実生活やSNS上で、きらびやかに彩った装いや、いわゆる“リア充アピール”なるものをしている方々が見受けられます。
実のところ、ブランド品や高価であることが一目で分かるものを露骨に主張しているのは不安の表れであることがわかっていますし、自身の充実感や幸福感は他人にバレていることもわかっております。自分のリアルが充実していることを表現しようとしても、発しているオーラがチグハグしていているのは切ないところ。
インフルエンサーさんも、実は気持ちが辛くなっているかもしれません…。
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ブランド品で身を固めるのは“不安の表れ”
「不安感が強い人は社会的地位のあるものを好む」ことは、以前から示唆されているもので、2022年の実験でも、それが証明されています。
文献のテーマは「愛着スタイル」でして、これは人間が持つコミュニケーションのスタイルを3種類に分類したものとなっております。そのうち、不安型愛着スタイルは、
- 1人で行動することが怖い
- 相手に依存する
- 自分に自信がない
etc.
といった特徴を持ちます。
そういった経緯から、簡単に社会的地位を獲得できることに目がいってしまうのではないか!…という推察があります。この文献は2つの大きな研究で構成されており、合計2,000名を超える参加者を対象におこなわれております。研究は、主に参加者全員の愛着スタイルと物質主義レベルなどを調査したもので、次のような結果が得られたとのことです。
- 不安型愛着スタイルが強い人は、安定型や回避型と比較して、物質主義レベルが有意に高く、社会的地位を示す商品を購入する傾向が強かった。
- この行動は、彼らの物質主義的価値観によって媒介され、すなわち、人間関係における不安に対処するために社会的地位を示す商品などを購入している。
自己報告データをベースにしているため、バイアスがあることに注意が必要です。
しかし、以前から報告されているデータと同様の結果が得られたため、根拠が強化されたと言えるでしょう。
自身の幸福感は他者に把握されている
そして、不安を覆い隠して幸福をアピールしても、その奥底に秘めている強い不安感は周囲にバレていることもわかっています。
2023年の研究では、まず200名の大学生を対象に、幸福に関する自己認識(生活の満足度や肯定的な感情、否定的な感情)をしてもらい、その様子を動画で撮影します。また、それと同時に、参加者全員の人生の満足度などもチェックしていきます。その自己紹介動画を見知らぬ人たちに見てもらい、対象者の幸福度を評価してもらったというのが、大まかな内容です。
見知らぬ人の自己紹介を見た人の評価ですが、以下のような感じになったそうです。
- 自己紹介した人たちの人生満足度やポジティブな感情は、見知らぬ人による評価と有意に相関していた。
- 他者を判断する際、声の大きさと身体的な魅力を判断材料にしていた。
つまりは、僕らは、わずかなコミュニケーションでも、他者の幸福度を正確に計測することができるということ。また、楽しそうに話している人、幸せそうな表情を浮かべながら話している人ほど幸福だと判断されやすく、実際に幸福であることが多いそうです。
これは海外の研究結果なので、日本人にも該当するかどうかは不明です。しかし、もし必死にリア充アピールをしていても、もしかすると無理をしていることがバレていることも十分にあり得ます。当然ですが、等身大の幸せを追求した方が、QOLのためにも良いかと思いますね☆
【参考文献】
[Anxious and status signaling: Examining the link between attachment style and status consumption and the mediating role of materialistic values]
[Do We Know How Happy Strangers Are? Accuracy in Well-Being Judgments at Zero Acquaintance]