過去にも、スポーツなどの上達法を書いている当ブログ。
たとえば、
といったことも書いているので、よろしければどうぞ!
今回は「スポーツやゲームを倍速で上達させる方法」について解説していきますので、どうぞよろしく♪
運動スキルを2倍発達させる「再固定化」について
これは2016年に出たジョンズホプキンス大学などがおこなった研究でして、86名の男女に以下の実験に取り組んでもらいました。
- PCモニタ上のカーソルを動かすゲームをプレイしてもらう
- 参加者の半分は、全く同じ方法で何度もゲームをプレイしてもらう
- 残りの半分には、毎回少し方法を変えてゲームをプレイしてもらう
ひとつのグループは同じ方法を何度もくり返してもらうのですが、残りのグループは「力の加え方を変える」や「操作する指を変える」といったように、プレイ1つ1つにわずかな変化をくわえていくというもの…。
その後、ゲームの上達レベルをチェックしたところ、少しずつ変化をくわえたグループは、2倍ほどゲームの正確性とスピードが向上していたことがわかったそうな!
研究者によると、
運動スキルの発達にあたって、「再固定化」がもたらす影響はほとんど認知されていない。
この実験では、とても単純な操作をトレーニング中に行うことで、より効率的に大きな運動スキルの向上が得られることがわかった。これは「再固定化」のおかげである。
「再固定化」は記憶力の研究などでよく用いられる単語で、一度脳に保存された記憶が、思い出す作業を経由することでさらに脳内に固定される現象を意味しております。記憶するためには反復が大事とされる所以は、この再固定化が必要だからなんです。どうして「ちょっとした変化」が再固定化において大事とされているかというと、覚えた手順にわずかな変化を加えることで変化させた部分に意識が向かい、より一層記憶に定着しやすくなるからです!
反復練習はどうしても惰性になってしまうので、そこに少しの変化をくわえることで、意識がしっかりとしやすくなります。
この結果を現実のトレーニング活かすことで、僕らはより少ない時間でスポーツやゲーム、楽器などのスキル向上が見込めるかもしれません。たとえば、スポーツの練習をする際、普段使っている道具を変えたり、いつものルールにアレンジを加えたり、意図的にルーティーンと違うことをしてトレーニングしたりといったことをしていくと良いでしょうね。
この実験は運動スキルに焦点を当てていますが、再固定化の観点なら、学業にも応用が利きそうです。
ただし、再固定化には注意点がありまして、
変化のレベルはあくまで「少しだけ」に留めた方が良い。
あまりにも変化が大きすぎると、再固定化の恩恵が得られなくなってしまう。よって、本当にわずかな変更だけで十分なのである。また、反復のスパンは長めに確保するほうが効果的だ。
今回の実験では、最初の練習から30分後に反復練習をおこなったグループには、有意な運動スキル向上が確認されなかった。
ということを、研究チームは助言してくれています。
個人的な見解として、あまりにも変化が大きすぎると、単なる覚えなおしは感じがしますからね。「ちょっと変わったかな~~。」くらいなレベルで十分でしょう。
僕の場合、単純に反復作業が大嫌いなんで、いつも同じようなことをしたくないだけなんですが(笑)
【参考文献】
[Motor Skills Are Strengthened through Reconsolidation]