僕は学生時代、数学が苦手な人間でした(汗)
実際に成績がよろしくなく、面白いと思った記憶がまったくなかったものです。
おそらくですが、僕以外にも数学や数字が苦手な人っていうのは一定数いるでしょう。
今回は「数字が苦手な人が克服するにあたり、彼らの脳にはどのような特徴があるのか」について解説していきます。
どうぞ、参考にしていってください!
数学的パフォーマンスの発達の差について
これは2021年に出たOxford大学などがおこなった調査でして、この研究の問題意識としては「子どもたちは小学校1年生から正式な数学教育を受けており、数学教育は高等教育の一環として30歳まで継続することができる。しかし、数学的テストのパフォーマンスである数学的達成(MA)は、数学的スキルの習得に基づいており、かなりのばらつきがあることが特徴である。」としています。
数学は多くの人が苦手意識を持っている重要な能力であり、ある程度習得するには何年もかかり、人生全体に影響を与えます。数学的スキルは、教育の進み方や雇用、給与、心身の健康、経済的な困難など、社会全体の幸福の中心となる要素と関連しているのは研究によって解明されています。
なので、数学的スキルを左右する要素を調査することは重大なことだ!…と研究チームは重く受け止め、行動に至ったわけですね。
この研究では、以下の2つの神経伝達物質に着目しています。
- GABA
- グルタミン酸
GABAは神経細胞を抑制し、グルタミン酸は神経細胞を促進するという相互補完的な役割をしています。
これらは、以前から学習スキルと関係性があるとされており、これらの濃度が学習スキルに関係している可能性が割とあります。
だったら、数学以外も該当するのでは?って思いますけど…。
それはさておき、実験デザイン簡単に説明しますと、
- 6歳から大学生までの参加者255名のGABAとグルタミン酸の濃度を測定する
- 参加者全員に数学の学力テストを受けてもらい、その時の脳活動を測定する
- 1.5年後に同じ参加者に同じ作業をくり返す
ということをしてもらいます。
これにより、GABAとグルタミン酸の濃度が数学的スキルを関係してるかを判断していこうというわけです。
その結果、
- 若年層の参加者の場合、脳の左頭頂内溝(IPS)と呼ばれる部分のGABA濃度が高い人ほど、数学テストの成績も高い傾向があった
- 同様に若年層の参加者の場合、IPSのグルタミン酸濃度が低い人ほど、数学テストの成績も低い傾向があった
- ただし、大学生の場合、IPSのグルタミン酸濃度が高いほど数学の能力が高く、IPS内のGABA濃度が低いほど数学スキルが低い
ということになりました。
子供と大人で、まったく真逆の結果が出た理由は不明です。ですが、ひとまずは神経伝達物質と数学的スキルには関係性があるのは言えそうです。子供と大人の差については、年齢を重ねるにつれて脳の使い方に変化がおきるからかもしれませんが、やはり不明です。。。
以上のことから、数字が苦手な人は「GABAとグルタミン酸濃度の問題なのでは?」というところ。
神経伝達物質の働きについては天性の要素も大きいので、なんとも切ないものがあります(汗)
グルタミン酸はアミノ酸の一種でして、GABAはグルタミン酸から作られます。
なので、できることといえば、アミノ酸を十分に摂取して、数学的スキルを衰えないようにするのが良いのかと思いますねぇ~~~。
具体的に言えば、
- 魚介類
- 海藻類
- トマト
- ミソ
- チーズ
etc.
あたりを食べると良いのかと…。
とはいえ、あくまでもこの研究は縦断研究なので、はっきりとした結論とは言えません。
いずれにせよ、脳内のGABAとグルタミン酸濃度が重要なのは間違いないでしょうね☆
【参考文献】
[Predicting learning and achievement using GABA and glutamate concentrations in human development]