恥ずかしながら、以前の僕は、結構な若ハゲな男でした。
自身に対して鍼灸施術や内服薬を用いて、良い感じになったので、それこそ「自分に自信がついた!」なメンタルになりましたね。中学まではメタボな男だったからだったのか、青年期も、ちょこちょこメタボな時期があったのか、なにやら「メタボ男は若ハゲになりやすいかも!」っていう話がありますので、今回はそれをご紹介していきます。
どうぞ、よしなに♪
早期男性型脱毛症と脂質代謝の関係性
これは2024年に公開されたパイロット研究で、85名の男性(18~35歳)を対象に調査がおこなわれました。
この調査では、男性型脱毛症(MAA)の男性40名と、MAAではない男性45名が招集されたとのこと(参加者に皮膚疾患や自己免疫疾患ではない)。その上で、参加者全員の国際糖尿病連合基準に基づいたメタボリックシンドロームの発症率をMAAの有無で比較し、身体や血圧の測定、
- 空腹時血糖値(FBG)
- 総コレステロール(TC)
- トリグリセリド(TG)
- 高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)
- 低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)
- 総テストステロン(TT)
- 尿酸(UA)
- 25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)
といった血液サンプルを収集していったそうです。
結果ですが、次のようなことになったそうです。
- MAAの参加者ほど、MAAではない参加者よりもメタボリックシンドロームに罹患している確率が高かった(37.5% vs 17.8%)。
- MAAの参加者ほど、HDLコレステロール値(39.06 vs 43.3mg/dL)、UA値(332.90 vs 376.90μmol/L)、ビタミンD値(21.10 vs 6.70ng/mL)が低かった。一方で、LDLコレステロール値が高かった。
- 脂質の代謝産物133種については、MAAでは、セラミドやスフィンゴミエリンの濃度が低いなどの差がみられた。
メタボリックシンドロームは男性型脱毛症と深い関係があるようで、大ざっぱにまとめると「不健康な生活習慣だったら、髪が抜けていくのは当然だよねぇ~~…」という感想ですね。
今回はパイロット研究でしたが、過去に出た包括的レビューでは、「特に高コレステロール、インスリン抵抗性、肥満、高血圧などの代謝異常が有意に高い割合で観察されている」とし、740名の台湾人(40~91歳)を対象にした調査では、「炎症マーカーや酸化ストレスが高まっていることが多い」とのことで、MAAとメタボの関係性については、
- インスリン抵抗性の問題によるホルモンバランスの乱れ
- 体内の炎症や酸化ストレス
これらによる脱毛が、メインの考え方になるそうです。
ただし、この関係については一貫した結果が得られていないこともあり、研究の方法論や対象者の差を深掘りする必要があるようです。まあ、不健康が全員、脱毛症になるとは限りません(遺伝もあるだろうし…)が、不健康な人のほうが髪が抜け落ちやすいのは、確かな事実です。僕も、引き続き健康的な生活を送って参ります☆
【参考文献】
[Risk factors and lipid metabolism characteristics of early-onset male androgenetic alopecia: A pilot study]
[Comorbidities in Androgenetic Alopecia: A Comprehensive Review]
[Association of androgenetic alopecia with metabolic syndrome in men: a community‐based survey]