メニュー 閉じる

「肉を食べないとメンタルが病む」を徹底的に掘り下げた話

実のところ、「肉を摂らないとメンタルが悪化するのではないか?」という話が昔からあります。
この説は、いくつかの観察研究で報告されてきまして、個人的な経験則でも、正直に言ってベジタリアンやヴィーガンには神経質が多いという実感があります。

植物性食品に偏ると、どうしても

 

  • 植物性エストロゲンの過剰摂取になる
  • オメガ3脂肪酸が摂取しにくい
  • 肉にふくまれるビタミンB12が摂取できない
  • ミネラル(カルシウム、鉄分、亜鉛)が摂取しにくい

 

といった感じで栄養も偏りますし、メンタルに悪影響がでるような印象があります。一方で「ベジタリアンでもメンタルに問題がない」という報告自体もあり、まだまだ「肉を食べないことがメンタルが病む」と断言しきれないところです。

なので、今回は『「肉を食べないとメンタルが病む」を徹底的に掘り下げた話し』をしていこうと思います。
どうぞ参考に♪

 

 

肉の消費とメンタルヘルスの関連性

 

これは「肉の消費による心理的健康および幸福との関係」を調査したメタ分析で、先行研究から18件をピックアップし、肉を食べる人149,559名と、そうでない人8584名を対象にしております。対象となっている国はヨーロッパ、アジア、北アメリカ、オセアニアで、参加者の年齢は11~96歳となっております。

データの質は全体的にまずまずであり、質が高いと判断されたものが3件、中程度が6件だったようです。
とはいえ、従来の研究よりもデータの質は高いので、信ぴょう性は良好かと思います。

 

分析していった結果なのですが、

 

  • 肉消費者よりも、肉棄権者の方がうつ病のレベルが高った(g = 0.216)
  • 肉消費者は肉棄権者と比較して、うつ病( g = 0.216)および不安感(g = 0.17)に悩む確率が低下する傾向があった
  • 肉棄権者と比較して、肉消費者は、ゆううつ感(g = 0.26)と不安感(g = 0.158)の双方が低かった
  • 上述の傾向は、性別には関係がなかった
  • 肉を消費するとメンタルが改善する傾向は、データの質が高いほど大きくなり、一貫性があることが示された

 

数値から判断するに、確かに全体的に有意ではあるものの、その差はわずかであり「肉を食べることでメンタルが改善する!」というレベルではないようです。

これまでの研究で結果にムラがあった問題については、「研究の厳密さと質が、一貫性のない見解を作った最大の原因である可能性がある」と研究者はコメントしています。
ベジタリアンとメンタルの関係性を調査した研究には、参加者の自己報告によるメンタルチェックのデータが多数で、医師が診断したデータが意外と少ないそう。また、食事内容も自己申告で、本当に肉を食べていないのかがよくわからないのです。

まあ、日本だとヴィーガンを装ったツイッターアカウントもありますからね…。

 

 

 

 

「肉を食べなくても問題ありませんよぉ~~」と主張しているデータは質が悪く、質が高いほど「肉はしっかり摂った方が良き!」という方向になっている傾向にあります。
なので、データの信ぴょう性を鑑みるなら、肉や魚の摂取は大事と言えます。

僕はタンパク質など食品全体からバランスよく栄養を摂りたい人間なので、引き続き肉や魚は食べていく方針です。今回のデータを参考に、ベジタリアンは肉や魚の比率を考慮すると良いのかな?って思います。

自身の心理的健康を大切に思ってほしいので、今回の話は頭に入れておいてくださいね☆

 

 

【参考文献】
[Meat and mental health: a systematic review of meat abstention and depression, anxiety, and related phenomena]

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です