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無理をしてまで、相手の期待以上に応える必要はないのでは?

何かしらの想いで、相手の期待以上のことをしたいという気持ちは、誰しもが抱いていることでしょう…。

しかしながら、相手は期待以上のことをしてくれても、さして大きく喜ぶことがないという事実があるのです。確かに、相手の要望を応えることが信頼関係を築く大切なポイントではあるものの、過剰になっても、相手の心は大きく動かないものなのです。

今回は、そんな期待以上のことをしてもらった相手の心情について解説していきます。

 

 

約束を超過した際の人間の心情

 

これは2014年に出たニコラス・エプリー氏の調査で、内容を簡潔にまとめると、

 

  1. 参加者に難しいパズルを解くように指示し、その際、困った時に別の人が手助けをすることを約束をする。
  2. 「約束を守る」のほか、「約束した手助けを破る」と「約束した手助けを過剰に守る」の2パターンの状況を設定して、参加者全員がどのような反応を示すかをチェックする。

 

といった感じになります。
つまり、約束を破るか、それともウザいくらい超過して守るかのパターンで、相手の反応の違いを比較していったというわけですね。ちなみに、ここでの「約束を過剰に守る」の定義は、「宅配便が指定した時間よりも早く配達してくれた」や「原稿を指定した締切日よりも早くに入稿してくれた」といったものを指します。

 

結果ですが、どうやら約束以上の手助けをしたからといって、感謝などといった肯定的な評価がほとんど増加しなかったとのこと。残念ながら、過剰にガンバって約束以上のことをしても、実際には約束以上の利益はほとんど得られないそうです。

その理由についてですが、僕らは約束を守ることそのものに大きな価値を置き、それ以上は望まないからかもしれません。
そもそも、「約束を守ること自体が、客観的な価値以上に高く評価される」からだそうな。“約束を守る”という行為が、誰かのために良いことをしたというだけでなく、社会的な契約を果たし、自身が信頼できる人間であることを示したことになるようです。

エプリー氏曰く、

この非対称性は、超過した約束を過小評価するのではなく、守られた約束を過大評価することから生じることが示唆されている。
約束を破ることには代償が伴うものの、それを超えることには努力の価値はないようだ。

 

 

大体の人間は、気前の良さよりも、約束を守ってくれるかどうかを重要視しています。

僕個人の感覚としては、「協調性/調和性」よりも、「誠実性/公平性」が、人間関係において優位なのかなぁ…って思いましたね。また、「約束を守る」ことそのものが大切であり、約束した以上にガンバって期待以上のことをしても、人間はそこについて評価しない生き物です。なので、「私は、あなたのために必死になって約束以上のことをしているのに、全然ほめてくれないっ!」と怒ってしまわない方が良いということですね☆

 

 

【参考文献】
[Worth Keeping but Not Exceeding: Asymmetric Consequences of Breaking Versus Exceeding Promises]

 

 

 

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