもそも内向性の高い人物は、外向性の高い人物と比較してポジティブな感情を持ちたいと願う欲求が少ないことも考えられる。
まあ、個人的には無理をしてまで外向的に振る舞う必要がないと思っているものです。
心から交流したいと願うならば、内向的な人も、その人なりの行動をとるものだと思います。
目に見えて「社交的ですよぉ~、活動的ですよぉ~」みたいなサインは、別にいいかなって感じです。
敢えて外向的な印象を与えたい以外なら、ほどほどで良いのかと思った次第です☆
【参考文献】
[Costs and Benefits of Acting Extraverted: A Randomized Controlled Trial]