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○○依存症なら、運動をすることで克服できるかもしれないゾ!

「ついついスマホばかり見てしまう…」

など、人の弱さなのか、なにかに依存してしまうことがあります。
スマホにせよなんにせよ、なにかに依存してしまうと、健康を破綻させてしまうので注意が必要です。そこで、2つの研究から、「○○依存症なら、運動することで克服できるかも!?」な話をしていきます。

どうぞ、参考にしていってくださいませ♪

 

 

運動によるスマホとアルコール依存症への介入

 

依存症に対する治療は昔から研究されていますが、近年では運動によるアプローチが有効打の1つとして考えられています。

たとえば、2022年に出た中国のRCTで、中国の南方職業大学に通う18~22歳の学生60名(男女とも30名ずつ)を対象に試験がおこなわれました。試験内容ですが、参加者全員のスマホ依存レベルをチェックし、そのうえで半数をグループ分けして以下のような一連の運動をしてもらいました。

 

  1. 5分間のウォームアップ
  2. トレッドミルで中強度のランニングを30分間
  3. 5分間のクールダウン

 

ランニングの負荷については、「207-0.7×年齢」の計算式で推定した最大心拍数の45~68%を目指したそうです。

 

その後、スマホ依存レベルをチェックしたところ、運動グループのスマホ依存レベルが3.77±1.36だったのに対して、対照グループは6.12±1.39だったとのこと。

もちろんですが、この差は、効果量としては明確なものとなっております。
この研究は運動直後の効果しか確認していないので、持続力は不明です。普段からラン二ングを続けた場合はわかりませんが、今回の研究のみで考えれば、割とすんなりスマホ依存症は解決できるかもしれません。

 

また、なぜこのような大きな効果が得られたかというと、「運動が脳の報酬系に変化を与えて依存症を解消させている!」という報告をしている研究があります。

これは2023年に出た、セントルイス大学のレビュー論文で、こちらでは、運動が依存症にあたえる影響を調査した過去の実験から、男女3,135名を対象とした43件の研究をピックアップしたものとなっております。このレビューで至った結論は、「運動は明確に依存症の対策になり、通常の治療プログラムに運動を組み合わせると、さらに効果が増大する」としました。

運動は、コカインやメタンフェタミン、アルコールといった依存性が強い物質に対し、高い耐性を与えるとしています。運動の内容も、

 

  • 週に3回程度の簡単なジョギング
  • 週に2〜3回の筋トレ
  • ウォーキング
  • ヨガ
  • サイクリング

 

など、特にジャンルは問わず、あらゆる種類の運動で効果が確認されたそうです。

…で、この効果をもたらす理由が、「運動が報酬系に変化を与えるから」というものが大きいようです。依存というものは、ドーパミンの働きによるものが大きいもので、アルコールや薬物はもちろんのこと、スマホも僕らの脳の報酬系に働きかけ、執拗に欲望を掻き立てられます。これが長く続いてしまうと“依存状態”になってしまうのですが、ここで運動を取り入れることでドーパミンの処理に変化が起きて、「スマホやアルコールよりも運動をしていた方が気分が良いぞ!」な状態になるというわけです。

運動をする習慣がない人からすると、「運動なんて辛いだけでしょw」な感じでしょう。ですが、実際にやっていくと気持ちが良いものですし、単純に健康に良いです。現段階では、脳のドーパミンシステムに変化を与える際的な運動の種類と量は判明していませんが、紹介した研究を基に考察するなら「なんでもいいから、とりあえず30分の運動だ!」っていうことで☆

 

 

【参考文献】
[The Influence of Acute Aerobic Exercise on Craving Degree for University Students with Mobile Phone Dependency: A Randomized Controlled Trial]
[Characteristics and impact of physical activity interventions during substance use disorder treatment excluding tobacco: A systematic review]
[The Brain’s Reward System in Health and Disease]

 

 

 

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