ちょっとしたことでも、すぐに謝ってしまう人っていますよね?
個人的な感想では、日本人に多くみられる傾向って感じで、気にすることでもないことでも「申し訳ないです(汗)」っていってしまう現象です。このことで問題になるのは、「よく謝罪することは、良いことか良くないことなのか?」というところです。当然ですが、相手に悪いことをしてしまったら謝罪をすることは重要なことです。他方、すぐに謝る、頻繁に謝罪することによって、相手に悪印象を与えてしまうという懸念があるでしょう(無能だと思われる、「本当に悪いと思っているの?」と思われる、いわゆる「ナメられる」など)。
今回は、その実際を確かめていくブログとなっております。
頻繁な謝罪による社会的評価
これは2021年に出た調査でして、384名の参加者を対象に、とある人物の1週間を描いた短編小説を読んでもらいました。
その際、参加者を半分にわかれてもらい、それぞれ別の小説を読んでもらいます。
- とにかく登場人物が頻繁に謝罪をしているパターンの小説
- 登場人物が稀に謝罪をするパターンの小説
その後、小説の人物にどのような印象を持ったかを尋ねていったそうです。
架空の人物を対象にした実験ではあるものの、この実験で「謝罪をする人」へのイメージを、ある程度まで把握しよういうことですね!
その結果、
- 頻繁に謝罪をする人物は、あまり謝罪をしない人物と比較して、誠実さや温かさの印象が強く認識された。
- ただし、頻繁に謝罪をする人物は、自己主張や自信などの能力が低いと認識された
総括すると、「よく謝る人」というのは、さほどデメリットがない印象です。
大きいメリットは「誠実な人・優しい人」という印象を与え、気になるポイントは「控えめな人」という印象を与えてしまうことでしょう。ものすごく広く捉えると、世間でいう「仕事ができなさそう・ナメられる」というのは、あながち間違っているといは言いきれないでしょう…。
とはいえ、個人的に重要なことだと認識していることがありまして、それは「頻繁に謝罪をする人物でも、謝罪の質が高ければ、自信がないとも無能とも認識されない。」というデータもみつかったことです。すなわち、「よく謝っている」といっても、正しい局面で心からの謝罪である限りは、「よく謝る」ことによるデメリットは発動しなくなるわけです!
研究チームは、
頻繁に謝罪をしてしまう人は、自身が提供している謝罪の質に特別な注意を払うよう心がけてほしい。
余談ですが、この研究では300名を対象に「頻繁に謝罪をする恋愛相手への印象」も調査してくれています。
こちらでも、おおむね同様の結果が得られてまして、よく謝る人はより温かく道徳的な人物であると認識されるものの、自己主張が弱い人だと認識されるとのことでした。恋愛においても、謝るときはおざなりにせず、キチンと謝るのですな☆
【参考文献】
[The Social Consequences of Frequent Versus Infrequent Apologizing]