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アイスランド政府が実施してわかった「仕事は週4日の方が捗るし幸福になれる!」という話

実のところ、「労働時間がドンドン長くなっている!」ということが世界中で問題になっています。

労働時間が長いことで超有名な日本は、総労働時間が下がってきているものの、有給消化率が劣悪なのがもっと問題です。あとは日本の場合、仕事の効率化を図ったり、消費者の価格以上のサービス過剰要求をなくしたりすれば、なんとなく万事解決しそうな雰囲気がありますけどね(笑)

労働時間短縮の政策がなされていますが、アイスランド政府が実施した試験では「仕事は週4日の方がはかどるし幸せになれるかもしれない」という案が出されています。
これを見てくれている企業の上層部が、尋常じゃないくらい柔軟性があることを願いたいものです。あとは、個人事業主等が参考になるのではないのでしょうか?

 

 

週4日労働による効率化と幸福度の向上

 

これは2021年に出た研究で、簡単にまとめると「単純に出勤時間を短かくすることで労働者の幸福度とワークライフバランスが上がる、全体の生産性はまったく変わらなく、むしろ生産性が向上する場合がある」という結論です。

この実験はアイスランドの6つの職場で始まり、その後、100の職場まで拡大して最終的には2,500名以上の労働者のデータが得られたそうです。
具体的には、

 

  1. 2014年にレイキャビク市議会が週休3日制の試験運用を開始し、2017年にはアイスランド政府も同様の取り組みを開始する
  2. いずれの場合も完全週休3日制ではないものの、全体の労働時間を短くして可能な限り週休3日に近づけるようにした

 

当初は出勤日数を週4日にするわけにはいかなかったものの、金曜日を中心に、その他の曜日の労働時間を短縮するようにしていったそうです。

そして、全曜日の始業時間を遅くして終業時間を早くし、労働時間と生産性をグラフ化していったそうです。この政策を4年間継続して、どのような変化が出たのかを調査していったというわけですね!

 

この調査の結果なのですが、

 

  1. 被験者全員が仕事の方法を見直すようになり、時間をより効率的に消費する人が増加した
  2. サービス業の品質は変わらず、むしろ向上したと報告されるケースが増加した(例えば警察などは、以前より事件の解決率が上がったなど)
  3. 職場や学校でも全体の幸福度が向上し、ストレスの症状が減少した
  4. 被験者は、主観的な仕事の効率性の向上を実感したと報告した
  5. 家庭でのストレスが減少し、子供と過ごす時間が増えたと報告する人も増加

 

この報告書では、この実験で得られた成果の理由を「心理的距離の恩恵だろう」と推測しております。

つまり「プライベートの時間で、自分は仕事から切り離されている」と実感があるかどうかを表現する言葉で、この心理的距離が長いほど脳が回復します。そして、翌日からより質の高い時間を過ごせるようになるわけです。

心理的距離に関する報告ですが、2008年のデータでも似たような結果が得られています。
ドイツの労働者にアンケート調査をおこない、

 

  • 「仕事にどれだけ従事していると感じていますか?」
  • 「勤務時間外にどれだけ仕事から切り離されていると感じていますか?」

 

などといった質問を尋ねていったところ、勤務時間は仕事に集中し、休日は仕事とキッチリ切り離されていた人ほど、翌週からポジティブな効果があったそうです。
要は仕事とプライベートの明確な線引きが大事で、これは過去のブログでも書いたとおりで、当たり前ながらも重要なことなんでしょうなぁ~~。。。

 

 

 

 

多少の勇気が必要でしょうが、企業(あとは学校も)は強引にでも労働時間を減らすことが大切でしょう。
そうすることで、労働者側の心理的距離を切り離し、生産性や健康を与えることができるかもしれません。

労働者側からすると完全に受け身になってしまうので、対策としては

 

  • キチンと計画的に有給をとる
  • 仕事とプライベートを完全に切り離す

 

くらいしかないかと思います…。
なんにせよ、現代人(特に日本人)は無駄に働きまくっているのがイタすぎるなぁ(汗)
僕も気をつけないと……。

 

 

【参考文献】
[Going Public: Iceland’s journey to a shorter working week]
[Being engaged at work and detached at home: A week-level study on work engagement, psychological detachment, and affect]

 

 

 

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