健康情報を取り扱っている以上、このあたりは解説していかないと…。
僕はお肉を食べる時、可能ならば牧草飼育牛肉(グラスフェッドビーフ)の食べるようにしています。
できれば牛肉を食べる際は毎回食べたいところですが、牛肉自体が値段が張りますし、タンパク質はいろんなものからバランスよく摂りたいですからね。
今回は『どうして牧草飼育牛肉(グラスフェッドビーフ)が健康に良いのか?』を解説していきます!
牧草飼育牛肉(グラスフェッドビーフ)が健康に良い理由
牧草飼育牛肉(ブラスフェッドビーフ)とは、自然の環境で放牧され、牧草だけで飼育された牛肉の総称です。
いわゆる「放牧牛」でして、人工的な飼料や成長ホルモン剤、抗生物質を使わない自然で安全な飼育法なのが魅力ですね。また、肉質でいえば締まって硬めながらも、肉本来の味や香りが楽しめます。牧場によって牧草の種類や自然環境が異なるから、牧場ごとに個性あって、いろんな味が楽しめるのも特徴。
対をなすのが穀物飼育牛肉(グレインフェッドビーフ)で、和牛や国産牛のほとんどは穀物で育てられています。
日本だと土地の狭さや牧場整備の労力不足、飼育期間が長いわりに出荷量が少ないから、なかなか流通に乗りにくい難点がありますね。。。
どうして飼育方法で健康に差が生まれるかというと『肉・魚・乳製品の質は、動物たちの生育環境に大きく左右される』からで、与えられたエサの違いでお肉の栄養価に差が生まれ、それが健康にも大きな差が生まれてくる!…というわけです。
以下のことが、牧草飼育牛の良いところですので、どうぞよしなに♪
■オメガ3とオメガ6のバランスが良い
この2つは脂肪酸の一種で、体内のオメガ3とオメガ6のバランスが悪くなると体内で炎症が起こり、肥満やアレルギーといったリスクが現れることが有名であります。
各お肉の脂肪酸については、過去のブログにて!
基本的に、すべての牛肉にはオメガ6が入っていますが、放牧牛のほうがオメガ3の量が多いというデータが豊富にあります。
その割合は飼育環境によって差があるものの、おおまかに穀物牛の2~5倍と言われております。
平均的なオメガ6:オメガ3の比率は、
- 牧草牛 1.53:1
- 穀物牛 7.65:1
とされていて、「4:1」が理想で、それよりも差が出てしまうと炎症を起こしてしまいます。
そういう点で言うと、牧草飼育牛肉はその心配があまりないのが嬉しい!
■HDL(善玉)コレステロールを上げやすい
放牧牛肉にふくまれる飽和脂肪には、以下の3つがあります。
- ステアリン酸
- パルミチン酸
- ミリスチン酸
このなかでも、放牧牛肉にはステアリン酸が多く含まれていまして、HDLコレステロールを上げ、LDLコレステロールを下げる働きがあると言われております。
■共役リノール酸が豊富
共役リノール酸は、乳製品などにふくまれる不飽和脂肪酸の一種で、
- 体脂肪を減らす
- 抗酸化作用
- 糖尿病に効果がある
と言われています。
穀物牛にくらべると、放牧牛にふくまれる共役リノール酸の量はおよそ2~3倍です。
おそらくですが、牧草によって牛のph値に変化が起きて、共役リノール酸を生む細菌が増殖するのでは?…という感じ。
もう1つ、牛肉の共役リノール酸はサプリと違って悪影響がでないのが利点です。
■抗酸化成分が豊富
放牧牛は抗酸化作用のあるビタミンや抗酸化成分も豊富に含まれています。
- ベータカロチン
- ビタミンA
- ビタミンE
- グルタチオン
- スーパーオキシドディスムターゼ
オメガ3は酸化しやすいものの、これらの抗酸化作用のある成分があるもので、参加せずに摂取できるのがステキです!
そんな感じで、牛肉(後は牛乳も)を食べるときは、できるだけ牧草飼育牛でいただきたいものです。
飼育方法からして、日本では高価な印象ですが、案外、ニュージーランド産やアイルランド産のお手頃価格のものが売られていたりします。
あとは、ネット販売で検索していくと見つかるかもしれませんね!
美容にも筋トレにも、お肉は大切。
お肉を食べることによる心疾患リスクもそれほど気にしなくても良いので、摂っておきたいものですな☆
【参考文献】
[A review of fatty acid profiles and antioxidant content in grass-fed and grain-fed beef]