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「知っているのに知らないフリをする人」の目的について解説します

職場などにいる「○○の場所って、知ってる?」って聞いて、明らかに知っているのに「いやぁ~…、知らないなぁ」っていう人…。

今回は、そんな「知っているのに知らないフリをする人」の目的について解説していこうかと思います。個人的に、フリーランスの身である僕なら、不信感から関係を断つか表面上の付き合いのみに留めますかね(笑)

どうぞ、参考にしていってください♪

 

 

意図した知識の隠ぺいの目的

 

これは2021年に出た調査でして、研究チームは「知っているのに知らないフリをする」現象を「知識の隠ぺい」と称しています。

研究チームは「職場において、多くの労働者は、日常の仕事内でよく自身の知識を隠ぺいしている。」とし、知識の隠ぺいは組織内では一般的に観察される現象なんだそうです。余談ですが、このような行動は専門的には「非生産的職務行動」と言われていて、

 

  • 意図的に欠勤して会社に迷惑をかける
  • 組織内のいじめ
  • 勤務中に、仕事とは関係のないネットサーフィンをし続ける
  • 本当は手際よく仕事ができるが意図的に遅く仕事をする

 

といったものが代表的なもの。
知識の隠ぺいも、非生産的職務行動の1つとなっています。

 

調査内容ですが、労働者101名(女性65%、平均年齢39歳)を対象に、10日の勤務のあいだに始業時と終業時に2つのアンケートに回答してもらうようお願いをしました。始業時のネガティブな感情のレベルを評価してもらい、終業時には、その人の仕事量、同僚との関係性の緊張感、「知識の隠ぺい」をどれぐらいしたか、などを報告してもらっていきました。

結果ですが、アンケートを集計すると、以下のような明確な傾向が現れたそうです。

 

  1. 人間関係の緊張感が高い人ほど知識の隠ぺいが増加する
  2. 同僚に対する「知識の隠ぺい」をした後は、全員が疲労感やネガティブな感情が改善していた

 

仕事でストレスを感じている人ほど同僚に「知識の隠ぺい」をする可能性が高く、それによって仕事の疲労感とネガティブ感情を解消しているわけです。つまり、「知識の隠ぺい」は対人関係のストレス解消法の1つとしておこなっているのです!

研究チームも「知識を持っていない演技をすることは、相手に迷惑をかけるための迅速で完璧な方法であり、その対処機能を即座に発揮し心理的緊張を緩和してくれる」とコメントしていて、相手が知りたい知識を隠せば確実に相手は困ります。その困った顔を見ることがストレス解消になり、それが手軽にできるものだから好んで使われる手法なわけです。

過去のデータで「相手に悪態をつくのは、自分の心身を癒すためなんだ!」なんてものがありまして、それに近いかもしれません。

 

 

 

 

「知識の隠ぺい」は手軽にできるストレス解消法として、個人“だけ”をみると有効な手法ではありますが、個人以外は好ましくありません。

仕事中、仕事に関する情報をひた隠しするのは、組織にとってマイナスでしかありません。
それに、研究チームは

「知識の隠ぺい」を用いることで、一時しのぎとして気分が改善するかもしれない。だが、この方法は長期的には効果がない。結局のところ、自身が人間関係のどの部分についてストレスを抱いているのかを考察し、その問題に対処することが望ましいだろう。

 

 

ストレスを抱えているから知識の隠ぺいをするなら、そのストレスの原因をどうにかしないと、ひたすら知識の隠ぺいをし続けることになりますからね…。

そんなことをしていたら、組織の人間から単純に嫌われますし、意図的に妨害しているので、十分に解雇できる理由にもなります。ストレスがあるなら、その大元を改善して、知識の隠ぺいをしないですむようにしていきましょう。

対症療法よりも根治療法は基本です☆

 

 

【参考文献】
[Be smart, play dumb? A transactional perspective on day-specific knowledge hiding, interpersonal conflict, and psychological strain]

 

 

 

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