年齢を重ねるごとに筋肉が落ちやすくなるので、高齢になればなるほど筋トレが大切になります。
また、骨も脆くなりますし、筋肉や腱が傷つきやすくなるので、トレーニングの強度には気をつけたいもの。
なので、今回は「高齢者に最適な筋トレは、一体どんなものなのか?」を解説していきます。どういったプログラムがいいのか、または年齢が上がっていったらトレーニングの方法を変えるべきなのかなどが気になるものです。
どうぞ、参考にしてください。
高齢者向け筋力や骨密度増強のためのトレーニング
これは2022年に出たメタ分析でして、1,130名の高齢者(65~77歳)を対象にした14のヒト研究をまとめたものでとなっております。内容としては、運動をしない人たちと比較して、どういった筋力トレーニングをすると下半身の筋力や太ももや腰骨の骨密度が増加するかを詳しく調査していったわけです。
具体的に言いますと、
- 頻度:週2~3回のトレーニング
- 強度:1RMの60~80%の負荷で8~12回の反復
- 期間:24~84週間の期間
といった条件の差で、筋肉と骨密度への影響はどのように変化するかをチェックしていきます。
分析の結果ですが、
- 高齢になってから筋トレを続けることで、平均40週間で筋力+25%、大ももと尻の骨密度+3%ほど増加する。ただし、腰椎の骨密度に関しては変化がなかった
- 根拠の精度については、筋力は高レベル、大ももと尻の骨密度は中レベル、腰椎の骨密度は非常に低レベル。
- 以上の効果の程度は、年齢による影響を受けなかった。しかし、BMIが正常である参加者については、体重過多の参加者よりも筋力において大きな改善を示した。ただし、BMDにおいては改善がなかった。
以上の結果をもとに、研究チームが推奨するトレーニング理論は、以下のようなものとなりました。
■高齢者向け最適なトレーニング理論
- 筋力を最適に増強するためには、特別なトレーニングをする必要はなく、従来どおりの一般的なトレーニングをすることが一番である。
- 骨密度を最適に増強するためには、筋トレに加えて、ダンスや高負荷のエアロビクス、昇降運動のように、体重を支える骨への刺激が大きい運動を加える。
- 期間については、具体的な成果につなげるためには、最低でも24週間はトレーニングを継続させる。
- 頻度については、トレーニングは週3回がベスト。
- 強度については、 1エクササイズにつき8~12回の1~2セット、1RMの75-80%の負荷でするのがベスト。
というわけで、年齢によってトレーニングに差がないことがわかりました。
各人の力量に合わせてトレーニングプログラムを作るのが良いって感じでしょうね。
違いがあるとするなら、高齢者には骨に衝撃がある運動がメインになるようにするのが吉。もちろん、これも身体能力に合わせてプログラムを作るのをお忘れなく☆